信じて裏切られて、信じられて裏切った
皆さんこんにちワン!美羽です!
今回8000文字とか!
こんなに書いたの初めて!
今までほかの投稿が遅かったのははこれのせいですごめんなさい
キーンコーンカーンコーンとチャイムが鳴り響く。
窓の外は紅葉で木の葉が赤く光っている。
1年1組という看板の方から声が響いて来る。
「起立、礼、着席」と日直が言って、今日最後の授業が終わった。と同時に
「望!」という声が響いた。元気な声はいつものように明るい。
ツインテールの髪が揺れている。
「あ、友!お疲れ様」と私は話す。
「ねー、今日の数学全くわかんなーい!数学なんてあったっけ?」
あまりにも無茶苦茶な言い訳に少し笑ってしまう。
彼女は如月友。私の親友。同じ高一で15歳。
「てかさ、ほんとに望の今日のツインテール可愛すぎるんだけど!」
「朝からずっと言ってるじゃんw……あ、そういえばさ、友可愛いし、告られたりしないの?」
「こく?て、あの告白?うーん……あ、あのさ、話題変わるけど」
「唐突w」
「付き合ってって言われたから、いいよ、何に?ってこの前話したら、ごめんって言われたんだけどさー、おかしいよねあの人」
「……鈍感すぎ……w……今日も天然度100%ですねぇーw」
「てんねん?」
ほーんと、天然過ぎるところとかも可愛い。
こんな風に可愛くて優しい友が大好き。
「お前ら!下校時間だぞ!早く帰れ!」
「「はぁーい」」
私たちは逃げるように走った。
私達は家が近くて、走ったら2分で着く位の距離。
「「ばいばーい」」
私は家へと行くと、急いで荷物を下ろす。
ラジオが付けっぱなしで流れていた。
「最近、暗殺事件が多くなっています。政府公認の暗殺者除外組織であるAJSが動いています。子供、お年寄り関係ないようで、未だ共通点は分かっていません。また、昨日だけで5人の被害者が出ており……」
私は、大きなリュックを背負って、外に駆け出した。
ブブッ
とスマホの通知が来る。
「ゼロ:いつもの場所」
私は了解、と送った。
☆
?「遅かったな……ゼロよりお前が遅いなんて珍しい」
望「ごめんなさい、ブラックボス」
ブラック「ボスでいいって……で、今回はここの家だ。頼んだぜ、ツートップ」
望&?「了解」
私には裏の顔がある。
実は、私は……暗殺者。
暗殺者が集まる組織、ASのメンバーだ。
ここには借りがある。
だからここに入ることがお礼であり義務だと思う。
?「おい、『アン』……今日遅かったな」
望「ごめんね『ゼロ』……話してて」
ここでは本名を出すと速攻警察行きなので、私は『アン』と名乗っている。
私のパーティーは『ゼロ』
本名は前川(前川)陸。同じ高校1年で2組にいる。
私達はASのツートップ。
アン「急ぐよ!」
ゼロ「おう!」
私は向かう間にリュックからフード付きパーカーを取り出して着る。上半身用のローブのようなものになっている。
足は隠さない方が動きやすいため。
さらに私は左目に包帯をまく。
顔はバレたくないからね。
まあ、片目はそのままなんだけど。
この包帯は特殊でこっちからは前が見えている。最高。
私達は相手いる窓を見つけた。
アン「……テレビでも注意してんのに、わざわざ窓開けてくれて、ありがとーございますw」
ゼロ「サイコパスがいるぞここに」
アン「ゼロもでしょ」
私達は今は変声機を使って声を加工している。
さらに私は包帯の上に狐、ゼロは犬の仮面を被っている。
そう簡単にはバレない。
静かに
窓から入る。
後ろからゼロも着いてくる。
今は20時。
奥から2人ほどの声がする。
2人なら簡単に行ける。
手で合図を出し、同時に行った。
「なっ!誰だお前ら!」
私は後ろからバックアップの役。
銃を構える。
ズダダダダダッッッッ
「ぐ……ゔ……」
ゼロはもう1人にナイフを突き立てる。
「きゃぁぁぁああああああ!やめて、やめてぇぇぇええ!」
ゼロ「……ボスの指示なので^^」
ザシュッ
ゼロ&アン「任務完了」
☆
メール送信アプリ
