表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/5

第3話ー魔女の住みかー

「ーーー私の、出番?」


まだ理解していないリーフとローズに、ルナが優しく説明します。


「そうよ、あなたの力でこの湖の水を凍らせるの!そうすれば、私たちは凍ることなく水の上を歩いて塔までたどり着けるわ!!」


「あぁ、これはローズにしか出来ないことだぜ?」


ルナとフレイの言葉に、ローズは心底驚きました。


「ーーー私にしか出来ないこと…私もみんなの力になれる?」


「えぇローズ、あなただけが頼りなの」


自分にもみんなの力になれることがある。それはローズにとって、ずっと願って来たことでした。

だから力強くうなずいて、


「ーーうん。私、がんばる!!」


そう言い切ると、ローズは右手を湖に向けて軽く目を閉じ願います。


「水さんーーー凍って」


その言葉と共に、湖の水が端からあっという間に凍りついて行くのを見て、4人は喜びの声をあげたのでした。


「さぁ、行きましょう!お母様を助けに!!」













つるつるとした氷の上を、滑らないように気を付けながらそろそろと歩き、とうとう4人は塔の入り口へとたどり着くことができました。


「あ、開けるわよ」


「こ、こわいよぉ」


リーフだけでなくさすがのルナも、魔女のいる塔の扉を開けるのはちょっぴり怖く、恐る恐るゆっくりと扉を開いていきます。


キィーッと不気味な音がたち、扉が開かれるとすぐに、ルナは光の魔法を唱えました。なぜなら塔の中には、一切の光が無かったからです。


「そういえば聞いたことがあるぜ。この塔に住む魔女は、闇が好きで光が嫌いってーーー」


「その通り」


フレイがそう呟いたそのとき、塔の奥から突然声が聞こえてきました。そして人影が現れたかと思うと、それはどんどん近付いてきて…


「ようこそ魔女の住みかへ、春夏秋冬の女王の子供たちよ」


4人の前に、一人の魔女が姿を現したのです。


「お、お母様はどこ?!お母様を返して!!」


恐ろしさで声を震わせながらも、ルナは果敢に叫びます。そんな彼らの様子を見て笑いながら魔女は言いました。


「うふふ、この先へは行かせませんよ。私は冬が大好きなのです。嫌な大陽は厚い雲に覆われて、みな寒さに震えながら過ごすこの季節が!」


「だ、だからお母様を…ゆるせない!季節は春夏秋冬が巡るからこそ素晴らしいの!ずーっと冬だけなんてダメなのよ!!」


ルナはそう魔女に言い放つと、魔法の光を強く輝かせました。

するとその光に、闇を好む魔女はひるんだのです。

そのチャンスを、フレイも見逃しません。


「リーフ、風だ!風を放て!!」


「え?あっ、うん!!風さん、僕に力を貸して!!」


その言葉と共に、強い風がビュオーッと魔女に向かいます。そして今度はフレイの出番でした。


「大陽のように燃える炎を!!」


強い風に乗って、フレイの魔法が魔女に向かいます。


「なっ!ギャーーーーーッ」


魔女はまともに魔法を受けて、その場に膝を付きました。ですがさすがは相手も魔女、何とか立ち上がり魔法を唱えようと必死です。


「あと少しだ!ローズ、お前の力を貸してくれ!」


フレイの叫びに、ローズはビクッとなりました。

みんながローズを見ています。


(私もまた、みんなの力になれるの?ーーーやらなきゃ!!)


「悪い魔女さんーーー凍って下さい!!」


その言葉と共に、ピキピキと音を立てて魔女が足元から凍り始めました。


こうして数十秒後、とうとう魔女は氷に覆われたのでした。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