りんちゃん迷子迷子迷子part1
なつ「ねぇゆいちゃん。この辺に大きな街があるらしいから行ってみない?」
ゆい「いいね!そこでりんちゃんに出会えたらいいなぁそしてほしいもの全部おごりたい!」
朝からりんちゃん妄想が止まらない二人は、休憩がてら近くの大きな街に行くことにした。
その街は活気に満ち溢れていて、人がたくさんいた。
ところどころにあるオシャレなカフェがなつとの初めての出会いを強く思い出させる。
あの時のどきどきに満ちた言い訳や、追跡は時間がたった今でも鮮明に覚えている。
おいしそうなにおいが鼻のほうに来たので、その匂いを追っていた。
いろいろな路地を駆け抜けて、様々な店を通り過ぎていく。
なつ「この辺なんじゃないかな?」
なつの異常な花の良さによってその場所が特定された。
見た目は普通の家。みたいな感じの見た目をしているが、ちゃんと看板があった。
ゆい「なんか普通の家じゃないのここ。だけど……………………なんかすごいいいにおいがするわね」
なつ「けど一軒のとこよりフードコートに行きたいなぁ」
せっかく走ってたどり着いたというのに、なつはここじゃなくてフードコートに行きたいというのだ。
正直走り回ってやっぱ違う場所以降はきつすぎる。
ゆい「あなたがそうしたいならいいけど……………………どこにあるの?」
ゆいの器はでっかくてその件について攻めもしなかった。それどころか受け入れた。
そしてなつはちょっとはしって地図を見に行った。
なつ「私にしっかりついてきてね!」
人間同士ならついていけるだろと思ったが、なつの速さは異常だった。
ウサイン・ボルトより速いというか…超絶速い。
人間かどうか疑うくらい速かった。この世界にギネスとかいうものがあったら間違いなく彼女が
ギネス世界記録だっただろう。まぁ人間に限った話だが。
ゆいは常人というか、なつのあとにみるとすっごく遅く感じてしまう。
ゆいも遅いわけではないのだが、やっぱり見る順番を間違えたというしかない。
ゆい「なんでそんなに速いのよ!?」
もうすでにゆいの視界にはなつのかすんだ姿しか映っていなかった。
ゆいがあと少しだけ遅かったら、もうとっくに振り切られていて見えなくなっていただろう。
必死に走り続けてやっとたどり着いた。ショッピング。
なつ「うぅ~~ん……………………まぁ才能って感じかなぁ~!」
才能だったらもっとすごいなと思ってしまったのはゆいだけだろうか。
何もしていないのにそこまで速いということは、練習したり努力したりするともう人の速さを超えてしまうのではないかと心配してしまうこともあった。
例のショッピングモールに入った。入口手前左側で、大声をあげて騒いでる二人組がいた。
そういうのは面倒くさいのでスルーしようと通り過ぎようとしたとき、スルーできない内容が耳に入ってきた。スルー出来ない内容というのだから……………………
???「おぉーーい!どこにいるんだよぉ?!りん!どこにいるんだよ!」
???「え?いないの?」
???「さっきまでここにいたよな?迷子か?」
???「たしかに。探すしかないか。」
なんとその二人はりんの話をしていたのだ。しかも迷子の話。
これは二人にとって到底無視できない内容だったのだ。
なつ「えぇぇぇ!?りんちゃんが迷子!?ほんと!?ねぇほんとなの!?あとあんたら誰!?」
知らない相手にめちゃくちゃ話しかけるなつだが、推しが行方不明となるとまぁそうなるかと納得できた
???「え?なに?あ…え?うん。りんが迷子なのはほんとたよ…?あと俺はお。」
実はこの俺らの知らない大世界の本編の主人公はこいつ。はおなのだ。
???「え?僕も自己紹介しないと駄目な感じ?」
はお「え…?あ………………………うん。多分。」
???「え?僕の名前はテラ。一応りんの冒険仲間だ。」
もっと無視できない情報もやってきた。りんに冒険仲間がいるんだと。
もう情報量が多くて手に負えないという状況のなつ。それを必死にまとめようとしているゆい。
ここで性格の違いも出てきた。てかもうとっくにでてるか。
なつ「ううううん。気を取り直して~私はなつ!超絶美少女♡りんちゃんのファンです!」
ゆい「私はゆい。右に同じく。そしてりんちゃんが迷子の話は本当なんですよね?」
テラ「うん。ほんと」
なつ「決まり!じゃぁどっちのほうが早くりんちゃんを見つけられるか勝負ね!」
はお「はぁ~みんなで探した方が平和なのになぁ……負けたほう焼肉おごりね?」
はおは平和な方がいいだろと主張しながらも、負けた方にペナルティ意を与えるという嫌な感じにしてきたのだ。こいつ、多分勝てると思ってるんだろう。
ゆい&なつ「もちろんよ!」
テラ(僕だけおいてかれてない?)
そう。なんかテンション高めの三人にテラは置いてかれているのだった。
ゆい「魔法は無しよね?だって不平等じゃない?」
はお「……………………………………………?!」
この反応を見るに、テラの魔法あたりをあてにしていたのだろう。
まぁそれならそうなるのも分かるが……………………。
はお「は?なんでそっちのペースに合わせなきゃいけ…………」
テラ「文句終わり。さっさと始めて?」
テラの冷たい声によりリンちゃん探し対決はスタートした。みんな猛ダッシュで広いショッピング
センターを駆け抜ける。
なつ「ねぇゆいちゃん!りんちゃん多分こっちにいると思う」
ゆい「まぁ穴場店みたいなのもそうやって見つけたし、信じてあげるわ。」
コイツのこの性格だから信じがたいが、前例がちゃんとあったため断る理由もなかった。
白い天井が緑に変わって、雑貨コーナーになる。そして緑の天井が変わって白い天井になった。
白い天井の下には服屋がたくさん並んでいた。それも通り過ぎて緑の天井になり…雑貨こーなに……?