『ASトップグル』
アン「完了です」
ブラック「お疲れ様。今日の任務は終わりだ。明日も楽しみにしている」
ゼロ「光栄です、おやすみなさい」
☆
望「ほら、帰るよ、りっくん」
陸「はいはい……ばいばーい」
望「ばいばーい」
……疲れたな
これが私の日常。
この1週間後に、こんな事実を知って、こんなことになるなんて……誰も、神でさえ想像できなかっただろう……
☆
「んー?やば、ご飯の時間」
バタバタ、と忙しく動く。
制服に着替えてパンを食べる。
今日は三つ編みにしてみよう。
時間の無い時も、髪型だけはきちんとやってしまうのは癖。
「……行ってきます」
誰も居ないリビングに向けて言う。
あの頃から、私はずっと1人だった。
そんな私は、あの人達に助けられて、あの子に大事なことを教わったんだ……
友「おはよー!!!」
望「わ、おはよ!」
友「ねーねー、あのさー、最近暗殺がいっぱいだよね。本当に許せない!怖ーいよね……」
私は自分で自分が動揺していることに気付いている。
友「ねー、望もそう思うよね?」
望「……うん……」
友「あ、怖い話してごめんねー!もし、望に何かあったら、私守r」
キーンコーンカーンコーン
望「やばっ!遅刻!」
友「怒られたくないー!」
100メートル、15秒。
急いで走っていったものの、ガッツリ怒られました☆
☆
友「放課後空いてるー?」
望「んー、多分今日は大丈夫かも」
友「やったぁ!あそこの公園で遊ぼ!」
公園って……w
子供みたいにはしゃぐ友は、可愛かった。
意外に面白くて色んな話をしていた。
友は昔友達とここで沢山遊んでいたらしい。
最近は疲れていたからこういう休憩も楽しい。
赤い木の葉が舞う。
ざぁぁぁ、という音がして風が吹いて、私たちに葉を飛ばしてくる。
こんな景色を眺めるのもいいなと思った。
すると、ピロロ、という音がした。友のスマホだった
友「ちょっとごめんね、電話してくる」
望「はーい」
友「……ぇ……ぁ…………ぃ……ぁ…」
何言ってるかは聞こえなかった。
ピロン、という音がして、私もメッセージアプリを開く。
『ASトップグル』
ブラック:任務ではないが伝えたいことがある
私もメッセージを送る。
アン:このグルでいいですか?
ゼロ:あ、僕としてもそっちが……
ブラック:ならここで言う
ブラック:最近、政府公認の暗殺者除外組織であるAJSが邪魔だ
アン:その他の情報はありますか
ブラック:今はない。俺が調べておくから、今度除去して欲しい。だが、相手が強い……そこで、ローズをスパイとして潜入させる
『ローズを追加しました』
ローズかぁ……
ローズは情報収集がとても得意でスパイとしては向いていると思う。
前は一緒に戦っていた時もあったなぁ
私とゼロとローズでトップ3だった。
最近風邪気味だからと休養していたけれど、大丈夫かな……?
ローズ:こんにちは、久しぶりです
アン:ローズっ!
ローズ:アン!久しぶり!今度から潜入スパイしてきまぁす!
ブラック:では、早速送ってくるよ
ローズ:行ってきます♡
アン:行ってらー
ゼロ:いってら
会話が落ち着き、今度はゼロとの個人チャットへ移動。
アン『ね、ゼロ……AJSについてどのくらい知ってる?』
直ぐに既読が着いた。
ゼロ『えーと……』
ゼロ『若い者中心にASを根本から無くす……つまり僕たちを○す組織……トップは……高校生2,3人らしい』
アン『つまり……同い年くらいかな?知ってる人だったりして』
私は冗談で言ったつもりだったのにゼロが
ゼロ『もし、敵が……知ってる人だったら……?』
て、言うから困ったじゃん……
私は少し悩んでこう答えた。
アン『んー、人とかによる、かな……なるべく任務優先、もし同じクラスとかだったら顔隠したまま話し合いかな……聞いてくれなかったらやるけど……』
ゼロ『僕やっちゃうかもよ?』
アン『話し合いの場をとるなぁ!w』
そんな日常。
「……み」
ん?なんか聞こえた……?
「……ぞみ」
なんだろ?
