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第5話「神代」



「やあっ! コウイチっ! 久しぶりっ!!」



 突然、目の前に現れたルイよりも幼いであろう少年は満面の笑顔でコウイチに声をかけてきた。


「ああ、久しぶりだな…………神代しんだい

「どうやら見つかったみたいだね…………後継者」

「ああ……」


 二人は何事もなかったかのように会話をしているが、その横にいるルイはただただ目の前で起こった現象に理解が追い付いていない顔で立ち尽くしていた。すると……、


「こんにちわ……あ、今の時間はもう『こんばんわ』だね。こんばんわ! はじめまして…………ルイ君」

「!?……ぼ、僕の名前…………知ってるんですかっ!?」

「もちろんっ! ずっと『上』から見てたからね!」

「う、上……?」


 すると、コウイチが間に入って改めて紹介をする。


「彼はさっき話した……自称『神の代理』の……」

「もうっ!『自称』じゃなくて本物なんだってっ!!」

「『神代しんだい』という…………変な奴だ」

「おいっ!」


 二人は漫才師のようにテンポ良く掛け合いをする…………そんな二人のやり取りを見たルイは少し緊張が解かれリラックスして二人の会話に加わる。


「はじめまして……ルイ……ルイ・セルティエといいます」


 ルイは改めて挨拶をすると神代しんだいは笑顔で「よろしく」と一言告げると、すぐに話を始めた。


「さて……コウイチからある程度は話を聞いたと思うけど、改めて僕から説明するよ…………君がこれから進むであろう道がどういうものかも含めて、ね?」


 神代しんだいはニコッと笑って話し始めたが、さっきと違い、目だけは真剣な眼差しをしていた。


「この世界は現在、人間族が支配しているんだけど、ちょっと『やり過ぎてる感』があるんだよね。そんで、僕たち『神の視点』ではこれはあまり望ましい世界じゃないんだ。本当はもっと『調和』を持って各種族間や自然と共に生きてほしいと思ってる…………で、君にはコウイチのかわりに、コウイチが果たせなかったこの『調和が取れた共存世界』を実現してほしい」

「ちょ、調和が取れた……共存……世界……?」

「うん。そして、それを実現するには……人間族の支配を壊してほしいのさ。ちなみに、それは君の願いでもある『奴隷制度の廃止』にもつながる…………わかるかい?」

「は……はい」

「ただ…………それを実現するのはとても難しい。何故なら……コウイチからも聞いたと思うけど、『力』だけでは成しえない。実現には『信頼する仲間や味方』はもちろん、国を……世界を変えるにはそれ相応の苦労も伴う。更に言えば、コウイチのように裏切りにあったり、傷つくこともあるかもしれないよ? 君は、それでも……世界を変えたいと思えるかい?」

「…………僕は……このまま奴隷として生きていくだけの人生しかない、そう思ってました」


 ルイは静かな佇まいを纏って言葉を紡ぎ出す。


「でも、おじさんが現れて、僕に『奴隷以外の人生』がある、しかも、自分自身の力で奴隷自体を無くせるかもしれない…………僕にすれば、それは夢のような言葉でした。どうやったらいいかはまだわからないけど、でも、僕はその可能性に賭けたいですっ!」


 ルイは確固たる決意を持った目で神代に訴えた。


「……ふ~ん、なるほど…………君、面白いね。まだ、若いのに『良い視点』を持ってるよ。コウイチが一目惚れしたのもわかるな、フフ……」


 神代は嬉しそうに振舞いながら言葉をかける。


「わかった! 能力の譲渡を許可しよう」

「ありがとう……」


 コウイチは神代の許可が下りてホッとした顔を浮かべる。


「ルイ君……これから君にコウイチの能力『能力覇者』を渡すね……」


 そう言うと、神代はコウイチとルイの胸に手を当てた。すると、二人の胸から強烈な光が放たれ、部屋が激しい光に包み込まれる。


 その状態が三十秒ほど続き、そして、光はゆっくりと収まっていった。


「オーケー! これで能力の譲渡は完了した……」

「えっ? もう終わったんですか?」

「うん。これで君に『能力覇者』の能力が付与された。さて、この『能力覇者』について話しておこう。まず、今の自分の『ステータス』を確認してごらん?」

「は、はい……」


 ルイはよくわからないまま、とりあえず、神代の言う通りにしてみた。すると……、



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆



ルイ・セルティエ

10歳


LV 110


HP    1010

MP     750

攻撃力    380

守備力    491

敏捷性    334

魔力練度   930



≪魔法属性≫

七属性



≪攻撃魔法≫

火属性……火弾フレイム/4、激火連弾バーストフレイム/13、大熱量爆砕ジェノサイドボマー/30、極大爆炎砲デオ・フレイムネス/100


水属性……水弾ミュルネル/3、氷塊連弾ミュルネスト/14、水裂連撃刃ミュルハーディン/45、絶零氷結レ・ミオラスト/120


風属性……風迅ウィンダム/3、風迅連撃ウィンストライダー/17、狂滅雷迅昇ヴェラ・ストラチア/90


地属性……隆起グランディオ/4、岩石乱舞インフェルノ/21


光属性……消滅の光レオ・ライトネル/210


闇属性……深淵の闇インゴ・ヴァルティア/200



≪防御魔法≫

火属性……火壁バーンウォール/30、火壁大結界バーンオライオン/70


水属性……水壁ミュルウォール/20、水壁大結界ミュルオライオン/65


風属性……風壁ウィンウォール/25、風壁大結界ウィンオライオン/60


地属性……大地壁グランウォール/35、大地大結界グランオライオン/90


光属性……煌めく神殿イグニッシュ・パレス/300


闇属性……闇夜の支配インゴニス・ヴァルハラ/400



≪治癒魔法≫

小治癒キュアリス/10、中治癒キュアルゴ/40、大治癒キュアンテ/100、完全治癒キュアフル/150



≪特殊スキル≫

情報隠蔽フェイク



≪称号≫

自由奴隷、能力覇者



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆



「レ、レベル……110っ!! えっ!? 魔法属性が七属性……ってそれ全属性じゃないですかっ! しかも魔法がこんなにも…………なんでっ?!」


 ルイは自分のステータスを見てただただ驚いている。


「ふふ……これは、コウイチの能力を譲渡した結果だ。能力譲渡はその譲渡した者の能力がすべて継承される」

「ぼ、僕のこれまでのレベルは『2』だったのに……」

「どうだい? すごいだろ? まあ、ぶっちゃけ、僕は『神の代理』だからね。神が作ったこの世界に僕自身が直接干渉はできないけど、『ある程度の加勢』は可能でね。それが君に付与した能力なんだ。ちなみに今の君の強さは世界でもトップレベルに値する実力だよ」

「は、はあ……」


 かなり理解が追い付いていないルイは空返事を返すので精一杯だった。



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