第1話 伯爵夫人は不倫よりプリンがお好き
貴婦人が集まるサロン。
上流階級に生きるマダムたちが、紅茶を嗜み、おやつを頬張りつつ、世間話に花を咲かせる。
いわば「優雅な井戸端会議」といっても差し支えないだろう。
そうした中では当然――
「聞いた? エルト家に嫁いだミレナさんが不倫をしてるって……」
「まぁ、ホントなの?」
「“火のないところに煙は立たぬ”って言うしねえ……」
こういった醜聞で盛り上がることも多い。
しかし、ただ一人会話に参加せず、黙々とプリンを食べている婦人がいた。
シンディ・クレーメル。長いバターブロンドの髪をロールアップで上品にまとめ上げた、美しい貴婦人であった。カスタード色のドレスが、その気品をさらに明るく引き立てている。
婦人の一人が彼女に水を向ける。
「ねえシンディさんはどう思う? この不倫の噂について……」
シンディはスプーンですくったプリンの欠片を頬張りつつ、あしらうように言ってのける。
「そんなことより、このプリン美味しいわよ。皆さんも食べない?」
シンディはプリンが大好きであり、他人の不倫話に興味などないのだった。
彼女があまりに美味しそうにプリンを食べるので、婦人らは話を中断する。
「そうね……」
「私もプリンを食べようかしら」
「シンディさんは相変わらず美味しそうに食べるわね」
皆がプリンを食べる様を見て、シンディはにっこりと笑う。
シンディのこのマイペースぶりは周囲からも一定の評価を得ており、社交界でも独自の地位を築いている。
彼女の夫は若くして伯爵位を継いだランゼル・クレーメルであり、王城で財務官を務めている。数々の改革で王国の財政を立て直し、将来を嘱望されている。
まさに彼女の人生は順風満帆といっていい。
しかし、シンディとて経歴に全く“キズ”がないというわけではなかった――
***
「シンディ・リーズ、お前との婚約を破棄させてもらう!」
十年前、当時18歳だったシンディは婚約破棄されてしまった。
相手は伯爵家の御曹司であるバーデン・ゴーマという男だった。
理由は、新しい事業を始めたいがシンディではそのパートナーとして力不足だとか、お互いもっといい相手がいるのではないかだとか、もっともらしいことを言っていたが、言葉の節々から「お前には女としての魅力がない」という本音が伝わってきた。
シンディは愕然としつつ、その言葉を受け入れるしかなかった。
彼女は子爵家の出身だったが、社交界では決して目立つ地位にあるとはいえず、相手方に抗議をするようなこともできなかった。
“捨てられた女”という烙印を押された令嬢になびく男などまずいない。婚約者の裏切りで、彼女の人生は暗闇に閉ざされてしまった。
絶望したシンディは、海辺に立っていた。
その目的はただ失恋の傷を癒すために海を見るためか、あるいはいっそその身を海に投げるためか――
空は白く、波は穏やかだった。
もはや涙も枯れた目で海を眺め続け、何かを決心したように一歩を踏み出す。
その時だった。
「あのー……」
不意に声をかけられ、シンディはビクリとする。
振り返ると、そこには一人の青年がいた。
後に彼女の夫となるランゼル・クレーメルその人である。
服装は白の貴族服、さらりとした茶髪と淡褐色の瞳を持ち、シンディが思わず息を呑むほど穏やかな表情を浮かべている。
「あなたは……?」
「僕はランゼルという者だけど」
「私に何か用ですか……?」
シンディの問いに、ランデルは頭をかきながら答える。
「あそこにカフェがあるだろう? 『シーシャン』っていって、僕の行きつけなんだけど……」
「シーシャン……」
「とても美味しいプリンを出してくれるんだ。よかったら一緒にどうかな、と思って」
口説きには慣れていないようで、ところどころたどたどしい。
だが、そのことがかえってシンディの心を掴んだ。
「私でよければご一緒させて下さい」
