緊急警報!!メスオーク襲来
―――寝床へと外の光が差し込む……。
「んんーー……いい朝だ!」
目を覚まし、ぐっと伸びをする。
目覚めもよく、気持ちのいい朝だ。
ミオとベルは起こしにきてくれなかったが、きっと今日はいいことがあるに違いない。
一通り支度を済ませ、食事を取りに行く。
「おはよう。」
「あ、おはようございます……。」
「おはようございます……アイラさん……。」
二人は、どこか余所余所しい。
なにか怒らせるようなことでもしただろうか?
今のところ、記憶にない。
今日の朝食は……なんとパンケーキだ。
おそらく、この間買ってきた小麦粉を使ったのだろう。
栄養価などは度外視されているように思うが、二人で相談して食べたいものを一緒に楽しく作ったとでもいった感じだろう。
俺の分も作ってくれていたので、喜んでいただいた。
すでに冷め切っていたが、甘くて美味しかった。
「ミオ、今日も美味しかったよ。」
「え……あ、はい、そうですか……。お粗末様です……。」
やはりどこか余所余所しいような……。
「私も、手伝ったんですよ……?」
ベルが申告する。
「そうだったのか。ありがとう。美味しかったよ。」
「……はい、よかったです。」
自分から申し出た割にはどこか塩対応だ……。
まぁ、いい。
気にしてても理由は分からないしな。
「二人は、今日は何か予定はあるか?」
俺は、二人に今日の希望を聴くつもりでそう聞いた。
自分自身が今日は特に用事がなかったのもあるが、何か少しくらいは余所余所しさの理由が分かるかもしれないと思ったからだ。
「いえ、何もないです。」
「私も……特にありません。」
二人とも希望はないようだった。
じゃあ、今日はこのままゆっくり過ごすことにでもしよう。
二人とも疲れているのかもしれないしな。
そんなわけで、今日はのんびり過ごすことになった。
掃除や洗濯、その他にも装備を整えたり、戦闘に使う備品の補充をしたりなどなど……これなら、
長期間家を空けても、また、いつ戦闘が起きても平気というくらいにはいろいろなことができた。
ミオとベルもいろいろとやることが終わったようで、一休みしている。
すでに昼時も過ぎているが、食事は俺が作ることにしよう。
たくさんある小麦粉を使う。
あとは、卵も使う。
その他にも栄養のありそうないろいろな野菜、ピーグルの肉を食べ易い大きさに乱雑に切る。
肉だけは先に焼き、それ以外の全てをかき混ぜ、平たく伸ばし焼く。
焼き上がったら、以前ミオやベルと出掛けた際に寄った店でも使っていたソースやらその他諸々を振り掛ける。
甘辛くていい匂いがしてくる。
そう、お好み焼きだ。
ミオとベルの分も用意し、座って一休みしていた二人の前に出す。
「――ミオ、ベル、お疲れ様。」
「あ……ありがとうございます。い、いただきますね……?」
「ありがとう……ございます。」
結局、二人の様子がおかしい理由は分からない。
温かくて美味いものを食えば、機嫌もよくなるかもしれない。
「――じゃあ、食べよう。」
「――いただきます。」
三人で一緒に食べ始める。
「――あ、美味しい……です。」
「――はい!おいしいです!あ……えっと……おいしいです。」
二人の反応はよかった。
「――それはよかった!まぁ、ゆっくり食べてくれ。」
そのあとは、特に楽しい会話などもないまま黙々と食べるだけだった。
最初の反応を見るに、まずいわけではなかったと思うのだが……。
やはり、機嫌が悪いのだろう。
三人とも食べ終わり、片付けを済ませ、再びゆっくりする。
これから外に出てもできることはあるだろうが、今日はこんな調子でのんびりと過ごす一日になるのかもしれないな……。
そんなことを考えていた。
そんな矢先だった――。
『――――緊急警報!!緊急警報!!オークの群れの襲来が確認されました!!戦闘可能なものは、すぐにギルドに集まってください!!繰り返します!緊急警報…………!!』
――緊急警報だ。
以前サキュバスが襲来した際にも警報があったが、その時よりも緊急性が高そうだ。
緊急警報に余裕がない雰囲気を感じた。
それに、相手がサキュバスではなく、オークということもあるのだろう。
ミオとベルを連れて、急いでギルドに向かう。
ギルドに着くと、以前の緊急警報の時よりも明らかに人が多い。
以前は多くの男性が行動不能だったようだが、今回はそうではないからだろう。
あるいは、オークという脅威が襲ってきたということもあって人が多いのかもしれない。
屈強な男たちが数多くいる。
以前見かけた優秀な女性パーティもいる。
「――皆さん聞いてください!!急ぎとなりますので、聞き次第すぐに現場に向かっていただければと思います!!」
いつもの受付のお姉さんだ。
相当焦っているように見える。
これはただ事ではないだろう。
他の連中もそれに気付いたのか、ざわざわしていたギルド内は一気に静かになる。
「――オークが!!メスのオークが数十体、この町に向かってきているとの情報がありました!!メスのオークたちは、間もなくこの町に到着すると思われます!目的は不明です!!戦闘になることが予想されますので、くれぐれも皆さん早急に!気を付けて向かってください!!……それではみなさん、気を付けて、どうぞよろしくお願いします!!!」
受付のお姉さんは矢継ぎ早にまとめて話した。
そんな中でも気遣いを忘れないところは素敵だと思う。
「……アイラさん?」
何かを感じ取ったのか、ミオが疑問形で俺の名前を呼ぶ。
実際口にはしていないが、この続きはほぼ間違いなく、また浮気ですか?だろう。
もう、そういう顔をしている。
俺はそんなに信用がないのだろうか。
いや、違う。
俺はここ最近、そんなに浮気をしていただろうか?
