ヴァイゼ ある手法
追憶の歌での構成を、ヴァイゼで説明したものですね。
ごきげんよう、諸君。
私の名はヴァイゼ。
ただの通りすがりの賢人さ。
おや? 私の記憶が正しければ、君たちと会うのは二度目になるね。
まぁ、そういうのは気にせず、私の述べる戯言を聞いて欲しい。
君たちに問うが、君たちが紡ぐ詩はどのようなものかな?
[心から湧き出た思い]などを紡いだりしているだろう。
他には、何らかの[物語の形式]をしているかもしれない。
ああ、勘違いしないでほしい。
私は別に制限を設けたいわけではないのだからね。
私が言いたいのは、ある[手法の提案]さ。
それは、[いくつかに分けたキーワード]を用いて、一つの詩にまとめたりする手法だ。
例えば、「追憶と約束の断片」の宣伝みたいな感じに紡がれた[追憶の歌]などだね。
あれは、詩集に編纂されている過去の詩たちを[モチーフ]にしたものさ。
だからと言って、それに習えというわけではないのだよ。
モチーフにするのは、君たちが[自由に選んで]も構わない。
[好きなもの]や[嫌いなもの]でも紡げるのさ。
食べ物でも音楽でも、家族や娯楽でも、友人たちにでも、なんだっていい。
詩にまとめる時に、それだと連想できれば構わないのさ。
歌であっても[外国語のタイトル]でも、和訳して使ったりもできるね。
他には、[自分が書きたい物語たち]をキーワードにするのもあるよ。
例えば、人形や怪人とか、恋愛や戦いなどもさ。
さらに言えば、君たちが書き手であり、多数の物語を紡いでいるのであれば、[読んでもらいたい順番]などがあるだろう。
それだって、モチーフになれるのさ。
モチーフにできるものは、探せばいくらでもあるのだよ。
まぁ、気をつけたい点は、ほどほどの数にするべきだ。
余りにも膨大な数――例えば、百個のキーワードなど――だと、一つにまとめたりするのは、誰であっても困難なものだよ。
それだったら、いくつか関連するテーマを決めて、[枝分かれする木]のようにしていけばいいのさ。
そうすれば、[詩集という形式]で最終的には一本の木のように、一つにまとめられるのだよ。
ご理解いただけるかな?
ああ、そうそう。
一つ言い忘れていたが、この手法は[誰でも自由に行える]ようにするべきだ。
この[村の住人]でないと、[使ってはいけない]などと言うのは、傲慢の類になってしまうからね。
[何らかの事情]で住人になりたくない者だっている。
そのことを考慮にいれるのならば、[誰もが自由に行える]ようにするのは、正しいことになる。
君たちもそう思わないかな?
嫌がる者を無理矢理やらせるのであれば、[言葉のみの死神]が君たちに臨むことに繋がってしまうからね。
それは誰もが望んではいないことだよ?
不和よりも平和が一番さ。
私の戯言を聞いてくれてありがとう。
君たちの村が良い方向に向かうことを祈っているよ。
では、また会う時まで――。
《終》
この手法の正式名称は「ツリーシンキング」だそうです。
この手法を思いっ切し使っているのがサンホラなんですがね。