表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/5

第3話 うさちゃん絆創膏

川の向こうから、

人の気配がした。


水桶を抱えた親子だ。


子どもが、

足元の石につまずいた。


「――っ」


泣き声は、あがらなかった。

けれど、膝を押さえている。


トミは、立ち上がった。


何も言わずに、

ポシェットから布を取り出す。


ノンアルコールの、

ウォッシュタオルだ。


「ちょいと、見せておくれ」


傷は、浅い。


拭いて、

うさちゃんの絆創膏を、

ぺたりと貼った。


「……あ」


子どもが、

絆創膏を見て、目を丸くする。


「だいじょうぶだよ」


トミは、

そう言って、にっこり笑った。


「……ありがとうございます」


母親は、

川の向こうを指さした。


「あの先に、町がありますよ」


土の道が、

森の向こうへ伸びている。


「困ったら、来るといいです」


トミは、

一度だけ、そちらを見た。


「そうかい、ありがとうさん」


笑顔で答える。


子どもは、

何度も振り返っていた。


トミは、川を見た。


水がある。

魚もいる。


……今日は、ここでいい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