2/2
木のかみさま
私の頬には涙が流れた
白い息は靄になって消える
神の息もまた風に流され消えた
雫が地に落ちる
なんて無惨な神様だろう
この森の真ん中で
島全体を見守るように立っている
ただそれだけの神様が
ここまで無惨に崩れ落ちている
斬れた幹の輪は数えきれない
私は祈るしかなかった
地に跪き
目の前の神に跪き
一心に祈った
私に神様を救うことは出来ない
でも祈るだけなら
どうか安らかにお眠りください
そしてできればこれからもこの島を
違うところから見守っていてください
私が帰ってからのこと
テレビでニュースを見た
何やら都市化を計画していた男性の一人が
酷い姿で見つかったとか