そうでもないと思うんだけどな……。
まぁ、いい。
今はメスオーク襲来の件の方が重要だ。
「――急いで向かおう!」
ミオとベルにそう投げ掛ける。
一刻も早く向かう必要があるだろう。
「――――おいおいおいおい!!相手はオークだろ?女なんか足手まといだろ!?行くなら男だけだろうに!!」
だが、近くにいた屈強な男が、でかい声でなにやら喋べり始める。
屈強な男は、その体付きに比例するかのように、自信満々な様子だ。
「――え……えと……その……。」
抗議された受付のお姉さんは、困った様子でありながらも答えようとするが……。
オロオロとし、答えることができないようだった。
「――ちょっと待ちなよあんた!」
答えることができないお姉さんを他所に、迫力のある別の女の声が割って入る。
声の主である女が、屈強な男の前に出てきた。
以前サキュバス襲来の際に見かけた鎧の女だ。
少しうしろにパーティーのメンバーもいる。
「――なんだぁ?てめぇは?」
「――女だからって甘く見んじゃないよ!!あんたたち男こそ足手まといだろう?サキュバスの時なんかひょろっひょろになって寝てただけじゃないか。役立たずの男どもはサキュバスの乳でも吸ってすっこんでな!!」
「――んだと、てめぇっ!!!」
「――なんだい!?やろうってのかい!?」
まさに一触即発といったところだろう。
「――あ、あの!!みなさん!!今は急いでオークのもとへ向かってくださいっ!!!」
受付のお姉さんが少し怒った様子で、これ以上ないくらい大きな声を出し、全員に呼び掛ける。
すでにギルドを出ようとしていた俺たちは、その声を聞くなりいち早くギルドを出る。
そのため、俺たちのうしろを他の連中が付いてくるような形になった。
町の外に出ると、押し寄せてきているオークの姿がすぐに目に入った。
ギリギリ間に合ったようだ。
俺たち三人は、必然的にその最前列であり最前線、一番先頭に出る形となった。
――――どうしてこうなった――!?
いや、まぁ、うしろには多くの戦士や冒険者、屈強な男たちもたくさんいる。
いきなりやられることもないだろう……。
オークの群れが、土埃を上げながら走り寄ってくる。
そして、俺たち集団の姿を目に留め、足を止める。
結構な数だ。
受付のお姉さんは数十体といっていたが……確かに多い。
もともと身体の大きいオークだ。
想像していた以上に数が多いように見える。
土埃が徐々に晴れていき、オークの瞳がこちらを向いているのが確認できる。
「――――男よぉん!!男がいるわぁん――――――!!」
第一声を上げた。
――――なにそれ!!怖い!!!
声は……女というには少し低いように感じる。
メスであるのはおそらく間違いないのだろうが……そういう声、そういう喋り方をする。
見た目は……お世辞にも美人や綺麗といった言葉からは縁遠い。
身長は様々だが……その大部分は俺の身長の倍近くあり、横幅に至っては三倍近くもある。
そして肌は、色としては綺麗とはいい難い緑色をしていて、顔も丸く、頬も脂肪で垂れ、鼻も豚鼻という顔の作りをしていた。
うしろに控えている連中も含め、俺たちは呆気に取られる。
呆然としていると、メスオークたちの群れからはざわざわと声が聞こえてくる……。
「男がいるわよぉ……。」
「男がたくさんだわぁ……。」
「男が選り取り見取りねぇ……。」
やたらと男というワードが耳に付いた。
そして、全てのメスのオークの瞳がこちらを向く。
――直後。
「「「「「――――おおおおおおおおお――――――!!!」」」」」
雄叫びを上げ、全員で突っ込んでくる。
この雄叫びが俺たちのうしろにいる連中のものであれば、どれだけ頼もしかったことだろうか。
だが、その雄叫びはまるで発情しているかのような声であり、自分たちのうしろではなく、正面にいるメスのオークの群れから発せられている。
あるいは、本当に発情しているのかもしれない。
「――お、俺……こんな……無理だ……。」
ギルドで自信満々に抗議していた屈強な男は、可愛らしい小動物のような怯え方をしている。
また、他の男連中も同様に臆してしまっていた。
そして、俺もその中には含まれている。
――怖い!!すごく怖い!!あんなの……一体、何をされるのやら……!
