SHADOW1『事件あるところに少女とそのオマケあり』
慣れない事はすべきではないね……。僕にミステリーが書けるだろうか、いいや書けやしない(反語)。って事で、ミステリーです。初挑戦です。実際、大まかな設定しか考えてないので不安いっぱい胸一杯。明らかに地雷です。自白と自爆は違います。頑張って完結してみせますので、どうか最後までお付き合い下さいm(_ _)m
私立・神丸学園はとてつもなく広い。
幼等部、初等部、中等部、高等部、大学部、大学院が全て納められた学園の生徒数は、約一六〇〇〇人にも上る。
これだけの敷地は都心はもちろん、都下ですら造りにくい。
となれば、都下の都下、東京の最西に位置している。
全寮制という訳ではないのだが如何せん、都心から離れすぎている。
そのため、登校するだけでも一苦労である理由から、近所に引っ越すか学園内の寮に住まうかの二択が暗黙の了解となっている。
そしてその殆どが寮生活が現状だ。
そして中等部二年九組出席番号一八番の少年、典薬 神楽は
「登校自体がめんどい」
といった理由により、断然寮生活派だった。
消灯時間が過ぎてもブレーカーを落とされる事はないので深夜番組は見放題だし、部屋は一人部屋だから男のナニ作業も惜しむ事なく出来るし(そのテの秘密アイテムは大学部や大学院で購入可能)、何より散らかしても文句を言われないという利点が格別に嬉しかったりする。
男子寮と女子寮は、分かれていると言えば分かれているわけだが、正直微妙だ。
二つの寮は隣り合わせになっているので、非常階段を使って屋上に上がり、二メートル足らずのビル間の隙間を飛び越えてしまえば互いに行き来できるのだ。
だから、たまに不純交遊的な声が洩れてきたりして、そんな日はCDをガンガンにかけてイヤホンを耳に当てるほかない。
まぁ、神楽にしてみればそういう相手もいないので、ただのヒガミの対象にしかならなかったり。
寮は学園内にあるだけあって、中等部校舎までは徒歩五分の位置にある。
少し走れば二分も掛からずに到着するので、余程の事がない限りは遅刻したりしない。
最後に付け加えると、食事や入浴は個人の部屋に設備がある。
学園内にはスーパーやらコンビニやらがあるので、自分で調達するのだ。
寮より少し離れた場所には全校生徒が使う食堂街があるから、自分で作るのが面倒な時はそこで食える事になっている。
値段はファミレスレベルだが、味はちょっとした有名店にも負けない。
余談だが、神丸学園の食堂街――というかレストラン街――は雑誌に取り上げられる事も多々あり、外からの人間も食べてみたい時は学園理事に迎賓者申請をしなければならなかったりする。
とまぁ、ここまでの話を全てまとめてみると、この神丸学園は一種の小さな町と考えてくれて構わない。
子供から大人までが集う隔離の町。
――事件は、起こった。