表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
98/321

天然娘、歴史になる

「というわけなんでしゅ」


本陣まで戻ってきた僕ら一行の目の前に鎮座する卵2個。

僕が持ってるのは見ていていつ落とすかとハラハラするらしく、騎士達の心の安定の為、綺麗な籠に毛布を敷いてもらいそこに置いてみたのである。母バーンから離して大丈夫なのか?とリフィに聞けば、魔力譲渡によって一時的に僕が擬似親となっているので僕が触れる分には問題ないそうだ。

メディに状況を説明したらリオナ共々家に連れ帰る予定なので、リオナには自分の騎士であるサラへの説明を頼んだ。


…あの天然娘に説明を任せる。

ひどい誤解が生まれそうな気がするが、メルメルが側に居てくれるので大丈夫なはずだ


…それにしても5歳にして子持ち…すでに色々ひどい。


そうやって落ち着いたところでメディに竜舎での流れを軽く説明したら、頭を抱えられ…今ここみたいな。


えーっと…なんかごめん。


「…つまり、竜舎の方から魔力の乱れがあったので気になって行ってみたらリオナが卵を産んでいてその卵が死にかけていた…で合ってますか?」

「概ね!」


詳しい魔力譲渡などの事はもちろん省いた。


「ナナ様は…ワイバーンと意思疎通が取れるのですか?」


きたぁ!!!!

…さっきメルメルに確認しといてよかった!


もちろん『普通』の人はワイバーンの言葉なんてわからない…

本来は獣魔スキルを持つ人間だけが獣語を理解出来、主にお世話係の人たちはこのスキルを持っているらしい。

他には騎獣と騎士が意思疎通を取れるのは主従契約の効果だそうだ。なので騎士は契約していないワイバーンの言葉はわからないらしく…遠征先での愛竜に対しての全ては騎士の手に委ねられるそうだ。


以上、メルメルから仕入れた情報を精細した結果…


「うちに住む小型獣人が仲介してくれたでしゅよ」


うん、レン君に丸投げしてやった。

ポケットから刺激が感じられるがそんな事は知らん…断じて卵まるっと丸投げを恨んでたりはしない。


「!?」

「うち覗いてたなら知ってましゅ?白ネズミの可愛い子達」

「えぇ…お姿は何度か…そうですか彼らが…」


獣人なら獣語を話せてもおかしくないもんね。

ちなみに…リフィが補完してくれた情報で僕が獣語を理解出来るのはリフィを飲み込んだからで、喋れないのはそもそも人の声帯は獣語を話せる物ではないのだそうだ。


「…突然、ワイバーン達が竜舎に篭ったのもこれが原因だったのですね。そして…グラッズ・ゴロル・ピーナがドランドを迎えに行くと…」


ドランドというのがリオナの番の名らしい。

竜騎士団の1番隊隊長の愛竜だそうで、実力的には3番手らしく団長、副団長が留守にする今回の遠征では残って本部の指揮を任されているそうだ。


「その3頭が1番早いらしいでしゅ!卵の為には父バーンが必要なんでしゅ…メディ、お手紙を書いてもらえましゅか?」


突然3頭だけが帰っても街も混乱するだろうから、メディが事情を書いた物を持たせようとまだ出発はさせていない。


「大至急でしゅ!!」


「…しかし何と書けば…遠征先でワイバーンが出産など…前例がありません」


リオナ…君の天然やらかしは国の歴史に載りそうだよ。

ついったーやってます

@poko_taneda

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