「――だからいったじゃないか!!男連中はすっこんでな!!ここは女だけでやるよ!!」
鎧の女率いるパーティーが僅かに遅れて前へ出てくる。
メスのオークたちは足を止めることなくどんどん接近してくる。
女性たちはすぐさま各々の武器を構えた。
ミオとベルも俺を庇うように前へ出る。
「――アクアスライサー!」
「――ウィンドカッター!」
ミオとベル、そして他の女性たちもメスオークの群れに向かって魔法を放ち続ける。
そんなミオとベルの様子を見れば、俺も怯えているわけにはいかない。
やっとの想いで前に出る。
「――ライトニング!」
だが、全員の攻撃はまるで効いていない。
その大きな体のせいか、その脂肪のせいか……兎にも角にも、全く攻撃が通らない。
気が付けば、あっという間に接近されてしまっていた。
すでに剣や槍の届く距離だ。
鎧の女や、そのパーティーの麗らかな女剣士も斧や剣で斬り付ける。
僅かながらにダメージはあるようだが、メスオークたちは止まらない。
俺も魔法での応戦から短剣での攻撃に切り替えるが、当然ダメージは通らない。
目の前にメスのオークが立つ。
「――――男よぉ!!男よぉぉん――――――!!」
腕を広げ、その広げた腕で抱き締められてしまう。
いや、抱き上げられてしまった。
俺はこのまま……潰されてしまうのだろうか――。
「――男!!男よぉぉぉん!!!」
頬ずりをされる。
メスオークの鼻息が当たる。
――――怖い!怖い怖い怖い怖い怖い!!とにかく怖い!!!
「――――男よぉぉぉん!!いいわぁん!あたしはこれにするのぉぉぉ――――――!!」
複数のオークに囲まれ、身動き一つとれない。
そのまま俺は……担がれてしまう…………。
担がれたことによって、高い視点から辺りを見渡すことができる。
俺以外の男連中も担がれているようだ。
町に突っ込んでくると予想されていたメスオークたちは、男を担ぐと、即座に身を翻し、折り返す。
走ってきた方へと戻って行く……。
俺たちを……担いで――――。
担がれながら遠ざかって行く町を見て、もうあの町には戻れないかもしれない。
そんなことを思った。
「さよなら……。さよなら……俺の楽しかった日常……。」
そんなことを呟いてしまう。
幸いだったのは、町に被害はなかったことだろうか。
もし無事に帰ることができたなら、今度はあの町のゴミ拾いでもしようかな……。
残された女性たちは、俺たちを担いだメスオークをただただ見送っていた。
いや、呆然と見ているだけだった――。
――結構な距離を移動した。
と、思う。
担がれながらも短剣は手放していなかったため、何度かオークを斬り付けてみたが、やはりダメージはなかった。
そして、知らない場所に到着する。
担がれていた男たちは、一箇所にまとめられるように投げ下ろされた。
俺たち人間の男は、メスオークたちに囲まれる。
ギルドで抗議をしていた屈強な男は……もはや、か弱い幼女のように怯えている。
いや、当然俺も怖い。
他の男連中も俺と同じように怖がっている。
女性が圧倒的優位な男女逆転世界が存在すれば、きっとこんな気分になるのだろう。
とにかく怖い……。
「――――それじゃあ……それでいいわねぇ?」
「――いいわよぉん、そうしましょ?」
メスのオークたちは、何かを相談しあっていた。
「――――それじゃあ、あんたたち!!好きなのを持って帰って好きにしていいわよぉん――!!」
他のメスオークたちに向かって大声で叫ぶ。
町に襲来してきた際に一番最初に口を開いた……と思われるメスのオークだ。
「「「「「――――おおおおおおおおお――――――!!!」」」」」
またもや雄叫びを上げ、デパートのバーゲンセールさながら、メスオークたちは男たちの塊から自分たちの目当てのものに手を伸ばす。
「――あたしはこれよぉん!!」
「――あたしはこれぇぇぇ!!」
「――あたしは細くて弱そうなこれにするわぁん――!!」
――その戦争は……徐々に終結へと向かう……。
そして俺は……いや、俺と小動物のように怯えていた屈強な男は……そこに、残された……。
「――あらぁん?一個余っちゃったわねぇん……もしかしてこれは、あたしが二つとも持って帰っていいってことかしらぁん?」
大声で叫んでいた……ここのボスと思われるメスのオークは、そんな恐ろしいことを口にする。
「――ちょっとぉん。さすがにあんたでも二個はダメよ?みんなで決めたでしょう?」
すでに目当てのぽっちゃりした男を肩に担いでいる、近くにいた別のメスオークがそんなことをいう。
「――わ、わかってるわよぉん。仕方ないわねぇん……じゃあ、あたしはこっちのでかい方をもらって、こっちのもう一つはあのブサイク姫にでも献上しようかしらぁん?」
――なるほど……でかい方か……。
俺も普通の女から見れば、体はでかい方だろう。
だが今は……いくら小動物のように怯えているといっても、屈強な男と比べられれば俺は別にでかくはないのではなかろうか……。
つまり…………。
――ん?
