図書館-1
図書館パートと、短編怪談パートに分けて展開させて行きたいと思っております。
短編怪談には自身の体験も含めて書いて行きます。
ある日僕は、知らないソファで目覚めた。
周囲を見渡すと、たくさんの本棚が並んで居て、まるで図書館だ。
昨夜も、いつものように上司に命令されて、サービス残業をした後、深夜に帰宅し空腹もそのままに、自分のベッドに倒れこんだはずだ…
寝ぼけて図書館に侵入…?あり得ない。
間違いなく万年床にダイブした。
寝起きでまだ働かない頭のまま、昨夜の記憶を整理しながら、再び周囲を見渡し視線を落とすと、目の前にあるテーブルの上に、封筒が1つ置いてある。
封筒には『丸山 輝基様へ』と、僕への宛名が書かれていた。
封筒を手に取り、中身を取り出すと3つ折りにされた1枚の紙が入っていたので、開いてみる。
ー突然の事で戸惑っておいでの事と存じます。私は、司書の御子柴と申します。現在、丸山様が居られますのは、窓もなく唯一ある鋼鉄製の扉は外側から施錠された完全なる密室の図書館となっております。ー
そこまで読んで、僕は絶句した。
丁寧な口調で書かれてはいるが、要は僕を監禁したって事じゃないか…この御子柴と名乗る性別も年齢もわからない人物は、頭がおかしい犯罪者なのか?
混乱した頭のまま、とりあえず続きに目を移した。
ーご不明な点は多々あるかとおもいますが、残念ながら説明する事はできかねます。このお手紙で私からお伝えできるのは、当図書館のルールについてのみとなります。ー
説明はしてもらえないらしい…
御子柴も誰かの命令でやらされて居るのだろうか?
「ルールだと?この頭のおかしい図書館に勝手に監禁されて、わけもわからないまま僕にルールに従えと?まぁ良いさ!そのルールとやらを教えてもらおうじゃないか!」と、誰も居ない室内で叫んで、御子柴のいうルールを確認する為、手紙に再び目を移した。
ー・当館にある蔵書は、全て誰かの恐怖体験を世界中から集めた物です。好きな物を手に取ってお読みください。(必ず、毎日お読みください。)
・当館でのお食事は、ソファから見て左手奥にある小型の昇降機にて、1日3食提供させて頂きます。メニューにリクエストがございましたら、昇降機横のメモにお書きになって、返却する食器と共にお入れください。保温ポットに入れたコーヒーと紅茶を、朝食と一緒にお届けします。
・浴室やお手洗いは、ソファから見て右手奥にございます。お着替えは更衣室の昇降機に、お脱ぎになった服を入れて頂くと、入浴中に代わりの服と入れ換えてお届けしますので、そちらをお使いください。
・当館にある蔵書には、全て魔法がかけられております。実際に体験頂きお確かめください。
その他、ご不明な点がございましたら、メモにお書きください。ー
………は?いやいや、ご不明点だらけですが?
いよいよもって、御子柴の目的がわからない…
何故、恐怖体験談なんだ?
最近こそ、仕事仕事で見る暇が無かったが、学生時代はネットで恐怖体験談ばかり読んで居たし、好きだから抵抗は無いが…
衣食住が整い過ぎているのも、逆に気味が悪い。
何より、魔法?魔法ってあの魔法?ハ◯ーポッターとかが使うあの魔法…?
いやいや、あり得ないだろう…
え?あり得ないよな…?
不馴れなもので、句読点や文章におかしなところがあったら、教えて頂けるとありがたいです。