シンディが頭を下げると、ランゼルは安堵したように笑みを浮かべた。
『シーシャン』は老夫婦がやっている小さなカフェであった。
他に客はなく、二人は窓辺の席に座り、貸し切りのような状態で揃ってプリンを注文する。
円錐形でカラメルソースがかかった、いたってオーソドックスなカスタードプリン。シンディはスプーンですくって一口食べる。
「どう?」ランゼルが尋ねる。
「美味しい……です」
シンディはぽつりとつぶやいた。
舌に甘みが広がり、生地はふわりと柔らかく、カラメルソースのほのかな苦みがたまらない。
ぱくり、ぱくり、ぱくり。シンディはプリンを次々に口に運ぶ。
プリンってこんなに美味しい食べ物だったんだ。そう思えてしまうほどの感動だった。
ランゼルはプリンに夢中になっているシンディを、ただ笑顔で眺めていた。
食べ終えたシンディはすっかり満足していた。婚約破棄で受けた傷など、もうどこにもない。
「……ありがとうございました。とっても美味しかったです!」
「元気になってくれてよかったよ」
これがシンディとランゼルの馴れ初めだった。
以後、二人は交際を続け、やがて結婚。
ランゼルが家督を継いだことで、シンディは伯爵夫人となったのである。
***
王都中心部にあるクレーメル家邸宅。
夜が更け、夕食も済ませ、シンディはリビングのテーブルでくつろぐ。
すると、メイドのクレアがプリンを持ってきた。黒髪ポニーテールのてきぱきとした十代の少女である。
「奥様、食後のプリンでございます」
「ありがと、クレア」
シンディは『プリンは一日に外で一つ、家で一つの計二つまで』と決めている。
太るからとか、数を制限した方がより美味しくなるとか、理由は色々だが、制限を設けないとおそらく際限なく食べてしまうから、というのが正直なところだろう。
あの日ランゼルと出会ってから、シンディはプリンが大好物になってしまったのだから。
すでに帰宅し、白シャツにベスト、紺のスラックスという私服姿のランゼルがやってきた。
「お、食べてるね」
「うん」
「美味しい?」
「美味しい!」
目尻を下げ、幸せそうにプリンを頬張るシンディを見て、ランゼルの心も温かくなる。
「でも……ちょっと気になることがあるの」
「気になること?」
「サロンで私の知り合いが不倫をしてるなんて噂が流れてて……」
「穏やかじゃないね」
「でも、私の目から見ても、彼女はそんなことをする人じゃないと思うの。だから、一度話を聞いてみようかなって」
「ちょっと世話を焼いてみたくなったのかい?」
「ええ……私って焼きプリンも好きだし」
香ばしい焼きプリンを想像しつつ、シンディが微笑む。
「それにね、かつてあなたにしてもらったようなことを、人にもしてあげたいのよ」
シンディはランゼルによって絶望から救われた。だからこそ自分もそういう人たちを助けたい、手を差し伸べてあげたいという願望があった。
「分かった。僕にできることがあるなら、何でも言ってくれ。協力するよ」
「ありがとう、あなた」
軽く口づけを交わす二人。
部屋の掃除をしながらそんな二人を横目で眺め、メイドのクレアは心の中で「素敵……」とつぶやくのだった。
***
王都のとあるカフェ。
シンディの行きつけの一つであり、彼女は渦中のミレナを連れてここへやってきた。
この店にももちろん――
「ここのカボチャプリンが美味しいのよ~」
「は、はい……」
ミレナ・エルト。シンディより三つ年下の男爵夫人。ウェーブのある橙色の髪が肩にかかるほどに伸び、向日葵色のドレスを愛用しており、顔立ちにはまだ十代でも通じるあどけなさが残る。
「ごめんなさいね、急に呼び出しちゃって」
「いえ、そんな……」
まもなくカボチャプリンが出てくる。濃いオレンジ色に見合った濃厚な味がセールスポイントである。
シンディはこれを満面の笑みで頬張りつつ、問いかける。
「ミレナさん、あなたが不倫してるって噂を耳にしたわ」
