~プロローグ、あるいは、エピローグ~
私達は、どこへ行き、どこへ逝くんだろう。
どう生きて、どう往くんだろう。
ねえ、そんなことを考えてみたこと、あなたには、ありますか?
そこに答えは、あるのだろうか。
正解なんて、存在しないんだろうか。
――でも、たったひとつだけ、わかることがある。
私達は、いつだって「愛」を求めている。
富める人も、貧しい人も、怒れる人も、嘆くひとも、笑顔を浮かべるあの人も。
貴族も農夫も乞食も主婦も、老人達も、「子どもたち」も。
「愛」からは、誰も逃れられない。
誰だって、愛されたいし、愛したい。
それなのに、私達は、怖がって諦めて、結局諦められずに、もがいている。
街中からスラム、宮殿から教会まで、どこもかしこも、過去も未来も、そんなわたし達で溢れかえっている。
そこに救いは、あるんだろうか?
まともな答えや、ゴールなんてものは、本当にあるんだろうか?
恋と愛と、嘆きと絶望と、慟哭の果てに――。
私は、私達は、一体何を残せるんだろう。
これはきっと、そんな物語だ。
――さあ、物語を歌おう。
それは、少しだけ昔のこと。
嵐に導かれ、口づけを受けた、三人の失われし子の、物語である……。