「のーぞーみっ!」
望「わっ……ごめんごめん……」
友「なにそれ……メッセージアプリ?」
望「わっ……みないでってば!」
友「何このグループ……えーえす……?」
望「わぁあああ!」
ど、どうしよう……ASのグループ名見られたかも……言い訳……!
望「も、もぉー!それ、他のクラスの仲いい子達とのグループメールだよっ!『愛が育つ』で、ASって略したの。かっこよくない??」
友「へぇー!確かにかっこいいねっ!あ、でもさ……ASって略すと暗殺者組織の名前もASになっちゃうよっ!?」
望「そっかぁ……じゃ、後で治しておくわ!」
な、何とかごまかせた……
ていうか、ASとかテレビでは放送されていないはず……
暗殺者組織という名前でしか……
なんで友は知って……
友「望……もうそろそろ時間?」
時計は5時を指していた。
望「……そうだね……じゃあ、また明日!」
友「また明日ぁー!」
☆
私は家で少しのんびりする。
今日は依頼はないみたい。
しかし、平穏なんてものは無い。
でも、後にこの言葉がこんな意味になるとは想像出来なかった
ピコン、と音がしたので見てみると
ASトップグル
の通知画面。
ブラック:重要情報。そして重要な任務だ。
至急集まるように。急いでくれ。
余程重要なことなんだろうと思う。
私はいつもの場所に走っていった。
☆
ブラック「……集まったな……では、今回の任務だが……AJSをやってほしい……ローズは今も向こうにいる。みんなが着いたらタイミングを見計らって先頭に加わるそうだ。そこで、トップ達を調べてもらった」
ゼロはさっき来たばかりでまだ肩で息をしている。
相当走ったらしい。
ブラック「そのトップメンバーの名前だけど……匿名かもしれないが、活動時は夜也、桜、友だ。全員高校生らしい。そして、指揮を取っているのがボスであるホワイト」
……え……?全員、聞いた事のある名前……!?特に……いや、聞き間違えかも……
アン「あ、あの……今……トップ達の名前を……何とおっしゃいました……?」
ブラック「夜也、桜、友だ」
ゆう……?
いや、いやいや、だって匿名かもしれないし。
たまたま私の知っている……親友と、名前が被っただけだよ。
流石に考えすぎ。
……でも……
夕はやけに最近暗殺者組織について悪印象を持っていた。
いや、それは普通なのだけれど……
本当は知らないはずのASの名前を知っていた。
「私が守る」
今朝の言葉。
変に引っかかって……
……何、意識してんの……
その確率は99%ないのに。
でも、残り1%の予感が当たってしまったら。
私は……
……ていうか……夜也って、最近くっついてくる人……たしか、4組の高一で……そして桜は隣のクラスにいた……
それに、ボスは高校生だって……
私はそこで頭をぶんぶん振る。
とりあえず、任務……
ブラック「場所は……この町の○○区……」
正確な場所をしっかり頭に叩き込む。
……この場所、学校の近く。
ここも充分近いのだけど。
ここなら、たしか学校の裏側辺りだと思うけど……?
そんなことを考えているとボスがとんでもないことを言い出した。
ブラック「今回は、私もついて行くよ。バレないように。戦闘は君たちに任せるけれど、俺も見てみたいんだよ」
アン「分かりました。バレないようにしておいて下さいね?」
ブラック「おい、舐められちゃ困るよw」
私はいつものように包帯を巻いて仮面をかぶり、変声機を付ける。
ゼロも同じように用意する。ゼロは得意な近接武器、私は遠距離武器を持つ。
ブラックは黒のフードをすっぽりかぶる。
ブラック「さあ、任務開始だ」
アン「……中は何人」
ゼロ「12人、護衛に3人」
アン「ローズは護衛として裏側にいるらしい。とりあえず最初は向こうの味方っぽくしとくって」
ゼロ「了解」
AJSのメンバー1「な、なんだアイツら!」
AJSのメンバー2「ASじゃないのか!?」
ゼロ「御相手している場合ではないので、ではさよなら」
シュバッⅹ2
アン「一瞬だね」
ゼロ「行くぞ」
バンッ、とドアを開ける
アン「いけっ」
バンバンバンッ
私は銃で5人ほど撃退。
シュバッシュバッシュバッ
ゼロも3人ほど撃退した。
あとは、ホワイト、桜、夜也、あと……友、ローズ。
ホワイト「私の名はホワイト……やあ、君たちが、ASかぁ……あのさ?自分の責任、償えよ?」
いきなり口調が変わる。
ホワイト「今まで、何十人君たちに未来を失われたか、分かるか!?君たちは全員の希望を……まだあった希望を!どうして……」
夜也「落ち着いて下さい。ちゃんと始末しますから」
この声、顔、夜也君だ……
桜「大丈夫。私も行く……ローズは?」
友「もう殺された可能性が高い……全員、仮面をとって謝罪して……死刑だ」
……そこに居たのは、間違えなく私の親友の……友だった。
声も、顔も、細い手足も。
雰囲気は全然違うけれど……
……なんで……?