「……!」
ずばり突かれ、動揺するミレナ。
シンディは彼女を安心させるように穏やかな口調で続ける。
「安心して。まだ“かもしれない”程度のものだから」
シンディは一口プリンを頬張る。
「不倫が事実だとしたら、よくないことではあるけど、それはもう私が口を出せることじゃないわ。だけど、私の勝手な印象だけど、あなたは不倫をするような人じゃない。だからもし、何か悪いことに巻き込まれているのであれば、相談に乗れるかもしれない。そう思ったの」
まっすぐ見つめられ、ミレナはうつむく。
シンディも無理に喋らせようとはせず沈黙が続く。そして――
「実は私……ゆすられているんです」
「ゆすり?」
シンディのスプーンが止まった。
「ちょうど三ヶ月ほど前のことでした……」
彼女は街を散歩中、一人の男と出会った。第一印象はすこぶる良好で、どこかの貴族ではないかという印象も受けたという。
話も弾み、せっかくだからレストランでお食事でもという話になった。ミレナは食事ぐらいなら、と誘いに乗ってしまう。
ところが、そこで男の態度が豹変する。
『いっぱしの男爵夫人がこんなところで知らない男と食事……このことを俺が触れ回ったら、世間はどう思いますかねえ?』
『え……』
『特にあんたの旦那さんはどう思うか……。不貞を働いた妻を果たして許してくれるかどうか……』
『ちょっと待って! 私は食事をしただけで……』
『そう、食事をした。その事実が重要なんですよ。食事をしたんなら当然“もっと先のこともやったんだろう”と世間は勝手に想像してしまう』
噂が拡大し無限に拡散されていく光景を思い浮かべ、ミレナは震える。
目の前が真っ暗になってしまい、男に切り出す。
『ど、どうすればいいの……?』
『いくらかお金を頂ければ、黙っておいてもよろしいですよ』
悪手であった。
もしシンディが同じ立場だったなら最初から食事などしないか、あるいはこんなゆすりは無視して毅然と立ち去ったであろう。
だが、ミレナにはそれができなかった。
一度金を払ってしまえば、“払った”という事実ができてしまい、さらにゆすられる。
払ったってことはやましいってことだ、という理屈である。
止まらない金の無心に、このままではまずいと思ったミレナは、「もう金は払わない」と言うと――
『あー、そうきますか。だったらこっちは噂をばら撒かせてもらいます。ミレナ・エルトは不倫してるってね』
この脅しは実行され、『ミレナは不倫している』という噂はサロンで話題になるほどになった。
今はまだ噂で済んでいるが、これが事実のように広まってしまう日はそう遠くない。
『こっちには“金を受け取った”という確かな証拠があるんだ。これ以上、噂をばら撒かれたくなかったら……分かるでしょう?』
もはやミレナにはどうしようもなかった。
男にさらに金を払うか、不倫の噂をさらに広められるか、八方塞がり。
落とし穴に引っかかり助けを求めることもできない状態で、シンディから手を差し伸べられた。
これを聞いていたシンディは――
「台無しだわ……」
「え?」
「せっかくのカボチャプリンの味が台無しになってしまうような話だわ。その男、許せない」
シンディの目には怒りが宿っていた。
彼女もかつて一方的に婚約破棄をされた過去があり、男に上手いように操られているミレナを自分に重ね合わせている部分もあるのだろう。とても他人事とは言えない。
「ミレナさん、この件は私に任せてちょうだい。絶対悪いようにはしない」
「ほ、本当ですか?」
シンディの口調は頼もしく、ミレナはすがるような目つきになる。
「ええ、だから安心してプリンを食べてちょうだい」
「はい……いただきます!」
ミレナはまるで久しぶりに食事をするような顔でカボチャプリンを平らげた。
おそらく、ゆすりの男と出会ってからは食事がまともに喉を通らなかったのだろう。
