じゃんけんをしよう
エッセイ村で最初に寄稿した作品です。
いきなりですまないが、じゃんけんをしようか。
ああ、そうそう。いくつか言い忘れてたよ。
一つめは、私が声をかけてじゃんけんをする。
二つめは、騙し手の使用だね。
……なにも賭けやしないから、引かないでくれないか?
勝っても負けても、私や君に金銭的な損得は一切ない。
もし益があったとしたら、それは、つまらない知識だろうね。
小さい雑学程度のものさ。
もちろん、騙し手がありだと言っても、真実に寄り近い側面でヒントをあげるよ?
了承してくれたんだね。まず、ヒントをあげよう。
「前提が岩ではない」
それじゃあいいかい?
最初は、パー。じゃんけん、ぽん。
はっはっは。
私は「岩ではない」とヒントを言ったね。
この場合の岩は、じゃんけんでいうとグーだよ。
ほら、手を握ると大げさに言えば岩みたいだろう?
じゃあ、次にいこうか。
先にヒントをあげよう。
「前提があるとは限らない」
分かったかな?
それじゃあいくよ。
最初は、無し。じゃんけん、ぽん。
私は「あるとは限らない」って言ったよね?
そもそも、「最初にグーしか出してはいけない」なんて決まりは、じゃんけんを正当化するためのものだよ?
こちらが主導権を握り、騙し手有りと提案して、了承を受けた時点で、「じゃんけんの正当化」は無効になるものだよ。
まぁ、言い訳みたいなものだけどね。
さて、次にいこうか。
ヒントは「手のひらだけで始まらない」だよ?
分かったかな?
じゃあいくよ。
最初は、足。じゃんけん、ぽん。
最初から最後まで、「手だけでやらなくてはいけない」なんて決まりも、「じゃんけんの正当化」だと思わないかな?
足を使ってのじゃんけんもあるのに、それを使わないなんて、面白くないと私は思うんだよ。
まぁ、少数派だと思うけどね。
次で最後にしようか。
そうだね、騙し手は使わないよ。
最初はグーだ。手のひらしか使わない。
もし破ったら、私の負けでいいよ。
いいかい?
それじゃあいくよ。
最初はグー。じゃんけん、ぽん。
おや、あいこじゃないね。
君はどちらを出したのかな?
私は、これを読んでいる君の出したものを、知るよしもない。
ゆえに、君に勝敗を委ねるとしよう。
呼び止めて悪かったね。それじゃあ、またどこかで会おうか。
バイバイ。
《終》
最後のじゃんけん、貴方は何を出しました?