1. 江原 怜斗
この章は最初ということもあり短めになっています。
少しでも興味を持って頂ければ読み進めていただくと幸いです。
「おいおい、どういうことだよこりゃ…」
自分のものではない手を見つめながら、俺はそう言葉を零した。
時は数時間前に遡る
高校一年1学期終業式の日
これからの胸高まる夏休みに思いを馳せてる時に渡されたのは、オール1までとは行かないまでも、3以上の数字がほぼ全く見当たらない通知表。
これが今朝担任直々に手渡された代物だった。
…………
1. 江原 怜斗
「職員会議が終わる3時ごろ、職員室に来るように」
そういい残されてそういい残されて担任の来ヶ谷先生は去っていった。
「………マジかぁぁーーー!!」
冗談交じりに慰めて来たりネタにして笑ってるクラスメイトの声も今の俺には聞こえなかった。
俺が所属しているこの遠智高校は一応それなりの進学校。 中学の時に勉強しまくって入ったが、その反動で入ってからほぼ全く勉強せず遊びまくり。それでも何とか入ったばかりだということもあり、中間は退学などは見逃せて貰えていたがそれもここまで。 今度の補習で赤点を抑えないと留年などの処分を下されてしまうかもしれない。
「ヤバいヤバいヤバい」
呪文のように呟いていたら、肩をポンと叩かれた。
振り向くとそこには良く見知った顔がある。
「補習、一緒に行こうな!」
そう、中学の時からずっと同じクラスでテスト期間始まる度に遊びに誘ってくる悪友、近山浩太郎。
俺と大差ない通知表を見せながらニカッと状況にそぐわしく無い笑顔で話しかけてきた。
「ああ、進級できるように頑張ろうぜ…」
そう答えて時計を見るとまだ12時前、本来ならもう帰れる時間なのだが生憎様、ここで帰ったら華の高校生活が一巻の終わりだ。 いやまあ、もともと彼女も居ないし花のあるような生活では無いのだが。
「とりあえず昼買いに行こうぜ」
「あ、悪い俺今金欠」
「試験前にゲーム買ったりするからだろ…」
周りを見回しても案の定、皆昼飯は家で食べるらしくぞろぞろと帰って行っている。
仕方ないので一人で向かったが近くのコンビニが今日は改装中のことを思い出し、少し遠くまで足を延ばすことにした。
続く
読んでいただき、誠に有難うございました!
自分の手で書いたものが人様に読んでいただけるで胸がいっぱいです。
これが初投稿ということもあり、小説にも慣れていないので読みにくいところが多々あると思いますが、宜しければこれからも読んでいただけると嬉しいです!