表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
38/62

第三十七話:龍VS鳳凰

 鳳凰と戦い、鷹族の創主から闇の女帝を助けるために龍は沙南、柳、宮岡と、鳥の女神を探すために末っ子組と紗枝、土屋は別行動をとっていた。


 戦力的には龍達の方が安心だろうが、危険から少しでも遠ざけるという点では末っ子組達の方が安全だ。それにそのあたりのSPぐらいなら純一人で片付く。


 全く心配がないわけでもないが、そのうち頼りになるメンバーが合流してくれるからと紗枝に笑い飛ばされ現在に至るのである。


「やっぱり心配?」


 少し浮かない顔をしている龍に尋ねると、まさにその通りだと龍は微妙な表情を浮かべた。


「ああ、宮岡先輩が挙げてくれた部屋の候補の中に特に危険な場所はなかったし、鳳凰級の武道家もいないとは思うが、一応、機密院っていう組織ではあるしなぁ……」

「大丈夫よ、紗枝さんと土屋さんが付いていて危ないことはないでしょうし、いざとなったら桜姫さんが現れてくれそうじゃない」


 それを柳と宮岡は笑う。桜姫はすっかり神出鬼没で現れるようになっているため、末っ子組達がピンチでもなんとかなる気がするのだ。


 それにおそらく彼女のこと、全員の発信機の反応も踏まえて行動しているのだろうから、自分自身が大きな戦闘に巻き込まれていない限り、おそらく末っ子組達の方を心配して……


「……桜姫」


 突然、足を止めた龍に三人は注目する。主従が持つ繋がりとでも言おうか、それがまるで揺らいだような感じを覚え、桜姫の身に何かが起こったのだと悟る。


「どうした、龍」

「……宮岡先輩、桜姫の位置は?」


 尋ねられた問いに宮岡はパソコンを開いて桜姫の位置を確認すれば、どうやら彼女は先程通信を寄越してきた場所から一気に移動しているようだ。

 ただ、彼女だから出来ることではあるのだが。


「宿泊棟の最上階、闇の女帝と一緒だ。助けに行ったんじゃないのか?」

「いや、違います……。この感覚は……」

「……捕まったのか?」

「はい、おそらく」


 龍は桜姫が意識を失っていることも悟っていた。鳳凰にでも会ったのかと思うが、彼女は天の力も使えるほどの強者だ。そう簡単にやられるはずもない。


 その時、空気が一気に張り詰める。四人は身構え、その空気を発する者に対して備えた。そして、空間を切り裂いて二百代ぶりに対峙することになる。


「鳳凰……」

「……天空王殿」


 二人の間にはそれだけの言葉で充分だった。王としての風格と武道家としてのプライド、それを柳と宮岡は息を飲んで感じ取っていたが、ふと、虚ろな目をした沙南が龍の前に進み出る。


 何事かと思うが、すぐに彼女を取り巻く空気からその原因は明らかになった。


「……鳳凰、引きなさい」

「沙南姫様……」

「沙南ちゃん……」


 どうやら鳳凰との対峙で二百代前に意識を取られたらしい。龍とは違った、太陽の姫君としての風格にさすがの鳳凰もポーカーフェイスを保つことは出来なくなった。彼女を通して、光帝を思うからであろうか。


「龍様と闘って何を得ると言うのです。鳥の女神殿を救いたければすぐに引きなさい!」


 強い、絶対的な命令に鳳凰は二百代前の自分に引きずられそうになる。今、自分の目の前にいるのは折原沙南ではなく太陽の姫君だ。それは光帝と同じように自分が守らなくてはならない存在だと自分の脳裏に響き渡る。


 しかし、現代の鳳凰はそれを拒絶した。まだ、彼女に膝を折るべきではないと……


「光帝の娘として命じているのです! 引きなさい!」


 より強く言い放つ沙南に鳳凰は目を閉じた。どれだけ天空王や沙南姫を敵と見なし、そして鷹族の業にとらわれていると口では言おうが心までを殺すことは出来ないのだろう。それはその場にいた者には手にとるように理解出来た。