なんていった?
ブサイク姫……?
――――いやいやいやいやいや!待て待て待て待て!無理だろ!!
これ以上ブサイクとか……いや、無理だろ!!
いや、これ以上一体どんなモンスターが出てくるんだ!!
いや、こいつらも十分モンスターだけれども!!!
――――嫌だ!!嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!!!
「――嫌だっ!!!」
口に出ていた。
「――――あらぁん?なにかしらぁん?もしかしてあんたもあたしがいいっていうのぉん?」
「――ち、違う!そんなわけないだろ!!嫌だ!やめろ!離せ!離して?離してください!ホント!ホントお願いしますぅ!!」
強気にいこうと思ったが……泣きそうになった……。
まったく……情けないやつだぜ……俺!!
「――うふふぅん。ダメよぉん。いくらあたしが魅力的だからっていっても、あたしはもうこっちのでかい方に決めちゃったのよぉん?」
「――な、何が魅力的だ!!このブサイクめ!!」
しまった。
つい本音をいってしまった……。
それを聞いたメスオークは、ブモォォォォォ!!と鼻息を吐き出しながら、怒りで顔を真っ赤にする。
「――――ふざけんじゃないわよぉん!!あんたなんかあのブサイク姫に廃人になるまで搾り取られればいいのよぉん!!!ブモォォォォォォォーーーーーー!!」
……オークは……大層……お怒りで……あった……。
俺と屈強な小動物男は、乱暴にメスオークの脇に抱えられる。
そのまま宮殿のような建物の中に運ばれ、一番奥の部屋の扉をメスオークは蹴り開け、俺をその中へ投げ入れる。
「――――あんたなんか産まれたことを後悔しながら何もかも搾り取られればいいのよぉん!!ブモオォォォォォーーーーーー!!!」
そんな捨て台詞を吐いていく。
――――バタンッ!!!
メスのオークは乱暴に扉を閉める。
――ガチャン!!
外から鍵を閉められたようだ。
……内側に鍵は……ない……。
完全に閉じ込められた……。
俺は……膝を抱えて……涙を零す……。
――――怖いっ!……怖い怖い怖い怖いっ!!
「――あ、あの…………。」
一体どんな化物が……文字通りの化物が俺を廃人にしてしまうのだろう……。
俺はこれからどうやっていろいろと搾り取られてしまうのだろう――――!!
「――あのー…………。」
――――嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!!怖い怖い怖い怖い怖いっ!!!
「――も、もしもーし……?」
きっとヘドロみたいにでっぷりと脂が乗りに乗りまくっ――――。
「――き、聞こえますかー?」
――ってない!!
「……え?あれ……?――き、聞こえてます!すみません!ごめんなさい――――!」
恐怖からだったのか、なぜか謝罪の言葉が出てくる。
「――あの……えっと……大丈夫ですか……?」
俺に声を掛け続けていたと思われる女の子は、俺の身を案じてくれる。
「……あ、はい……大丈夫です……。」
いや、確かにちょっとだけ膨よかではあるのだが……デブなどといえるほどではなく、むしろ……ムチムチとしていてちょっぴりエロい……。
肌は緑色……ではなく、褐色肌であり、髪の毛は深緑色をしている。
長さは、セミロングといったところだろうか?
身体は、むっちりとしていてセクシーな上に……顔も……なんと、可愛いではないか――!!
人間と比較しても可愛い……。
というか、人間なのではないかと疑ってしまうほどではあるのだが……耳は豚のような形をしていて、小さな尻尾も生えている。
むしろそれが、さらに可愛さを引き立てているようにも思うのだが……。
オークということも否定できない程にはオークの要素が残っている。
――これは一体……どういうことだ……?
「……えっと……オーク……?」
思わず口に出てしまっていた。
「――――はううっ!!や、やっぱり私、ブサイク……ですよね!?ご、ごめんなさい!!私、身体も小さくて、脂肪も少なくて、鼻も小さめなんですぅ……!」
…………ん?
