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転生


私の名前は、野薔のばら 百合ゆり


私は、ショタとロリを愛している!!そりゃあ、もう、愛している。愛しすぎて、3度の飯よりショタとロリだ!因みに守護範囲は13歳以下である!


とまぁ…熱く語ってみたものの、実際ここまで宣言できるよう成までに、結構な道のりが掛かった。


これは、そんな私がショタロリを愛するようになり、ショタロリを更に愛して愛でていくだけの話だ。













「ねぇ、アンタ私の変わりに神様やりなさいよ」


空に浮かび上がりながら、気だるげな表情の金髪美女が、赤色のドレスをヒラヒラさせながら、そんな言葉を曰う。


それに対する私の答えは、1音。


「…は?」


「面倒くさいわねぇ〜」


金髪美女は気だるそうに、私へ人差し指を指すと、指の先から蛍の光の様なモノが現れ、ソレが私の頭へ飛び込んだ。


私は咄嗟に目を瞑った。すると、脳内に、情報が入ってきた。


私の目の前に居るは、女神ディーセルナ。異世界カッターナをつくりあげた神である。現在、その情熱は保持していない、らしい。


そして、私は異世界カッターナへ現人神として、なんかして欲しいらしい。


「いや、なんかって……何?」


私はそう、問い返すしかなかった。


「…何でもいいわ。人間の住める地域を増やす、発展を手伝う、人間を幸福にする、戦争を止める。はぁ…説明めんど……ともかく人間が絶滅しなければ、いいから。」


「えぇー…」


随分適当な神様だ。


「それじゃ、頼んだわよ」


その言葉を掛けられるや否や、私を支えていたモノが消失した。


「っぎゃぁぁぁああああーーー!?」


私は暫く叫び声を上げていたが、ふと気が付くと、キラキラとした粒子や、小さな宝石のようなモノが見えた。


それに、肌を撫でる風はまるで揺り籠のように優しく、見守られて居るような気がした。


私は瞑っていた瞳を恐る恐る眼下を確認する。日本では見れないような緑豊かな広大な森。そこかから、森と比較しても大きく見える川が流れている。


川を目線で辿ると、日本よりも色彩豊かな虹の掛かった、お伽噺に出てくるような白亜のお城のある国に向かっていた。


「…わぁ」


私は感嘆の声が漏れた。とても綺麗だった。そして、空気がキラキラとしている。


比喩ではなく、意識すると空気中に宝石の様な粒が無数に浮かんでいた。


手を伸ばしてみても、ソレは透けて掴めなかった。でも、手を見て気がついた。


私の手…いや、全身がキラキラとした宝石の様に成っている事に。少なくとも、見える範囲では、そうだ。


「なっ…何これ…?」


よく見ると、肌の色と重なっている。意識して、目を背けようとして見て見ると、ちゃんと肌の色が浮き出てきて、宝石のキラキラした色合いは消えた。


…いや、意識して目を背けようとして見て見るって、変な言い方だけど…感覚的にそうとしか表現できない。


いったい、私の体は如何なっているのやら…?


しかし、疑問は解決することなく、ドンドン私は落下している。しかし、加速や、風圧、気温の変化も特にないまま、私は落下していた。


それに、守られている感覚があって、全く怖くない。


…これ、本当に落下してる…?


私は意を決して、また周りを意識して見ることにした。


白亜の城の国は満遍なく、森には点々とキラキラが集中していた。


よく見ると、私が手足を動かす度に、キラキラも其れに釣られて僅かに動いている。


恐らくだけど…私の周りキラキラが集中しているのかも。


何故、恐らくなのか?


例えるなら、歪んだ眼鏡ーーこの場合は周りのキラキラーーからは歪んだ光景しか見えない。でも、その眼鏡が歪んでいるのか、掛けている人には確かめようがない。


だから、私の見ている光景が可笑しいかは、私には分からない。


そんな事をツラツラと考えている内に、地面到達まであと少しだ。


……う〜ん。根拠のない、大丈夫だという自信がある。


そもそも、私って死んだんだよね……?何故か、死ぬ直前と友人や家族の記憶がない。居たのは分かるけど…そう、エピソード記憶だけ欠如している。


だからか、元の世界に帰りたいと言う思いはあまりない。いや、違った。ゲーム、アニメ、漫画は、まだまだ心残りがあった。


でもまぁ…来ちゃったモノは、仕方ないか。


どうやら、私は森の奥の方へ落ちている様だ。


鬱蒼とした森の中を、枝葉をすり抜けて降りる。それが無くなった瞬間、誰か倒れている。


そう認識した時にはもう、私は生身の声で言葉を発していた。


「あっ…」


【…無事憑依できたようね】


女神の気だるそうな、少し安堵したような声が脳内へ響く。


「あの、ボク……え?ボク?」


聞き慣れない声がした。言語すらも、聞きなれなかったのに、それを認識できている。喉を触ると、小さいが主張する喉仏に触れた。


【その体は、ついさっき死んだハイエルフのモノよ。】


「ハイエルフ…?」


【記憶は直ぐに馴染むと思うわ。その後は自由にしていいから。】


「…え、いや、でも…この森は…」


危険だ。獰猛な魔物が沢山生息している。だからこそ、エルフは森の奥の洞窟を住処にして、結界を張り、その上を木の葉で覆って偽装する。そして、更に道迷いの結界をアーティファクトを使っていた。


【ええ。だからこそ、アナタの魂の資質を魔法と精霊への親和性に全振りしたのよ。迷ったら、精霊に聞きなさい。】


全振りって…神様もゲーム用語、使うんだ。じゃなくて。


「…精霊」


そうだ。精霊は森の事なら何でも知っている。人の住む国でも、魔力のある所なら、精霊は沢山いる。寧ろ魔力の集まる場所だから、地域によっては多いくらいらいし。


【それじゃ、あとは本当にご自由に。】


そう言ったきり、女神の声は聞こえなくなった。


………え?つまり、私はハイエルフに憑依転生したってこと……?


と、兎も角ここを離れよう。ここには良い思い出がない。万が一見られでもしたら、大変だ。


私はさっと立ち上がり、瞳を閉じて、精霊たちを意識しながら伝える。


「みんな、此処から一番近い人間の街の方向を教えて。」


ーザワザワ、ザワザワ


木々がざわめき、獣や虫の声がかき消される。


風がビューと通り抜けた。私はその方向へ、走り出す。風は私が走る方向へ更に追い風を吹かせる。精霊たちが、私の為にしている。


記憶のせいで、何時も通りと感じると同時に、異世界味を感じて、とても楽しくて…そして嬉しかった。


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