「今度、その男とはいつ会うの?」
「二日後に会うことになっています。噂を止めてもらうために……」
「じゃあ、その時は私も同行するわ。お金なんて持っていく必要はないわよ。私が話をつけるから」
「はい……お願いします!」
***
その夜、シンディは夫ランゼルとともにリビングで食後のティータイムを楽しんでいた。
「あなた、昨日の件、私が動いてみようと思うの」
「ああ、知り合いの不倫の噂が立ったっていう件か」
「結局、やっぱり不倫はしてなかったみたい。で、あなたの力も借りたいなって」
妻に頼られ、ランゼルが頬を緩める。
彼にとっても愛する妻の力になれるというのなら、それは至福の瞬間といえる。
「喜んで貸すよ」
「ありがとう!」
タイミングを見計らったかのようにクレアがやってくる。
「旦那様、奥様、プリンですよ~」
その途端、シンディは子供のように目を輝かせる。
「きゃ~、嬉しい!」
ランゼルはこの笑顔を守るためならどんなことでもしたいと思うのだった。
***
二日後、シンディはミレナと街の一角で待ち合わせていた。
背筋を伸ばしたドレス姿で颯爽と登場する。
「お待たせしたわね」
「すみません、こんなことに巻き込んでしまって……」
ミレナは申し訳なさそうな顔をする。
「いいの。自分から申し出たことなんだから。今日この件にきっちりケリをつけて、プリンを楽しみましょう」
「はいっ!」
男と会う約束をしているのは路地裏とのこと。
密会をするには――さらにいえば“ゆすり”をするにはうってつけである。
すでに相手の“男”は来ていた。鼠色のコートを着た、黒髪の男だった。
「あの人が……そうです」
ミレナに促され男を見た瞬間、シンディの顔は凍り付いた。
「あれは……」
「どうなさいました?」
「バーデン……!」
「知ってるんですか?」
「ええ、昔ちょっとね」
“男”はかつてシンディとの婚約を破棄したバーデンだった。
あれから十年、人相も服装もだいぶ荒んではいたが、見間違えるはずもなかった。
向こうもシンディに気づく。
「……ん? お前は……シンディ!? シンディ・リーズ!? いや、今は――」
「今はシンディ・クレーメルよ」
しばらく二人は視線を交える。
当事者のはずが置いてきぼりにされ、ミレナはきょとんとしている。
「聞いてるよ。今じゃ伯爵のご夫人様らしいな。上手くやったもんだ」
「あなたこそ、風の便りで聞いてるわ。私との婚約を破棄して新しい人とくっついたはいいけれど、その人とは上手くいかなくて、事業も失敗。家に多大な損失を出したとして、勘当されたって。たった十年だけど、人間落ちるところまで落ちるものね」
バーデンは顔をしかめる。
かつては身勝手な理由でシンディを地の底に突き落とした彼だが、すっかり立場が逆転している。
「それで? なんの用だ?」
「もちろん、このミレナさんに関する件よ。話は聞いたわ。あなた、彼女にゆすりをかけてお金をせびっているそうね」
「まぁな。今じゃ俺もすっかり裏社会の住人だ。そんなとこにいりゃ、こういう金稼ぎだって思いつくものさ」
バーデンは肩をすくめ、全く悪びれずに言い放つ。
「だから、あなたと話をつけに来たのよ」
かつての婚約者に会い動揺したが、バーデンは思考を巡らせる。
ミレナはこうしてシンディにゆすりの件を打ち明けるほど思い詰めている。これ以上彼女から金をたかるのは不可能だろう。
ゆすりをやめろと言われたら、ミレナからは手を引くのが上策か。脅迫というのは引き際が肝心なのだ。まあ、十分稼ぐことができたさ。次の獲物を探せばいい。
機先を制すように、シンディが言う。
「あなたへの要求は三つよ」
「三つ?」
「まず、当然だけどゆすりをやめること。それと今までに手にしたお金を返すこと。そして最後はもちろんこのまま自首してちょうだい」
「……!」
ズバズバととんでもない要求を突きつけられた。