「――いや、むしろ可愛いよ!!すごい可愛い!!」
勢いに任せ、続けて本音が出てしまう。
「――へっ?――え……ええええええっっっ!?そ、そんなわけありませんっ!!そ、そんなお世辞いっても――だ、ダメです……よ?」
俺は、目の前の女の子の自信のなさそうな様子を見て、本当のことをいって励まそうとしたのかもしれない。
「――いや、可愛いよ!!本当に可愛い!!」
「――そ、そんなに可愛い可愛いいわないでくださいっ!!だ、だって私がブサイクだからオークってわからなかったじゃないですか!!」
「――いや、だって……こんなに可愛い子がオークだなんて思うわけないじゃないかっ――――!!」
「…………え――えええええっ!?……え、え、えーと……えーっ……とぉ……あう、あう…………はううぅぅぅ――――――。」
緑髪褐色肌のオークの女の子は、顔を赤くし目を回しながら気絶してしまった。
それにしても……オークの美的感覚は一体どうなってるんだ……。
そんなことを考えながら、倒れてしまったオークの娘をいつも寝ているであろうベッドに運んで寝かせてあげる。
思っていた以上に、体重も軽かった。
――――ほんの僅かな時が経過し、オークちゃんは目を覚ます……。
「……ん……んん――――あ、あれ!?私……どうしてっ!?」
「あ、おはよう……大丈夫……?」
目を覚ましたオークちゃんに声を掛けてみる。
「――え?あ……えっと……はい……大丈夫……です……。」
混乱していた様子だったが、すぐになにがあったか思い出したようだ。
それにしても……やはり、オークといわれても納得できない部分がありすぎる。
可愛いすぎる。
「……えっと……君は、オーク……なんだよね?」
聞いてみることにした。
「……え……あ……はい……私は……その……私の祖母が純粋なオークで、その子供のお母様と人間のお父様の子供なんです……。それで、お婆様がこのオークの国の女王様だったので、私もその孫ということで、今もこの国に住まわせていただいているのですが……こんな見た目なので、他のオークたちから迫害されておりまして……。」
なるほど、つまり……祖母以外は純粋なオークではなく、この娘は人間とオークのクォーターということなのだろう。
それ故に、ほとんど人間のような見た目をしているというわけだ。
ここまで数々の人間の男が、メスのオークに酷い目に遭わされてきたであろうことは……ちょっと想像しないでおこう……。
「――なので、可愛いといわれて……私、驚いてしまって……ご、ごめんなさい!!ご迷惑をお掛けしたようで……。えっと……それで、あなたはなぜここへ……?」
まぁ、いい子そうだし、正直にいってもいいだろう。
「……実は、他のオークたちに連れ去られて、俺が余ったみたいなんだ……。それなら、姫に献上しようということになったみたいで……それで、ここに……。」
「そうでしたか……。」
妙な間がある……。
「なるほどなるほど……献上でしたか……ふふ……。」
――おや?雰囲気が……。
「――じゃあ……私の好きなように、いただいてしまっていいってことですよねぇ!?」
「――え?……なっ……!?」
可愛らしいオークちゃんは、大人しく奥手そうなオドオドとした雰囲気から一転。
まるで、サキュバスが久しぶりにご馳走を目の前にしたような顔をしながら怪しく笑う。
俺は、その迫力に怯んで声が出なかった。
「――えへへっ……うふふふっ……いっただきまぁす――!」
抱き付かれた。
――こ、怖いっ!!
なにより怖いのは、このオークちゃんの目には理性を感じない。
まるで、なにかに操られているかのような目をしている。
俺は、恐怖と突然変わった雰囲気に圧倒されたせいで反応が遅れる。
「――ん……んむ……。」
オークちゃんの方を向いて話をしていた俺は、抱き付いた勢いのまま口付けをされてしまう。
「――ん……んんん……。」
――――なっ……長いっ!!
……でもなんだろう?
不思議と、あまり不快感はなかった……。
それは、このオークちゃんが可愛いかったからか……あるいは、初めは怖いと思ったが、悪意を感じなかったせいなのか……。
とにかく、不快感はあまりなかった……。
「――んん……ぷはっ……。」
ようやく唇を放してもらえる。
トロンとした目で、じっと俺の目を見る……。
……あれ?やっぱり……可愛い……。
「――えいっ!!」
再度抱き付かれる。
ベッドに引きずり込まれるように、仰向けに寝かせられてしまう。
そのまま馬乗りになられる。
発情しきった目で上から俺を見下ろす。
腹の下には、柔らかくて暖かいオークちゃんの体温を感じた。
少し間がある……。
「――はぁ……はぁ……え、ええと……えいっ!!」
まずは上から……着ていたものを全て剥ぎ取られてしまった。
オークちゃんもすぐに準備はできてしまったようで、服を剥ぎ取ったオークちゃんは、再び俺の行動を制限するように馬乗りになる。
褐色の肌の頂点には、ピンク色の綺麗な突起が付いていた。
オークちゃんの体温を直に感じる。
柔らかい……。
その豊満な身体……太ももの適度な重さと柔らかさが、恐怖どころか幸福感すらも感じさせるほどだった。
しかし、先程から行動に一々間がある……。
これはもしや……このオークちゃん……人を襲うということに慣れていないのかもしれない……。
「……はぁ……はぁ……えへへ……いただきまぁす……。ん……んん……はぁ……はぁ……。」
間がある……。
動かない……。
「……はぁ……はぁ…………あ……。」
何かに気付いたようで、少しずつ動き始める。
「ん……んん……はぁ……はぁ……ん……んんっ!!はぁ……はぁ……あっ……ああんっ!!はぁ……はぁ……あんっ……ああんっ!はぁ……はぁ……んんんっ!!あっ、あっ、あっ、あっ、あっ――――!」
――くっ!これはっ!
