図書館-2
「考えたって仕方ない!まずは、どれくらいの広さがあるのか確認しながら、手紙に書いてあった設備の確認をするか!」
大きな独り言で無理矢理自分を奮い立たせ、ソファから立ち上がり、左に向き直して歩き出す。
とりあえず、前方に見えるのは本棚のみで、その先は闇…闇としか言いようがない暗闇…あんなに暗いのに懐中電灯も何も無いのかよ…。
図書館内の灯りは、所々の壁に付いている蝋燭のみ…しかも、ちょっと位置が高い…
「あの蝋燭が燃え尽きた後、どうすんだよ…?自分で代えるのか…?だとしたら、手紙にストックの場所も書いておいてくれよ…真っ暗じゃ本も読めないぞ…?」
ぶつぶつと独り言を言いながら、本棚に挟まれた通路を歩く。
もう少しで、灯りの無い位置に差し掛かろうとしたその時、突然先の通路の蝋燭に火が灯り、足を止めた。
「え?センサーライトなの?いやいや、蝋燭風のライトじゃなくて、ちゃんと蝋燭だよな?」
驚きながら、振り返ると後ろの本棚にある蝋燭は消えており、少し離れてさっきまで座って居たソファの周辺は明るかった。
「どういう仕掛けなんだこれ…?とりあえず、近づけば明るくなるなら、壁まで進んでみるか…。」
びくつきながら、再び歩き始めた。
ひたすら真っ直ぐ歩く…歩く……歩く…
え?まだ壁にたどり着かないの?窓が無いどころか壁にもたどり着かないのはおかしいよね?
来た通路を振り返ると、真っ暗闇のかなり向こうに、ソファ周辺の灯りらしき点が見える…
「いや遠っ!?恐い恐い!どうしよう?もっと進むか?戻るか?でも、ここまで来たし、別に真っ直ぐ来ただけだし、戻るのはもう少し後でもできるよな…もう少し進んでも壁にたどり着かないのようなら、戻れば良いよな…?」
不安な気持ちを振り払うように、独り言で自分に言い聞かせ、前進を決意した。
時計がない為、正確な時間はわからないが、恐る恐る前に進みながら10分程だろうか?
振り返ってもソファの灯りは見えなくなっていたが、今度は前方に点ほどの灯りが見えた。
「良かった。もう何の変化も無いのかと思った…とりあえずのゴールはあそこだな!多分、あそこまで1~2分くらいだろうから、ソファまで戻るのに、また10分強かかるのか…でも、とりあえず何があるのかだけでも確認しないとな!うん!」
もう、大きな独り言が当たり前になっていた。
ようやく見つけた変化に、僕は小走りで灯りの方へ向かった。
灯りの正体が目視できる距離まで来て、希望は絶望に変わった…
そんなはずはないと思いながらも、灯りの所までたどり着き、体に力が入らなくなりその場にあったソファに腰を降ろした。
「何でだよ…!?真っ直ぐ進んで来たのに…」
ソファに座る僕の前にはテーブルがあり、テーブルの上には見覚えのある手紙と封筒があった。