おきづきだろうか。ゆいたちは同じ場所をループしているのだ。
ゆい「ねぇなつちゃん。私たち同じ場所を通ってる気がするんだけど?」
なつ「そっそんなことないってば!だって緑の天井……白………同じ店だぁ!!!どうしよう!」
お前は気づくのが遅すぎるんよというはんのうで、ゆいはなつをみる。
ゆい「とりあえず戻りましょう。」
なつ「うぇ~ん。そうだね……………………」
今までの苦労は何だったんだ。という感じで軽く泣いていたなつをスルーし、ゆいは走り出した。
はお「焼肉たべたいな。りんがいっつも一人で食べちゃうからほとんど食べれてないんだよ!」
テラ「食べたいという感情がよくわからないけど、しょうがないんじゃないか?」
なんで焼肉とかご飯を食べたいという感情がわからないのか。解せぬ。
テラ「魔法が使えれば一瞬なのにね。まぁしょうがない。聞き込みでもするか。」
魔法が使えなければ聞き込み。直感で探すあっちよりはこっちのほうが見つかりやすいんじゃないか?
はお「すいません。青いジャケットを着ていて、黒い髪のポニーテルをしている子みませんでしたか?」
一般人「ごめんね。見てないんだ。」
聞き込みをすることになったのだが、これがまた難関。何百人もいるから皆に聞く前に、帰宅してしまう人とかもいるだろう。なのでなるべく早く、なるべく多くの人に聞こうと必死になっていた。
走って走って走って、片っ端から聞いていった。
一般「あぁそんな感じの子は西のほうに走ってったけど……………………」
はお「ありがとうございます!」
はおは忘れてしまっているのだろうか。
はお「なぁテラ。西だってさ。コンパスで探そうぜ?」
テラ「おいおまえ。りんに二個とも壊されたの覚えてないのか?」
はお「そうだったぁぁぁぁ!!!」
もう勘弁してくれとばかりに叫んだ。それでも進み始めた。
そしてなつとゆいとばったりと出会った。最初に口を開いたのはゆいだった。
もしかして見つかったよということを言うのかと思い、はおの顔は絶望に満ちていた。
ゆい「そっち見つかったかしら?」
テラ「いや。見つかってない。というか見つかってたら後にいるだろ。」
なつ「しゃーない!一緒に探しますか!」
はお「そっちが決めたことだろ!まぁそうだな。じゃないと見つからなそうだし。」
たしかに、ゆいとなつが決めたことなのに、なぜかそっちが破棄してきた。
ゆい「あとさっき聞いちゃったんだけど、りんちゃんってコンパス壊しちゃったの?」
はお「そうだよ。」
なつ「でもかわいいから許せちゃう」
なつとゆいは顔を見合わせて笑った。考えることは同じだねと。
それをみてテラとはおも顔を見合わせた。こっちは苦笑だった。
そしてゆいとなつはそん時のことを勝手に妄想し、二人でおかしくくなっていた。
なつ「あぁ可愛すぎる!はおたちは聞き込みしててよ。なんか有力な情報があったらラインで…」
はお「ごめん。スマホ持ってない。」
私たちの世界だと結構の割合でその年代は持っているのだが、カオスな世界だからしょうがない。
なつ「じゃぁリンちゃんのこと詳しい私たちに任せて、その辺でうろちょろしてて!」
はお「俺らのほうが詳しいだろ。だって冒険一緒にしてんだぞ?」
なつが言った言葉にはおが適切な突っ込みをする。でもわからないな。ほら
テラ「でもなつたちのほうが知ろうとしてるから、わかんないよ?」
ゆい「わかってるぅ~!」
ゆいがテラの回答にめちゃくちゃ興奮しながらそう答えた。
ゆい「じゃぁ二手に分かれましょう。このショッピングモールの右と左で別れて、全部探してもいなかっ たら入口に集合。そしたら街全体をさがしましょ。」
テラ「賛成」
なつ「えぇそれだとライン出来る私とゆいちゃんはなれちゃうじゃん!」
はお「賛成。それならりんの謎行動についてちょっと話してやろうか???」
なつ「ならいいや!ゆいちゃん。私がはおと行くからね?」
そんなにりんの謎理論が気になるのか。聞いても謎で、理解に困るし……………………。
テラは本当に仲いい相手以外には自発しないので相手の言ったことに感想を伝えることしか今はしない。
ゆい「ねぇテラさん。りんちゃんってどんな子なの?」
テラ「知らないほうが幸せだぞ?」
ゆい「そうだとしても知りたいのよ。」
テラ「究極のバカとしか言いようがない。ほんとおかしなやつだ。」
テラが鋭くそういうと、ゆいは無言になった。いくら本人がいないとしてもひどすぎるだろと。
ゆい「そっそうなのね……………………?」
はお「なんかね。コンパスを壊した時の話なんだけどね。」
なつ「えぇ!?もう絶対かわいい!」
はお「でっかい磁石で何やるんだろとみていたら。コンパスをそれでぶっ壊したんだが……………………」
「だけど、俺のもんなのに謝らず世紀の大発見だ!だのなんだのたくさん言ってたんだよ。」
今でも思い出したくないと頭を抱えながら、はおはなつにそういった。
なつ「でもやっぱ可愛いから許せちゃうな!」