……獣のようだ!
いや、まぁ、オークなのだ。
だがその反面、オークという割には普通の少女のようでもある。
本能に突き動かされているといった感じでもあるが、どこか献身的な様子をも感じさせる。
オークであろうとも、同族に蔑まれていようとも、あくまでも姫という立場故なのだろうか……。
「――あっ、あっ、あっ……んんっ!!――きっ、気持ちいいっ!!気持ちいいですぅ!!はぁ……はぁ……く、くださいっ!!いっぱい!!あなた様の熱いものを!!私にいっぱいください!!あっ、あんっ!!んっ……いっぱい!!いっぱいっ!!はぁ……はぁ……!!」
な、なんなんだこの子は……可愛いじゃないか!!
相変わらず、目に理性を感じさせないことに関しては少し怖い気もするが……。
――やはり、可愛い!!
このまま自由にされてしまってもいい気すらしてくる。
「――あっ、あっ、あっ、あんっ!んんんっ!!はぁ……はぁ……き、きますっ!!きてしまいますっ!!あんっ!あっ、あっ!あっ!!あっ!!!――――ああっ!!!~~~~~~っっっ―――――。」
徐々に激しさを増していったオークちゃんと俺の動きは、ほぼ同時にぐったりと、緩やかに動きを止めていった……。
「……あ……い、いいですか……?」
そんなことを口にしながら、口付けを交わしてくる。
「……ん……んん……。」
頭がぽうっとする……。
「――ぷはっ……えへへ……。」
オークちゃんは唇を放し、柔らかく笑った。
初めの怖さからは想像もできないほどに、今ではオークちゃんのことを可愛らしく感じてしまう……。
そのまま、その柔らかく豊満な温かい身体を抱き締める……。
「……え?あ、あの、えっと……?」
まさか相手側から抱き締められるとは思ってもいなかったのだろう。
顔を赤らめ、どうしていいのか分からない様子で目を泳がせていた。
ああ……もういっそ、一生このままここで生きて行くのも悪くないのかもしれない。
いりいろと諦め始めていた俺は、ぼんやりとそんなことを考えてしまう。
「……やっぱり君は、可愛いと思うよ……?」
「――え?……えええええっ!!そ、そんな私なんかっ……!」
「――私なんかなんていっちゃダメだ。だから……無理しないでいいと思うぞ……?」
「――――――~~~~~っっっ!!」
オークちゃんは、顔を真っ赤にして恥ずかしそうにする。
「……あ……あの……。」
オークちゃんは恥ずかしそうな表情のまま、なんとか口を開く。
「…………ミルです……。」
……ん?なんのことだろう……?
「私、ミルといいます。私のこと、忘れないで、覚えておいてくださいね……?」
うるうるとした目で、嬉しそうに自分の名前を告げる。
これに対して答えないわけにはいかないだろう。
「……分かった。俺はアイラ。君はもっと自分に自信を持っていいと思うぞ。」
「……あ、ありが――――。」
――バタンッッッ!!!
ミルがいい終わる前に、部屋の扉が勢いよく開いた。
「――アイラさん!!だいじょ…………っ!!」
開いた扉の方から、聞きなれた声が飛んでくる。
いや、その言葉は最後まで聞こえることなく、途中で途切れたわけなのだが……。
「――――はぁぁぁぁぁ……。」
深い……。
それはそれは深い溜息が聞こえてくる……。
「はぁ……なにしてるんですかぁ?アイラさん……?」
扉の方から聞こえてきた声の主……ミオの声からは、呆れ果て、少し苛立った様子すらも感じさせた。
「……え、えっとこれは……お、オークの連中にここに連れてこられて、それでこのオークの姫様と……。」
いや、オークの姫様に襲われたのだ。
襲われたはずだったのだが……このオークの姫、ミルのことを可愛らしいと思ってしまっていた俺は、ついつい言葉を間違えてしまった。
「……そーですか……。じゃあ、もういっそ、ずっとここにいればいいと思いまぁす。」
――バタンーー。
勢いよく開けられたはずの扉は、何事もなかったかように閉じられてしまった……。
「――じゃあ、アイラさんは私がいただいちゃいますね?」
――――ちょ!えええええっ!!ま、待って!!
