旅立つ日まで 4月10日
昨日はあの後、森に入ろうとしていた村人たちを監視しながら採取をしていて、気づいたら陽が傾きもう夕方になろうとしていた。
それなりの成果を手に庵に戻って来たアンナリーナはげっそりしていた。
わかってはいたが、他人の口から聞くと堪えるものがある。
一気に食欲をなくしたアンナリーナはそれでもスライスしたトマトと茹でたソーセージで夕食を摂り、明日のために豆を水に浸けてベッドにもぐり込んだ。
「やっぱり出立を早めるべきかなぁ……」
昨日の出来事で疑心は確信に変わった。
あの村の人間は、アンナリーナはともかく薬師の庵を諦める気は無いのだろう。
そうなると、この森を村の反対側……森の奥に向かって行くしかないのだがかなりの距離がある。
アンナリーナは地図を見て眉間にしわを寄せていた。
今朝のギフトは【防御】
昨日の、森を捜索していた村人たちを見て、姿を隠すだけでなく攻撃から身を守るために取得した。
そして昨日でその効果が切れた【魔力倍増・継続】を唱える。
魔力値が増えたからか今回は魔力5を使って12日間継続する。
ちなみに今日のステータスはこうだ。
アンナリーナ 14才
職業 薬師、錬金術師、賢者の弟子
体力値 25
魔力値 496/512(ステータス鑑定に1使用、魔力倍増・継続に5、防御取得に10使用)
ギフト(スキル) ギフト(贈り物)
[一日に一度、望むスキルとそれによって起きる事象を供与する]
調薬
鑑定(看破)
魔力倍増・継続(12日間継続)
錬金術(調合、乾燥、粉砕、分離、抽出、時間促進)
探索(探求、探究)
水魔法(ウォーター、水球、ウォーターカッター)
生活魔法(ライト、洗浄、修理、ファイア、料理、血抜き)
隠形(透明化、気配掩蔽、気配察知、危機察知)
防御
「とりあえず、豆を煮よう……
たっぷりの具が入ったスープを食べたい」
水をたっぷりと含んで膨らんだ豆を、またまたたっぷりの水と共に火にかける。
魔導コンロの火勢を調節して、初めはゆっくりと火を通していく。
その間にアンナリーナは秘密の書庫の荷造りを再開することにしたようだ。
「いつ、何があるかわからないから本や調合の道具はなるべく早くしまっておかなきゃ……
森をあちら側(隣国)に抜けるのなら移動手段とかも考えなきゃいけないわよね」
アンナリーナは時折水を足しながらゆっくりと豆を炊き、その間に書庫で作業した。
今、残っている本は古文書のような希少本ばかりなので木箱に納める。
夕方にはすべての本をしまい終え、保管されていた魔道具なども片付けて、まったくの空になった書庫を見て安堵の吐息を吐いた。
台所に戻ったアンナリーナは、水分がひたひたになるまで煮込まれた豆にミルクを足し、沸騰させないようにゆっくりと煮る。
とろみが出てきたところで塩、胡椒で味を整え出来上がり。
そして、裏の畑で採ってきた間引き菜に、ハーブオイルとビネガー、塩胡椒をかけて丁寧に混ぜる。
これと、しっかりと焼かれた黒パンでアンナリーナの夕食は出来上がりだ。
「ん〜豆が絶品だね!
これは時間があれば、たくさん作ってストックしておきたい……」
問題は鍋の数だと気づいていないアンナリーナだった。
4/1 魔力値 1 魔力倍増取得
同日夜 (推定)魔力値 2
4/2 (推定)魔力値 4
4/3 鑑定取得
4/4 魔力値 8
4/5 ① 魔力値16 魔力倍増・継続取得(魔力倍増は併合
4/6 ② 魔力値32 探索取得
4/7 ③ 魔力値64 水魔法取得
4/8 ④ 魔力値128 生活魔法取得
4/9 ⑤ 魔力値256 隠形取得
4/10 ① 魔力値512 防御取得




