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プロローグ

2945年8月6日8時15分 第三次世界大戦が始まった。

第二次世界大戦とは比べ物にならない程の兵器が使用され、

死者が5000万人を超えた時、ほとんどの国が戦争を継続することが困難になっていた。

しかしここで戦争に負けた場合、国に破滅しか待っていないことは誰もがわかっていた。

だから最後まで踏ん張った。勝てれば普通の戦争と比べ物にならないほどの

賠償金をもらえるからだ。

そうして戦争を長引かせたせいでこの第三次世界大戦による死者総数は1億人を超えた。

各国が核兵器も使い、まさに死力を尽くして戦った。

だが私たちの国はこの戦争に負けてしまった。

敵国も限界を迎えている。味方も既に壊滅状態だ。

この戦争が始まる前は楽しい学校生活を送っていた学生も兵として戦争に駆り出され、

小学生だった僕たちはなんとか戦争には行かなくて済んだが中学生の兄は

歩兵として戦争に駆り出された。

そして来月から中学生になるというときに敵国が最後の力を振り絞り本土決戦となった。

しかしこれでも僕たちの国は勝てなかった。この国は滅びの道を辿ることになる。

もうこの教室のすぐ外にまで敵の軍人がきている。

この状況で助かる方法はない。

その時、クラスの扉が蹴破られた。

その瞬間先生が軍人に殴りかかるが武装した軍人に敵うわけがない。

女子の叫び声が聞こえる。

その時何人かの同級生が射殺された。

叫び声は大きくなるばかりだった。もう現実には希望は何もなかった。

こんなところで人生は終わることがわかった。

その時近くにいた軍人がこちらの方を見て言った、

「ごめんな…」

その後、音は聞こえなかった。

何も感じない。何も知りたくない。何も… 何も…

だが、あんな最悪の世界だったが1つだけ幸せを感じることができた。

僕のような男にあんな素晴らしい親友ができたことだ。

死ぬ前に親友達に一言でもいいから感謝を伝えたかった。

できることなら死後の世界でも親友達と過ごせますように…

目が覚めると僕はベッドの上にいた。

目の前には大人が何人もいることが見えるが、もうそれが敵の兵であろうが味方の兵であろうが関係なかった。

もう僕の人生は終わったんだ。

…でも、どうなってもいいのだったら、死ぬ前ぐらい好きなように動いてもいいよな。

ゆっくりと起き上がると目の前で話している人たちに話しかけてみた。

「あの…少し話を聞かせてもらってもいいですか?」

「あっ!やっと起きたんだね。大丈夫かい?」

よく見ると大人達は武装しておらず、僕に優しく声をかけてくれた。

言語が一緒なのだからおそらく味方の兵士だろうと思っていた。

だが隣の窓の外を見て自分の見ている夢なのではないかと思ってしまった。

前の世界は核兵器により雲が汚染され、放射線が含まれた黒い雨が降っていた。

だが窓の外の世界は青々とした草原に石造りの建物、遠くには城のような物も見える。

それはまさに、ファンタジーの世界のようだった。

そしてすぐに親友達の安否が気になった。

「ぼ、僕の周りに同じくらいの子供がいませんでしたか!?」

「い、一旦落ち着いて…君と同じくらいの歳の子ならいたよ。3人ぐらい。

君はこの村近くの森の中にその3人と一緒に倒れてたんだよ。」

目の前にいる男性が親切に教えてくれる。

「今、その3人に会わせてもらうことはできますか?」

「できるよ。この部屋のすぐ右隣の部屋で待ってもらってるよ。」

その言葉を聞いた瞬間。すぐにベッドから飛び降りて部屋を飛び出す。

大人達に声をかけられたが、どうしても先に親友達の安否が知りたかった。

右隣の部屋に走り、扉を開けると聞き慣れた声が聞こえた。

「わ!びっくりした…」

「やっと起きたか…おはよ〜」

そこにはずっと前から知っている2人が椅子に座っているのが見えた。

僕はその時どんなに安心したか。ついつい心から声が漏れてしまう。

「よ、良かった〜」

ため息をつくと「あと1人まだ起きてないけどな」と座っている男子が付け加える。

彼の名前は森川樹。

小学校からの男友達で親友の1人だ。

いつもは考えるよりも動いてしまうタイプだが、ここぞという場で頼りになるやつでもある。

もう1人の座っている女子は谷村凛。

彼女とも小学校からの友達で、親友だ。

少し人見知りな一面があるが心を開いた人には明るい一面を見せてくれる。

本来はここにもう1人女子が集まって男子、女子2人ずつの4人グループでよく話していた。

「なぁ樹。和葉って今、どこにいるんだ?」

「和葉?ならお前が寝てた部屋にいたはずだけど。」

「そうだったか?」

急いで部屋から出てきたから見えていなかったがどうやら隣にもベッドがあったらしい。

どうやらまだ目が覚めていないらしい。

まだ目が覚めていない彼女は白上和葉。

和葉は幼稚園からの友達で引っ越してきた僕に優しく接してくれて、よく話していた。

これでいつもの4人がここにきていることはわかったのだが…

「おい樹、凛、ここってどこなんだ?」

「よくぞ聞いてくれた。それも含めて聞いてるから説明してやるよ!

まぁ全員が起きるまではこの部屋で待っててくれって言われてるし、とりあえず座れって!」

「そうなのか?じゃあ待っとくか。」

「さぁさぁ結人さ〜ん、ここがどこか気になるでしょ〜この樹様が教えて差し上げましょう。」

樹がなんかニヤニヤしてるのでどうやら悪い知らせではないらしい。

ひとまずそこだけでも安心できたのでここがどこなのかは僕も気になるし隣に座って話を聞くことにした。

それと自己紹介がまだだったが、僕の名前は長谷川結人。

中学一年生になったばかりで樹と反対でどちらかというと考えてから動くタイプで、

樹にしょっちゅう振り回されている自覚はあるが別に嫌でもないので直す気はない。

それとこの4人は全員中学一年生だ。

「ゴホン では賢者樹様がこの世界の説明をしましょう!」

「でも村の人が言ってたことをそのまま言うだけでしょ…」

と凛がツッコむ。

「ガッ… 凛〜 せっかくの俺の異世界テンションを止めんなよ〜」

なんて言ってるが、まぁそんな気はしてた。と言ってもいまだに信じられないが。

ここは今まで僕たちが生きていた世界とは違う、

異世界だ。

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