ミルは、怪しく笑った。
ミオとベル、そして、町から助けにきてくれた女性たちは、すでにオークの村を制圧しているとのことだった。
ミオよりも少し遅れてやってきたベルは……ベルも、初めは俺に呆れた様子ではあった……。
だが、ベルは一通り俺の話を聞き、閉められた扉の外でミオを説得してくれたので、ミオに比べると怒ってはいない様子だった。
ミオに対してはベルが、俺がここに至るまでの大体の話をしてくれた。
ベルに聞いた話によると……町の女性連中の中には、男連中などどうなってもいいという意見をいうものもいたらしいが、ミオとベルがどうにか説得をし、協力を得られるものだけを引き連れ、少し遅れながらもメスオークたちを追跡、救出にきてくれたとのことだった。
「……ミオ、ベル。本当にいつもありがとな。いつも面倒を掛けてすまない。」
「――まったくです!助けにきたのにまた女の子とイチャイチャしてるなんて!ミオさんの気持ち、私にもよく分かります。」
「……えっと……ごめん……。」
俺は謝罪以外の言葉が出てこなかった。
「……あ、あのー……アイラ様……?」
うしろから、遠慮がちにミルが口を開いた。
どうにか声を掛けてきたが、ミルもベルの話を聞いていただろうし、どうしていいか分からないといった様子だ。
まぁ、当然といえば当然だ。
自分のいる村が制圧されているのだ。
さらには今、目の前に村の敵として入ってきたミオとベルまでもがいるのだ。
この状況に落ち着いて対応などできるはずもない。
「……えっと……アイラさん……?」
ベルは、この人のことはどうしましょう?とでもいいたげに俺に声を掛けてくる。
俺は考える……。
「……ミル。俺たちと一緒にくるか……?」
ミルはこの村のお姫様だ。
だが、この村にいてもここに閉じ込められ続けることになるだろうし、なにより蔑まれ続けることになる。
それならいっそ、俺が連れ帰ってミルの住みやすい場所を探してやった方がいいと思った。
「……え?……でも……。」
ミルは当然戸惑う。
まぁ、そうなるだろう……。
「……どうだろう?ミオ、ベル、俺はミルを俺たちの町に連れ帰ろうと思うんだ。」
「……いいと思いますよ?」
ベルからはすぐに肯定の返事を得られる。
「ミオは……どうだろう?」
俺はミオの返事も促す。
「……でも、この方はこの村のお姫様……なんですよね……?」
ミオのいいたいことは分かる……。
村の姫様がいなくなるというのは、通常ならば一大事だ。
だが、このミルに関しては、きっとここに居続けても悪い扱いを受け続ける……。
「そうだ。だけど、このオークのお姫様……ミルは、ここに居続けてもきっといいことにはならないと思う。それならいっそ、俺たちの町に連れ帰ってやった方が、ミルにとって幸せに暮らしていけるんじゃないかと思うんだ。」
俺は思っていたことをそのまま伝えた。
一拍の間が空く。
「……分かりました。アイラさんがそこまでいうのでしたら……。」
ミオは答える。
やはり、少し納得し切れていない様子ではあったが、ミオも肯定の返事をくれた。
「そういうわけだ、ミル。ミルさえ嫌でなければ、俺たちと一緒にきてくれないか……?」
俺は、確かな、嘘偽りのない意志をわかってもらうためにも、ミルの方をまっすぐ見てそう問い掛けた。
ミルは考える……。
そして、俺の目を見て、心を決める。
「――はい――。」
満面の笑みで、肯定の返事をしてくれた。
帰り道では、男女の力関係は完全に上下が定まっており、男性たちは女性たちに逆らえない様子だ。
女性のいうことに一切逆らわず、荷物を大量に背負い、女性のご機嫌を取るもの。
オークに散々な目に遭わされたのか、意識もはっきりせず、上の空で屈強な女性にお嬢様抱っこをされている男。
もともと恋人関係だったのだろう。
仕方ないわねとでもいったような態度で男性を慰める女性。
出発前にいい争いをしていた屈強な男と、迫力のある女性に関しても、屈強な男がへこへこと、まるで召し使いのようである。
いずれにしても、当面の間この男たちは女性に逆らえないだろう……。
町に到着し、それぞれの家へと帰って行く――。
――そして、俺もまたミオとベルに逆らえない。
家に着くなり、さっそく俺が始めたのは……夕食の調理だ。
いつも通りの気もしなくもないが、今日はミオとベル、二人のヘルシーなものが食べたいという要求に応えなければならない。
ミルもいることだし、むしろちょうどいいのかもしれない。
俺が今日メインで作るのは……。
大量に茹でた芋を潰し、食感の良い野菜と混ぜ、味付けをしたもの。
そう、ポテトサラダといって差し支えないと思う。
それぞれ好きな味付けで食べられるよう、調理の際の味付けはあえて薄味にした。
それをメインのおかずに、四人で食事を取る。
「「「「――いただきます!」」」」
そんなこんなで、ミルは俺たちの町へくることになった。
オークの村に関しては、形だけではあったものの、姫を失い戦力も削がれたこともあり、野良の魔物程度の勢力となり、脅威ではなくなった。
そして、これはまた別の話で、のちにユンから聞くこととなったのだが……最近、サキュバスのお店では、オークに好き勝手にされたいという、通称オークプレイなるものが男性客の間でチラホラと流行り始めているらしい。
もともと責められるのが好きだったのか、連れ去られた際に新しい扉を開いてしまったのかは俺には分からない。
まぁ、趣味趣向なんて千差万別だからな。
別にそれを否定したりはしない。
ミルの魅力に関しては、俺はよく分かってるわけだしな。
「さて、それじゃあ……寝ることにしよう。」
風呂に入り、寝る支度を完了させ、布団を被る。
――――コンコンッ。
扉を叩く音が聞こえる。
ミオかベルだろうか……?