友「行くよ!」
バンッ
シュッ
友が放った銃を避ける。
本当に、友……なんだ……
友「避けるな!責任から逃げるな!やるなら正々堂々と真正面から勝負をしてよ!」
強い。
友は私を守ってくれてた頃から、ずっと、ずっと強い……
全てはあの真っ黒な日から始まった
「……なん、で……返事を、してよ……ママぁ……パパぁ……うわぁっ……うわぁぁぁぁぁぁああああんっ!」
私が10の時だった。
親は交通事故にあった。
親は仕事に行った。
でも、それ切り帰ってくることは無かった。
「行ってきます」
親はそう言い、ドアをぎぃ、と開ける。
「行ってらっしゃい」
私はそう返した。
土曜日だった。
学校もなく1人でゴロゴロしていた。
スマホで友達とメールのやり取りをしていた。
その時だった。
キキィィィイイイイ
ドンッ!
窓を開けていたとはいえ、中まで響き渡る悲鳴のような音、そして周りのザワつく声。
私は嫌な予感がして急いで出た。
「な……なに……どうなってるの……?」
車は前だけを見ると車だと分からないほどにぐちゃぐちゃに潰れていた。
でも、確かにその車は見覚えがあった。
「ママ!パパっ!」
その後はパニックになって、よく覚えていなかった。
気付くと病院で少し変わった姿になったママとパパに会った。
その時にはもう、手遅れだった。
「返事をしてよ……」
これだけ泣いたことはなかった。
目の前にあったのは絶望だけの未来。
そんなのなら、いらない。
そう思った。
でも……この出来事で、私はASに入った。
私が1人泣いていると、1人の男の子が声をかけてくれた。それがゼロ……前川陸だった。
そして私に、君の親の仇を取ろう、そう言って奨めたのがASだった。
私は恐怖心も恐れも悲しさも何も感じなかった。
そう、あの時からこの出来事に蓋を被せることが出来なかった。
とにかくボスの指示に従った。
それが悪い事だとも分かってはいたけれど。
もう、何もかもが手遅れだった。
自分の知らない自分が出来て、意味もなく人を殺した。
そして、高校になった時出会ったのが友だった。
私が端っこにいても、
「ねえ、何やってるの?」
と声をかけてくれた。
私の周りに、こんな優しさがあることすら気付けていなかった。
優しい。なのに……
どこか、まだ穴が空いていた。
だから……指示に従い続けた。
それが私に出来る……親への義務であり、ASへのお礼だと思って……
友「自分で取れないのなら……私が取るっ!」
どうしようっ……
この場で取られると……
ゼロ「大丈夫」
バサ
ゼロが……仮面を外した……!
