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奴隷生活  作者: 浅桐マオ
6/13

2 過ぎて行く日々

お待たせいたしました!

ルークがこの屋敷に来て一ヵ月が経った。

 来た時は寒かったと言うのに今ではすっかり春で心地良い。


「ルーク、そろそろお昼にしよう」

「もうお昼ね。それでは今日はここまでとします。ルーク、次回までにこれは覚えておくように。テストを致します」

「はい」


 あれ以来、イザベラ様から寝室に誘われることはない。会えば勿論挨拶をしてくれる。だが、呼ばれることはない。何もないのだ。

 俺にあの後命令されたことは一つ、「まずは教養を身につけること」だった。

 そのため午前中は図書室にて勉強だ。スラム街と奴隷館で育ったルークはまず文字を読めないので、そこからだった。先生役は侍女長のアデルだ。


「それにしてもルークは勉強か。あたしもここに来て最初は勉強だったな」

 懐かしそうな顔をする。

 だが、彼女がそれを言うのは今日で何回目だろうか。何かあったのかいつも同じことを言う。

「今日の賄いはサンドウィッチか。天気も良いしガーデンで飲み物を持って行って食べましょう」

「そうだな」

 二人はバケットにサンドウィッチを何個か入れ、紅茶をとコップを持ち、外へ出る。

 庭のベンチに腰掛けランチタイムだ。


「うーん、疲れが癒えるわ。お日さまに当たってポカポカしながら優雅に昼ごはん。最高だわ」

「本当だな」


 エミリーはいつも嬉しそうな表情をするがルークは言葉だけで表情は変わらない。相変わらず無表情だ。


 ここに来て生活が大分変わった。奴隷館にいた時はこんな食事、ありえない。エミリーがさっき言っていたが日の光を浴びてランチ奴隷の俺たちには贅沢すぎるぐらいだ。


「それにしてもルーク、変わったよね。王子様みたいにキラキラしてる」

「そうなのか?よく分からない」


 彼はここに来て変わった。バサバサだった黒い髪は輝き、服は勿論イザベラが最初に買ったものを身につけているので何処ぞの貴族の坊ちゃんに見えていることだろう。首にまで伸びている、奴隷紋さえ見えなければ身分なんて分からない。

 二人は一見、使用人と坊ちゃんに見えている。

 その様子をイザベラは書斎から毎回見ている。だが、何方もそのことに気づく気配はない。


「ふふ、なんだか微笑ましいわ。奴隷なのに人間と格闘して面白いわね」


「さ、そろそろお昼休憩も終わりね。片付けて戻ろうか」

「ああ、そうだな」


 食堂に貼られてある、今日の行動予定表をルークは見る。

 今日はレベッカさん、何も予定が入ってないから午後はマナーレッスンか。俺はとりあえず自室で待機だな。

次回また明日昼頃更新予定です!

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