ゆすりをやめるだけならばともかく、残り二つはバーデンとしても受け入れがたい。
金を返すなんてまっぴらだし、まして自首なんかするわけがない。
「そんなことできるわけないだろ」
「だったらこのままあなたのことを指名手配してもらうまでよ。王国の捜査機関に追われる身になって、気ままな悪党生活とはいかなくなるわね」
見下すような表情のシンディに、バーデンも不快感をあらわにする。
「あまり調子に乗るなよ、シンディ」
「あら、私は当然の要求をしているつもりだけど」
「そんなもん受け入れられるわけねえだろ。それにここは人気のない路地裏、こっちは暴力に訴えることだってできるんだ」
バーデンが近くに置いてあった角材を拾う。
身の危険を感じ取り、ミレナは怯える。
だが、シンディは毅然とした態度を崩さない。
「それも面白いかもね。やってみてちょうだい」
「なに?」
「かつて私との婚約をなかったことにした男が、しょうもないゆすりをやるほどに堕ちただけでなく、私たちのような婦人に暴力まで振るうようになったことに、心置きなく失望できるから」
言葉とともに、冷たい眼差しが投げつけられる。
角材を手に取ったバーデンの動きが止まる。彼はその角材を振るうことができなかった。
女性に対し暴力を振るう罪悪感が湧いた――というより自分とシンディとの人間としての“格の違い”を思い知ったためだろう。
分かりやすく言うならシンディの貴族夫人としての威厳と気迫に圧倒されたのである。
バーデンは角材を落とし、うなだれる。
「俺の……負けだ……。ミレナさんには金を返すし、大人しく捕まることにするよ……」
十年という月日は、かつては飛ぶ鳥を落とす勢いだったバーデンを地に落とし、婚約破棄になすすべがなかったシンディを高みに上らせた。
シンディが指を鳴らす。
すると、物陰から数人の兵士が出てきた。
「どうやらあなたたちは必要なかったわね」
シンディが夫ランゼルの協力の元、助力を要請していた兵士たちである。
王城に勤めるランゼルはこういった手配も可能。いざとなれば、彼らがバーデンを取り押さえる手はずになっていた。
「さすがはランゼル伯の奥様だ。密かに護衛する身でありながら、どこか安心して眺めていましたよ」
「あなたたちがいると分かっていたから、強気に出られただけよ」
兵士によって、脅迫犯バーデンは手錠をかけられる。
初めから自分に勝ち目はなかった。そのことを悟ったバーデンは、自嘲気味に笑った。
「……どうやら俺はとんだ才女を手放してしまったようだ」
かつて自分が婚約を破棄した令嬢が、とんだ大物だったと思い知る。
「いいえ。我が夫ランゼルが、私をここまで引き上げてくれたのよ」
バーデンは兵士たちによって連行されていった。
***
ゆすり事件は解決し、シンディはランゼルに全てを話した。
「そうか……。あのバーデン・ゴーマに会ったのか」
「ええ、さすがに驚いちゃった」
「これで君もかつて婚約を破棄されたことに対して、少しは溜飲が下がったかな?」
シンディは首を横に振る。
「溜飲なんて下がらないわよ。だって今の私は彼から婚約破棄されたことを幸福だと思ってるもの」
「え、どうして……?」
「だって、おかげであなたに出会えたんだから」
ランゼルはこの言葉を反芻し、徐々に顔を赤らめる。
「あ、ありがとう……」
「ふふっ、これからもよろしくね、あなた」
「うん」
クレアがプリンを持ってやってくる。
「旦那様、奥様、プリンですよ~」
三人で食卓を囲み、プリンを食べる。
スプーンでプリンをすくい、口に含むとシンディはたちまち笑顔になる。
「ん~、誰かを助けた後のプリンは格別だわ!」
「僕も美味しそうにプリンを食べてる君を見て食べるプリンは格別だ」
「じゃあ、私もそんなお二人を見て食べるプリンは格別です!」
邸宅内に三人の笑い声が響き渡った。
連載作品となります。
よろしくお願いします。