「……あの、アイラ様?まだ、起きていらっしゃいますか……?」
ノックから少し間を置き、声が聞こえる。
聞きなれたミオやベルの声ではなかった。
――ミルの声だ。
「――ミル?どうした?」
「……あ、あの……入っても、よろしいでしょうか?」
とても、控えめで奥ゆかしい。
ここで否定の返事をすれば、おそらくそのまま諦めて引き下がるだろう。
まぁ、否定はしないわけだが……。
「――いいよ。」
「――あ、ありがとうございます!」
――ギィィ……。
ゆっくりと扉が開く……。
「……あ、あの……アイラ様……?」
そう呼び掛けてくるミルのシルエットは、適度にムチムチとしていて艶めかしい。
そしてシルエットだけでもわかる程にオドオドとしている。
「ミル、どうしたんだ?」
俺は再びミルに聞く。
「あ、あの……一緒に……。」
言葉が途切れる。
続きを言うのを躊躇っている様子だ。
「……ミル?」
続きの言葉を促すよう、名前を呼ぶ。
「あの……一緒に……眠らせていただいてもいいでしょうか……?」
なんとなくそんなことを言ってくる気もしていたが……。
「えっと……どうかしたのか?」
一応理由も聞いてみる。
「あ、あの……いつもと違う場所なので、怖くて……一緒に寝させていただけないかと思いまして……。」
ミルは答える。
「……ミオとベルはどうしたんだ?」
一緒にいたはずのミオとベルに関して問う。
「えっと……お、お二人は既に眠ってしまわれたご様子で……それに、アイラ様がいらっしゃらないと、その……安心して眠れなくて……。」
なんて可愛いことを言うんだろう。
薄い布の中から伸びたムチムチとした褐色の肌が、風呂から上がっていい匂いをさせており、余計に色っぽさを感じてしまう。
そんな女の子の要求を断るわけにもいかないだろう。
「……分かった。構わないよ。一緒に寝よう。」
「……はい!」
嬉しそうに返事をして、俺の隣に寝そべる。
「それじゃあ、おやすみ。」
「はい。……ん……アイラ様……。」
寝そべるなりミルは首に腕を回し抱き付いてくる。
適度に肉の付いた柔らかい身体が俺の興奮を誘ってくる。
――こ、これはまずい……!
そんなことを思った矢先だった。
――――バタンッ!!
「「――アイラさん!!」」
勢いよく扉が開き、聞きなれた二人の声が聞こえる。
「――ミオ!?ベル!?」
「――ミオさん!?ベルさん!?」
ミルと声を合わせて驚く。
「――またですか!?アイラさん!!」
「――まったく!アイラさんは本当にまったく!!」
そんなことを言いながら、ミオとベルの二人も、俺に密着するように横になる。
ミオはミルと反対側。
ベルはその小さい体でミルと俺の間に割り込むような形だ。
「――まったく!本当にまったく!まったくなんですから!」
ベルは、同じ言葉を繰り返しながら怒っている。
ミオは、俺の背中側から俺に抱き着いている。
とても柔らかくて暖かいはずなのだが、なぜだか振り向くことが躊躇われた。
そして、当然刃物など持っているはずも無いのだが、ミオのご機嫌を損ねるような行動を取ろうものなら刺される気すらする。
ある意味完全にホールドされているのだ。
なるほど……これがだいしゅきホールドというやつか!!
よし、今日はこのまま大人しく眠ることにしよう。
そう心に決め、みんなでうとうと眠りに落ちる。




