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旅立つ日まで 4月7日

 昨夜は遅くまで錬金薬のレシピを確認したり、老薬師のアイテムバッグから錬金薬に使う薬草を探したりしていたため、いつもより少し寝坊したアンナリーナは朝食もそこそこに調合台の前にいた。



「……ギフト【水魔法】」


「ステータスオープン」




  アンナリーナ 14才

 職業 薬師、錬金術師、賢者の弟子

 

 体力値 25

 魔力値 58/64(ステータス鑑定に1使用、水魔法取得に5使用)


 ギフト(スキル) ギフト(贈り物)

  [一日に一度、望むスキルとそれによって起きる事象を供与する]

 調薬

 鑑定

 魔力倍増・継続 (5日間継続)

 錬金術(調合、乾燥、粉砕、分離、抽出、時間促進)

 探索

 水魔法(ウォーター、水球、ウォーターカッター)



「攻撃魔法も生えてる……

 それよりも魔力値64って!」


 もうアンナリーナの魔力値は普通の人間のそれに並び、超えつつある。

 もうこれで、出来損ないなどと賤しめられる事はないのだ。

 アンナリーナは老薬師が亡くなってから初めて声を出して泣いた。


 泣くだけ泣いて、声も枯れるほど泣きじゃくって……あっさりと泣き止んだアンナリーナは、蘇った記憶の持ち主、30代後半の女性の精神に引きずられているようで、思いの外冷静に、次の仕事に移った。



「ウォーター」


 1ℓまでの目盛りのついたメスシリンダーに、見る見る水が溜まっていく。

 ちょうど、一番上の目盛りをこえたところで止まり、それを見つめるアンナリーナの身体がブルブルと震える。

【ウォーター】それは子供たちが一番最初に唱えるスキルで、一番最初に使う魔法だ。

 アンナリーナにとってトラウマとも言うべき【ウォーター】と言う魔法を克服し、彼女はこれから賢者を目指すことになる。


「鑑定」


 純水 (魔力で精製された水。この水を使って調薬、調合すると性能が上がる)


「おお!やっぱり……

 さて、じゃんじゃんやるよ」

「ウォーター」「ウォーター」


 メスシリンダーが何本も並んでいく。

 昨日と同じ手順で融和剤を作り、それには【融和剤(純水魔力10)】とラベルを貼った。


「比べるには昨日と同じポーションがいいよね」


 昨日と同じようにいつもの手順で作業していく。

 そして鑑定の結果……



 体力(HP)ポーションC

 回復量600HP+7%



「わぁ!すごい!!

 効果が劇的に上がったよ!?」


 アンナリーナが新しく作った【調合レシピノート】に今の融和剤のレシピを書き入れ、その下に体力(HP)ポーションの配合を書いて、出来上がった製品の効果を書く。


「……これって、ひょっとすると、ひょっとする?」


 以前、老薬師から、薬に込める魔力を増やすと効能が上がる、という話を聞いたことを思い出す。


 それからアンナリーナは昼食を食べるのも忘れて調合を繰り返した。副産物としての抽出カスが大量に出たのだがこれも実験の材料となる。


「魔力がなくなっちゃったよ〜

 もう動けない……んん……」


 調合台に突っ伏して、気を失うように眠ってしまったアンナリーナを、魔導燈が優しく照らしていた。



 4/1 魔力値 1

 同日夜 (推定)魔力値 2

 4/2 (推定)魔力値 4

 4/3 鑑定取得

 4/4 魔力値 8

 4/5 ① 魔力値16 魔力倍増・継続

 4/6 ② 魔力値32 探索取得

 4/7 ③ 魔力値64 水魔法取得

 

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