ゼロ「俺はゼロ……おっと、変声機を取り忘れてた……これで分かるか?」
友「……うそ……もしかして……その声……り、く……?」
ゼロ「あー、それよりここではゼロって呼んで……て、なんで友の方が知ってんだよ、夜也と桜は隣のクラスだろ?」
夜也「……まじ、かよ……知ってるよ……まさか、お前が敵の幹部様だったなんてな」
ゼロ「それ、やめてくれよ……こっちじゃ、トップって言ってんだよ、そんな地味じゃなくていいだろ?」
桜「……性格は、変わってないのね」
ゼロ「あのな……どうやったら性格をかえれんだよ……友すげえな、逆に」
友「……いつまでそんなことやってんの……?今まで、自分の起こした責任わかって言ってんの……今で、友達はおしまい……勝負開始っ!」
ゼロ「……くっ」
3対1。
なのに、私は反撃出来ずにいた。なんで、ここに友が……
まだ、理解できなくて。
でも。
責任、か……
アン「あーもう、いーよ……友……」
友「なに、知らない人に呼び捨てされたくない」
アン「あー、この声じゃわかんないよね……」
バサバサッ
私は仮面と変声機を取り、落とした。
アン「友なら……この包帯取らなくても、誰か分かってくれるよね……」
友「……な……んで……の……ぞみ……?」
アン「うん……ごめんね」
私は友の近くまでパッと行く。
とても早くて見えないようなスピードで。
そして、ナイフを持つ。
アン「このことを……黙ってたら、見逃す」
ゼロ「……でも、それが約束できないのなら、ここでサヨナラだ」
……自分が壊れてしまったみたい。
友のさっきの言葉は、どこか私の心を刺激した。
でも、まだ私は壊れ続けている。
友「……」
パッ
友「……たとえ、誰であろうと、人の命を理不尽に取るようなやつに……仲良くなった覚えは無い」
ザシュッ
パッ
アン「さすが……友……」
本気なんだ。私を……ASを殺すことに。
友「……何も、言わないで……っ」
ザシュッザシュッザシュッ
アン「くっ……いた……」
友「……」
アン「……!」
一瞬の隙を見る。
そう、これは……ただの殺し合い。
意味なんてないはずなのに。
ザシュッ
友「いだっ……」
……その顔、反則だよ……
その止まった瞬間を見たのか、反撃を返してくる。
でも、そこで油断した私のところには……
ザシュッ
ナイフが飛んできていた。
アン「……!」
私は声を発せずにその場で倒れた。
まだ意識はある。
でも。
友「……殺された人はみんな、こんなに辛い思いを、したんだよっ……何もしてないのに、そんなの……」
アン「……!……大事な事を……思い出したよ……人生なんて、理不尽ばかり……なんで、何もしていないお母さんと、お父さんが……死ななきゃ行けなかったの……!」
友「……え……」
アン「……1人……やっぱなんでも、ない……」
はあ……
人を信じることができなかった私を、君は信じてくれたのに……あぁ……私はあの時の、親を殺した奴とおなじだよ……
なんで……
ローズ「っ、ごめん、遅くなった!」
友「ローズ!無事だった……の……」
言葉を失ったのは、ローズが私を庇おうとしたから。
ローズ「……思ったより早くバレちゃった……私はね、スパイだったんだよ」
友「!」
アン「ローズ!やめてっ」
ローズは聞ける余裕がないのか、ゼロの方に駆け出した。
友「……」
アン「友……なに、そのカオ……敵のトップである私を倒したんだから、喜びなよ……」
友「……じゃあ、望が私を倒して、喜ぶ……?……優しすぎるんだよ」
アン「なんで?……理不尽に人の命を奪って、しかも最後は友人まで裏切った私の、どこが優しいの」
友「そんなこと、言わないで……私にとっては、望が……親友なんだよ……やだよ……」
アン「……友……ゴホッゴホッ……ヒュー……今まで、ありがと……幸せは、短かったけど……友と過ごした時間は……どれも幸せだった……空気みたいな、私に声をかけてくれて、ありがとう……」
友「……やだっ……やだぁっ」
アン「……私は、嫌われ者で、理不尽者で、悪者だから……最後は、親友の近くで人生を終わらせられるんだから……幸せ……ありがとう……友……ゴホッゴホッ……ゴホッ……」
赤いものが垂れる。
友「……なんで……幸せ、もっとあったでしょ……」
桜「友っ……そいつ、まだ生きてるよ!トドメ刺して!」
友「……え……」
アン「……最後は……友がいいなぁ……」
願いは山ほどあったけど
私の人生はこれで終わりを迎える。
桜「あー、もうっ……こいつは敵だよ、早くっ」
友「……なんで……?なんで、ボロボロになってまで争わなければいけないの……?」
桜「いーから、早くっ」
夜也「……望……ずっと、好きでした……こんな形になって残念……」
アン「……はぁ////!?!?ねえ、友……私の、この……汚い心を……君の……力で……無くして……」
友「……後悔しても知らないからね」
アン「……うん、友が……いい……私は……」
ザシュッ
アン「……こ……れで……お……わか……れ……だ……ね……さ……よ……な……ら……」
バイバイ、私の知らない自分。
これからは……でも、「これから」なんてないけど……
でも、大丈夫。
地獄でもいい。
どこにでも行ってしまえ
私は……友の事を忘れずに、行く……!
ごめんね、今まで殺した人達。
ありがとう、AJS。
大好きだよ、友……
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