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第7話 その名は、トミ・バーチャン
河原に戻るとトミはルーペを使って慣れた手つきで火をおこす。
「太陽が……一点に……収束している……!?
ご婦人、それは…?」
ジャミールが興味深げにトミの手元を見つめる。
「ああ、これかい?
虫眼鏡だよ。
人に向けちゃいかんよ」
そう言いながら、ルーペをジャミールに渡す。
「人に向けると災いをおこす…?」
「そんな大げさなもんじゃないけどね」
「では、業火で人を滅ぼす…?」
「だからそんな大げさなもんじゃないが…まあ、人に向けたら危ないもんだと思っといた方がいいね」
「そんな力を秘めた宝具を、どこで…?」
「100均だよ」
「ヒャッキン……?
その遺跡にはそんな魔道具が」
「安い店だよ。
この国の人は、なんでも大仰に考えるみたいだねぇ」
「太古の遺産を使い、太陽を味方にする……あなたは一体……」
「ん? 私ぁ、橋爪トミだよ。
ただの婆ちゃんさ」
「……トミ・バーチャン?」
と、ジャミールは復唱した。
「ああ、トミ婆ちゃんだ」




