手紙と愛犬
この犬は、象徴的な意味でのものです。
誤解を回避するためにあらかじめ言って置きます。
「私は猫派です」
1
私が毎朝すること
届け物があるかないか
郵便箱を確認すること
入っていれば
愛犬が喜ぶし
入っていなければ
愛犬が悲しむ
この子にとって
郵便物は
一種の楽しみなのだろう
そうでなければ
こんなにもこの子が
一喜一憂する説明が
つかないというものだ
2
今日も郵便物の確認をする
郵便物は入っていない
昨日も確認したが
郵便物が入っておらず
この子も悲しんだままだ
私はこの子の喜ぶ顔が見たいが
このままの状態が続けば
喜ぶ顔が見られない
明日には郵便物が
届いてほしいものだ
3
今日も郵便物が
届いていない
この子も悲しんだままだ
これ以上この状態が続くと
ご飯を食べないかもしれない
絶望が腹を満たしてしまうから
4
郵便物の確認をする
中を見ると
一通の手紙が入っていた
愛犬にそれを見せると
久方ぶりに
喜ぶ顔が見れた
嬉しそうにはしゃいでいる
やっぱりこの子は
こうでなくちゃいけない
私は愛犬の
ご飯の準備をする
手紙が届いたことで
絶望で満たされていたお腹が
絶望が除かれたことで
お腹が空いてると
私が思うから
さぁ、一緒にご飯を食べようか
《終》
愛犬の象徴は「感想」です。
くまくるのさん曰く「ふしぎな詩」だったと記憶していますね。