緑
俺は身構えた、不良Aのパンチは俺の顔面をとらえようとしたが…
「田淵!やめとけ!」
不良の中の一人が不良Aに叫んだ、そして不良Aはパンチを俺の顔面スレスレで止めた。
チッ、俺のクロスカウンターが炸裂する瞬間だったのに…嘘です。
ちなみに不良Aは「田淵くん」と判明した。
田淵「何で止めたんだよ!」
田淵くんは些か不機嫌だ、いや、怒ってるのか。
不良D「お前が今、その人を殴ったところでどうなる?」
田淵「…わかったよ」
田淵くんは渋々俺から離れた、田淵くんを制止したのは緑のダウンを着た不良Dだった。
ありがとう、本当は殴り倒されてるところだったよ、不良Dは名前が解らないので「緑くん」と呼ぶことにした。
俺「ありがとう、助かったよ」
緑くん「当然の事をしたまでっすよ、それより連れの人が…」
吉田はまた隙をついて、逃げようとしたが…
ガシャ!!!
また自転車に足をぶつけやがった、それも緑くんの自転車に。
もうお前は天に召されてしまえ、そして帰ってくるな。
吉田「お゛お゛~~!」
今度は悶絶してる。
俺「あ…あの…」
緑くん「別に気にしなくていいっすよ、田淵みたいに大破してないっすから」
俺「済まない…」
もう吉田の事はどうでもよくなってきた、緑くんとなら良い酒が飲めそうな気がしてきた。
俺は吉田の元に行き、ゲンコツをお見舞いした。
吉田「いった~何するんだよ!」
俺「頼むから、これ以上厄介事を増やすな!」
吉田「解ったよ~」
恐らく解っていないと思うが、まぁいいだろう。
緑くんがこのままでは収拾がつかないと判断し、一旦話し合う事になった。
まさか本当に不良達と話し合うとは驚きだ。
俺「この事態の元を辿ったら君達が悪い、そうだろ?」
田淵&不良BC「んだと!?」
緑くん「待て、続きを聞け」
俺「しかしっ!!」
俺は大声で言った。
俺「吉田が君の自転車を潰したのも悪い」
田淵くんを指差しながら言った。
吉田「そーだ☆そーだ」
君は黙ってなさい。
緑くん「確かに俺達が悪いけど、別として自転車を壊した吉田さんも悪いっすね」
俺「そこで、吉田に自転車を弁償をさせて、この件は無かった事に…ということでどうだろう?」
緑くん「田淵、これでいいだろ?」
田淵くん「仕方ねぇな!」
吉田は些か不満げだが関係ない関係ない。
緑くん「話はまとまったな、俺コンビニ行ってくるわ」
不良BC「俺らも行くぜ」
緑くん「俺さんも一緒にどうっすか?お詫びにオゴリたいっすから」
俺「一緒にいくけど、自分で買うよ」
緑くん「そうっすか?じゃあ行きましょうか」
俺達は、吉田と田淵くんを残してコンビニに行った、緑くん曰く二人きりの方が話易いとか。
なんか違うと思うが。




