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7 『初めての友だち?と滋養強壮スープ』

 あれから丸二日の間、アンナリーナはひたすら薬を作り続けていた。

 それは回復薬やポーションだけではなく、風邪薬や痛み止め、熱冷ましや傷薬、魔物よけの香など多岐に渡った。



 アンナリーナ 14才

 職業 薬師、錬金術師、賢者の弟子

 

 体力値 102400

 魔力値 17019868571/17019868672

(ステータス鑑定に1使用、体力値供与に100使用)


 ギフト(スキル) ギフト(贈り物)

  [一日に一度、望むスキルとそれによって起きる事象を供与する]

 調薬

 鑑定

 魔力倍増・継続 (12日間継続)

 錬金術(調合、乾燥、粉砕、分離、抽出、時間促進)

 探索(探求、探究)

 水魔法(ウォーター、水球、ウォーターカッター)

 生活魔法(ライト、洗浄(クリーン)修理(リペア)、ファイア、料理、血抜き、発酵)

 隠形(透明化、気配掩蔽、気配察知、危機察知、索敵)

 飛行(空中浮遊、空中停止)

 加温(沸騰)

 治癒(体力回復、魔力回復、解毒、麻痺解除、状態異常回復、石化解除)

 風魔法(ウインド、エアカッター、エアスラッシュ、ウインドアロー、トルネード、サファケイト)

 冷凍(凍結乾燥粉砕(フリーズドライ))

 時間魔法(時間短縮、時間停止、成長促進、熟成)

 体力値倍増・継続(12日間継続)

 撹拌

 圧縮

 結界

 異空間収納(インベントリ、時間経過無し、収納無限、インデックス)

 凝血

 遠見

 夜目

 解析(スキャン)

 魔法陣

 マップ

 裁縫

 編み物

 刺繍

 ボビンレース

 検索

 隠蔽(偽造)

 従魔術(ティム)

 体力値供与



 この3日の間に取得したスキルは、ギルドで登録するときに数値やスキルをごまかすための【隠蔽】

 そしてトカゲ絡みの【従魔術】と【体力値供与】だ。

 まだ目も開けない状態のトカゲだが、アンナリーナは従魔にしようと思っている。



 その朝、アンナリーナは遅い朝食を食べながら、誠に行儀の悪い事だが本を読んでいた。

 薬師として作る薬のバリエーションを増やそうとレシピを書き出していたのだが、目の端に何か動いた感じを捉えた。


「ん? トカゲくん動いた!?」


 トレーの中で布に覆われたトカゲ。

 その頭がかすかに動き、何よりも目を開けている。


「トカゲくん、言葉わかる?」


 薄く開いた口からチロリと舌がひるがえる。


「お水飲める?」


 また、チロリと動かした。

 アンナリーナは急いで薬匙を取り出し【ウォーター】と言う。

 小さな薬匙のほんの少しの水を口許に寄せると、舌を使って器用に飲む。


「まだ飲む?」


 またチロリと舌を出し、欲しいと意思を伝えてくる。


「トカゲくん、賢いね。はい、お水」


 今度は2度ほど舌を動かして飲むのをやめる。

 金色の目が見上げていた。



「【鑑定】」


 トカゲ(雄)(重症)

 体力値 2/5


「少し戻ってるね。よかった」


 そっと頭に触ると心なしか目を細めたように見える。


「お腹空いてるでしょ?

 なんか食べれそう?」


 トカゲは動かない。


「今はいらない?」


 舌をチロリと出した。


「うんうん、じゃあもう一度寝た方がいいね。

 あ、そうだ。【ヒール】」


 ほわん、と周りが暖かくなった気がする。

 トカゲの前足が少し動いた。

 アンナリーナは本当に嬉しそうに笑う。

 もしこのトカゲが自分と一緒にいることを選んでくれたら、初めての友だちとなるのだ。

 前世でも友人と言えるほど親しい者はいなかったアンナリーナの、正真正銘初めての友だちはトカゲになりそうだ。



 キッチン以外の灯りを落とした、薄暗い部屋の片隅。

 小テーブルの上にトカゲの寝ているトレーを置いて、アンナリーナは料理に取り掛かっていた。

 この時、まず考えたのはトカゲの食事だ。

 一番に思い浮かぶのは……虫だったがアンナリーナがそれを外に取りに行くのは却下。

 そしてたくさん煮込めば繊維がほぐれて細かくなる鳥肉を選んだ。


「滋養強壮スープ【なんちゃって参鶏湯】を作るよ!」


 トサカ鳥が大きすぎて丸一羽使えないので、材料は刻んで鍋に入れていく。


 潰したニンニク、それなりの大きさに切った鳥肉。

 丸のままのマンドラゴラを一本放り込んで火にかける。

 そのまま煮立ったらまず灰汁と余計な油をていねいにすくっていく。

 この工程が味を決めるといっても過言ではないので、アンナリーナは慎重に作業を進める。

 あらかた取り除くときれいに皮をむいたニンニク一個分、小型の栗の渋皮を取り去ったもの一掴み、マンドラゴラのみじん切り一本分、松の実、キヌアを適量を投入。

 代わりに丸ごと入れていたマンドラゴラを取り出し、しばらく煮る。

 そのあとは、新たに浮いてきた灰汁を取り、様子を見ながら時短魔法を使い煮込んでいって、鳥肉がほぐれてきたら出来上がり。

 あとは好みで塩を入れたりするのだがアンナリーナはこのままで十分美味しいと思う。


 この日の夕餉でトカゲは、殊の外鳥肉が気に入ったようで、アンナリーナが心配になるほどたくさん食べたのであった。


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