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奴隷生活  作者: 浅桐マオ
8/16

2-3

お待たせいたしました

五月半ば、この国では祝日が続き連休となる日がある。

奴隷はモノなのだからもちろん人権もない。労働基準法が存在しないので休みなんてないのだ。

だが、イザベラの奴隷となりそんなことはない。人ではないが祝日、安息日の日曜は基本休みだ。


連休一日目の朝、ルークは自分の行動予定表を見て唖然としていた。何も書いていない。空白なのだ。


何もない。それが一週間も続くのか。俺は自室待機なのだろうか?

戸惑いながらもルークはいつも通り朝食の席に着く。


「ルークだ。おはよう」

「おはよう」

ルークがご飯を食べていると少し遅れてエミリーが入ってくる。休日だから気が抜けているのか少し髪が乱れている。それに今日はメイド服ではなく私服だ。眠たいのか目をこすっている。


いつもは明るくルークに話しかけるエミリーだが、今日は何故か無言だ。

今は二人以外はここに誰もいないので、カトラリーの音だけが部屋だけに響く。


エミリー眠たそうだな。半分目が空いていない。話しかけてこないとここはこんなにも静かな場所だったんだな。何だか奴隷館を思い出す。


さてどうしたものか。話しかけるべきかルークが迷っていると急にエミリーの目が輝き出す。


「眠たかった。ルーク、今日から連休ね」

「ああ」


急に元に戻るのか。驚きだ。


「ルークも一週間休みか。これからどうするの?」

「どうするって空白になってるから、自室待機ってことじゃないのか?」

エミリーは少し笑い吹き出す。

「安息日と一緒の扱いよ。だから屋敷でどうしようと自由なのよ」

「なるほど」

つまり一週間の休暇ってことか。長い。いつもなら一日だからガーデンで寝たり、自室でぼーっとしてたら終わるがそういうわけにはいかないのか。

「と言うことは、ルークも一週間予定は未定か」

「そうだな。エミリーはこれまでこの期間どうやって過ごしていたんだ?」

「去年はイザベラ様がレベッカさんとアデルさんと私を誘ってくれて旅行に行ったのよ。一番最初の年は残念ながら私はまだこの時期、奴隷館だっからなんとも」

「そうか」


あまり参考になりそうにないな。

「さて、どうしたものか」それが二人の心理だ。


何も決まらないまま、1日目が開始された。


朝食後、エミリーが眠いと言ったので二人はそれぞれ自室に戻る。


お昼、天気が良いのでいつものベンチへ


「暇だな」

「ルーク、どうしよう?」


そう言われてもな。

二人が悩んでいるとそこにイザベラが通りかかる。


「あら二人とも、こんなところでランチなの?」

「「はい」」

「連休、何か予定はある?」

「「ございません」」

そう、二人は今まさにそのことで悩んでいたのだ。

「ないのね。だったら二人とも良かったらここに行って欲しいの」


イザベラは二人に一枚の紙を渡す。

そこには住所が書かれてある。

「ゴドウィン家の別邸がある場所なのだけどしばらく行ってないから見てきてほしいのよ。現状がどうなっているか気になるし」

「「是非行かせていただきます」」

「そう、助かるわ。じゃあ二時間後準備してロビーに集合してね」

「はい」


二人はいそいそと自室に戻り準備を始める。


どうなるかと思ったがとりあえずイザベラ様のお陰で予定はうまった。


「さ、二人ともいってらっしゃい」

「「行ってきます」」


奴隷が乗るとは思えないほど豪華な馬車に乗り、二人は旅立つのであった。


次回投稿は明日昼頃です!

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