旅立つ日まで 4月18日
アンナリーナは突然甘いパンが食べたくなった。
前世での記憶の【あんぱん】が無性に、である。
だが、小豆がないし他の豆でも餡を作った事がない。
そうして思いついたのが甘藷だ。
元々、甘藷のスィートポテトもどきケーキを作るつもりで取り置いていたのだが今手に取ったのはショッキングピンクの甘藷だ。
普通の甘藷よりはいささか甘みが控えめのそれは、その派手な色により使い方が限られる。
今回はそれが幸いしそうだ。
「そうそう、先に、ギフト【撹拌】」
「そして、ステータスオープン」
アンナリーナ 14才
職業 薬師、錬金術師、賢者の弟子
体力値 100(②)
魔力値 131061/131072
(ステータス鑑定に1使用、撹拌に10使用)
ギフト(スキル) ギフト(贈り物)
[一日に一度、望むスキルとそれによって起きる事象を供与する]
調薬
鑑定(看破)
魔力倍増・継続(12日間継続)
錬金術(調合、乾燥、粉砕、分離、抽出、時間促進)
探索(探求、探究)
水魔法(ウォーター、水球、ウォーターカッター)
生活魔法(ライト、洗浄、修理、ファイア、料理、血抜き、発酵)
隠形(透明化、気配掩蔽、気配察知、危機察知、索敵)
防御
飛行(空中浮遊、空中停止)
加温(沸騰)
治癒(体力回復、魔力回復、解毒、麻痺解除、状態異常回復、石化解除)
風魔法(ウインド、エアカッター、エアスラッシュ、ウインドアロー、トルネード、サファケイト)
冷凍(凍結乾燥粉砕)
時間魔法(時間短縮、時間停止、成長促進、熟成)
体力値倍増・継続(12日間継続)
撹拌
前世の日本人だった時、ネットの料理レシピを見て作っていた経験があったことで、便利な器具などはないがやり方はわかっている。
パン生地の発酵などは以前から魔導オーブンの上に発酵室を作り使用していた。
この知識などは、今から考えれば画期的な事なのだが、薬師の老婆は一体どこで知ったのだろうか。
果実などを発酵させて作った天然酵母も然りである。
鼻歌を歌いながら餡の用意を始める。
ピンク甘藷を茹で、皮をむき、潰して鍋に戻す。
生地自体に甘みは加えないので餡はかなり甘めに味付けた。
熱いうちにバターを入れて満遍なく混ぜれば餡の出来上がり。
甘藷を茹でている間に仕込んでおいたパン生地はちょうどよく発酵しているようだ。
それを程よい大きさに丸め並べていく。全部で52個出来たそれを濡れ布巾をかけてしばらく寝かせておく。
その間に調理器具を洗浄したり、用具や打ち粉の用意をして、次は餡を練り込みながらの成形を始める。
麺棒で長方形に伸ばした生地に餡を塗り、はみ出さないように3つに折る。
それをまた縦長に伸ばし、2本切れ目を入れて捻る。
それを捻りながらくるりと丸めて成形出来上がり。
あとはもう一度発酵させて焼き上げるだけだ。
トサカ鳥が丸焼き出来る大きさの魔導オーブンで、52個全部を一気に焼く。
「この身体になって初めて手の込んだパンを焼いたけど……結構うまくできた?」
このあとアンナリーナは、トサカ鳥のオレンジソース煮を保存する分までたっぷりと作ると夕食を挟んで、昨日焼いたパウンドケーキを切り分け、1つずつ薬用の紙で包んでいった。
クッキーも5枚ずつ同じように包む。
パンは一個ずつ紙の袋に入れて、それぞれが入った籠をアイテムバッグに収めて今日の仕事は終わりだ。
「本当は、今日も森に出たかったんだけど、明日でもいいよね」
今朝の、この気まぐれが結果的にはアンナリーナを救う事になるとは、このときは思ってもみなかった。
4/1 魔力値 1 魔力倍増取得
同日夜 (推定)魔力値 2
4/2 (推定)魔力値 4
4/3 鑑定取得
4/4 魔力値 8
4/5 ① 魔力値16 魔力倍増・継続取得(魔力倍増は併合
4/6 ② 魔力値32 探索取得
4/7 ③ 魔力値64 水魔法取得
4/8 ④ 魔力値128 生活魔法取得
4/9 ⑤ 魔力値256 隠形取得
4/10 ① 魔力値512 防御取得
4/11 ② 魔力値1024 飛行取得
4/12 ③ 魔力値2048 加温取得
4/13 ④ 魔力値4096 治癒取得
4/14 ⑤ 魔力値8192 風魔法取得
4/15 ⑥ 魔力値16384 冷凍取得
4/16 ⑦ 魔力値32768 時間魔法取得
4/17 ⑧ 魔力値65536 体力値倍増・継続取得
4/18 ⑨ 魔力値131072 撹拌取得