図書館-4
思いきり泣いた後、コーヒーのせいかトイレに行きたくなり、用を足した。
トイレから戻る途中、鋼鉄製の扉に手をかけてみたが、びくともしなかった。
本当に閉じ込められているんだなと、再確認して御子柴からの手紙を読み返す。
手紙には毎日お読みくださいと書いてあった。
もし、仮に今のが夕食だった場合、このまま何もしなかったら、ルールを破る事になる。
監禁をするような人間が決めたルールを守らなかったら、何をしてくるかわかったもんじゃない。
とりあえずトレイを昇降機に入れて、近くにある本棚から、適当に本を持ってきて読んでおこう。
トレイを昇降機に入れる時に、メモ帳を一枚破り、こちらの要求を書いた。
ー・食事が朝食~夕食のどれなのかわかるようにしてほしい。
・ソファの所で本を読んで居る時に、食事が届いた事をわかるようにしてほしい。ー
仮に通らなくても、要求を書けと書いていたのは向こうなのだから、要求した事を咎められる事は無いだろう。
ダメで元々という気持ちで、トレイにメモを乗せて、昇降機の上と書かれたボタンを押した。
機械音がするのを確認して、真後ろの本棚から適当な本を手に取りソファへと戻る。
どうせ読むならタイトルを見ながら吟味したかったが、時間がないかもしれないし、次からは選ぶ事にしよう。
ソファに腰掛け、コーヒーを一口飲みながら本の表紙に目をやった。
「えーっと、タイトルは…『トンネルの天井』ねぇ。まぁ、心霊体験談としては、トンネルはよくある場所だな。」
この場所に対する恐怖を忘れる為にも、本に集中しようと思い、本をを開いた。