 しかし、心を殺して戦い、今は沙南姫よりも守りたいものが鳳凰にもある。フラン社長と鳥の女神の顔が脳裏に過ぎると、鳳凰は宝刀に手を掛けた。


「沙南姫様、いくらあなたの命だろうと従えぬ理由はございます。そして……私の主は鷹族の創主。もはやあなたではございません」


 冷静な口調の中でもそれが搾り出した答えだと分かれば、龍は沙南姫を後ろに下げた。もう、充分過ぎるほど彼女の声も思いも届いている。

 ならば、龍が鳳凰に対して出来ることはただ一つだけだ。


「それが答えなんだな、鳳凰」

「はい」


 龍の髪がふわりと揺れる。それを見た沙南姫は不安そうな顔をして龍の腕を掴んだ。


「龍様……」

「大丈夫だ、心配しなくてもすぐに追いつくから。柳ちゃん、宮岡先輩、沙南姫を連れてすぐに最上階へ向かってくれ。啓吾もすぐに追い付くと思うから」

「はい」

「分かった」


 龍は沙南の手をそっと離すとその目を一気に黄金へと変える! 最初から飛ばさなくてはこちらの隙を突かれて致命傷にもなりかねない。それに桜姫がやられたのも気掛かりだ。


「鳳凰、一度だけ言う。すぐに道を開けろ」

「ここから先は誰も通しは……!!」


 言葉を遮るかのように鳳凰に重力が叩き付けられた間に三人は走って最上階に向かう。それを鳳凰は阻止しようともがくが、更なる重力の枷と龍の覇気に叩き付けられて追い掛けることが出来なくなった。


 そして、三人の姿が見えなくなれば、今度は龍が三人の後を追い掛けられないように鳳凰の前に立ち塞がる。


「鳳凰、お前の抱えているものが何かは聞いている。ただ、どんな理由があろうと俺は俺の守るべきものを守る」


 そのことに対して全く迷いのない目が向けられる。二百代前、沙南姫を守るためとはいえ戦うことに迷いがあった王とは全く違う、まさに現代で得た天宮龍としての強さを持った目だ。


「二百代前の天空王殿とは違うと……」

「いや、本質は変わっていない。だが、守りたいものを二度と失いたくない気持ちは強くなった」


 何度も守りたいと思って、何度も現代に至るまで沙南を失ってきた。そして、やっと今、彼女を守る強さを得たのだ。

 だからこそ、例え何があろうとも沙南を守ることを迷わないと決めた。これからも共にあるために。


 強いはずだ、と鳳凰は改めて思い、三人を追う前に目の前にいる王を倒すことに集中することにした。そうしなければ勝てない。


「天空王、あなたを倒さなければ私も守りたいものを守ることは出来ません。ここからは本気でいく」


 鳳凰の目が鷹のように赤く変われば、左頬から首筋に掛けて何やら黒い紋様が浮かび上がって来る。

 それをどこかでと龍は記憶を辿れば、一つの答えに辿り着いた!


「それは……!」

「呪術。私の二百代前の父親である武帝が施していたものだ。頭ではあの男を倒すべきだと理解していても身体はそれを許しはしない」

「つまり武帝が全ての元凶だと……」

「その通りだ」


 刹那! 龍の前に飛び込んできた鳳凰の拳を龍は首を横に傾けてギリギリ交わしたが、その重さと風圧に体は弾き飛ばされる!


「くっ……!」


 壁への直撃を重力を操って避けるが、その次の瞬間には鳳凰の更なる衝撃波が龍に襲い掛かってきた!


「……! はあっ!!」


 衝撃波を龍も力で相殺し、龍は更なる力を解放して鳳凰に突っ込んでいく!


「鳳凰!!」


 力の衝突により、閃光が部屋を走り抜けた……




すみません! 大変お待たせしましたっ!!

最近ゲームにはまっていまして、ついつい更新が……

うん、でもお許しを(笑)


さて、ついに鳳凰が登場して龍と戦うことに!

あの龍が最初から飛ばさなくちゃいけないほど鳳凰は強いらしく、それに思ったよりも手こずる可能性も!?


だけど、まだ大ボスの武帝が残っているんだから、こんなところで力を使い果たすようなことはしないでよ、龍。


次回は捕まってる闇の女帝と桜姫の視点も書けるかなぁ?

そして、一人で行動してる森。

彼はしぶとく生きてるんだろうか……




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