高校で朝読書週間があった時の話し
毎朝始業前に十分だけ読書をすると言う【朝読書】なのだが、大体ネットでこういう時間にライトノベルを読んでいると周りからドン引きか冷笑されると言われていたが、私はそういう事は無かった。
始まったのが高校の時なのだが、いざ読書の時間になると隣の奴はジャンプを出したり、前の奴はハリー・ポッターの本を盾にしてガラケーを弄っていたり、後ろの奴は寝ていたりしていた。
こんな感じのクラスだからライトノベルと言えど、活字の列が並んでいる本を読んでいるだけでもう優等生なのだ。
すでにライトノベルにハマっていたので【朝読書】は好きだった。だが全く本を読まない友達にとって苦しいらしく、私にお勧めの本を聞いてきたことがある。
こういう時、結構悩む。
友達に「どんな本が読みたい?」って聞いたら「なんでもー」とざっくばらんな答えが返ってきたが、その時に読んでいた暗黒ライトノベル(グロと鬱展開が多い物語)を勧めるのはどうかと思う。
とにかく自分の本棚を眺めて悩んで考えた結果、さくらももこ先生の【あのころ】と言う単行本を貸した。
これは小学六年生の時に親が持っていた本で、私が初めて読んだエッセイだ。その頃は本って堅苦しいって思っていたが、共感したり爆笑した思い出がある。この【あのころ】は【まる子だった】と【ももこの話】はエッセイの三部作になっている。他二冊も面白いのでお勧めだ。
この本を選んだ理由は、まず国民的アニメの【ちびまる子ちゃん】と同じ雰囲気がある事。読書しない人って活字で想像が出来ず、分からなくて辞める人が多い。だが【ちびまる子ちゃん】の延長戦のようなエッセイなので、イメージしやすい。
次は話が短い。エッセイだから数ページでひと段落して十分間でも読める。制限時間のある読書時間なので長い物語だといい所で終わってしまったり、次に読んだ時、どういう話だっけ? と分からなくなってしまう事もあるので短い方が良い。
最後は面白いから。これが一番の理由だ。
テストの時よりも悩んで考えて選んだ【あのころ】を貸して友達は喜んでくれた。しかも本を返した後、自分用に買ったと言う話を聞いて、さんざん悩んで良かったと思った。そして暗黒ライトノベルを勧めなくて良かった。
今でこそ【朝読書】におススメな本と言うポップをつけて売り出す本屋や【五分後に意外な結末】シリーズなどの専用の本が出てきているけど、面白いエッセイも割と【朝読書】に向いていると思う。噴き出して、周りに変な目で見られる可能性はあるけれど。