いつも通りの不快な職場
―――ジリリリリリリr………。
――朝だ。
身体が重い……。
それはここ最近の疲れのせいなのか、あるいはあちらの世界での眠り方が悪かったせいなのかは分からない……。
とりあえず……朝の支度を始める。
電源を入れたテレビからは、ニュースが聞こえてくる――。
――数日前、とある施設にて大勢の男性が急死した。
死因は、一酸化炭素による中毒死ではないかとされている。
また、同施設内の女性も身体の一部が動かなくなるなどの不調を訴えているため、一酸化炭素による中毒という疑いがよりいっそう濃厚とのことだった。
死亡者などの数が多いため、どのチャンネルを回しても同じようなニュースが報道されていた。
かなり大きな事件として取り扱われているようだった――。
とはいえ、今は世間の話よりも自分が遅刻をしないように家を出ることの方が重要だ。
さっさと支度を完了させ、出発する。
「おはようございまーす。」
職場に着き、かったるい気持ちのまま仕事を始める。
――あっという間に午前中の仕事が終わり、休憩を取る……。
――午後。
仕事をしていると、こちらをチラチラと気にしながらひそひそと話し、時々くすくすと笑っている連中がいる。
まぁ、もう別にいいけどな。
いや、実際は全く気にならないわけじゃない……。
相野さんに関しても、俺と目が合うと不機嫌な様子で目を逸らし、まだ怒っている様子だった……。
むしろ、日が経つごとに俺への敵意が強くなっているような気もする……。
だが、今はもう、どうすることもできない……。
加害者と思われている人間というのは、それが真実とはどんなにかけ離れた誤解や冤罪だとしても、よく知りもしない人間によって死ぬギリギリまで殺されるもんだ。
下手に声を掛けることもできないしな。
また面倒なことになる……。
そんな不快な気持ちのまま、今日の仕事もようやく終わる……。
さっさと帰って飯を食い、風呂に入って眠った――――。




