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竜騎士団 夜営組その3

それは突然の事だった。

竜舎前の事情を聞いてる間に、気付けばナナ様が側にいなかった。


…とんだ失態である。


「メディシア様…本陣のテントにはお戻りになられておりません」

「家の方に戻られた形跡もありません」


部下の報告は芳しくなく、頭を抱えたくなる。


…目を離したつもりは無かった、なのに霧のように消えてしまった子供。


「…なんて事だ」


ザークの事を笑えない。


「マンドレイクが側にいるとはいえ…何としてでも探し出して保護するんだ」

「「「「はっ!!!」」」」

「ロロには引き続きバラックの様子を落ち着かせるよう伝えろ」


ワイバーンが威嚇する竜舎に入る事はないだろうが…もしもの事があるので、入り口を塞ぐワイバーンの説得は続けて行わせる。


「……ナナ様」


ここは直前にジャイアントムカデに襲われた場所である。

2体倒したとはいえ、1体は逃げておりいつ戻ってくるかわからない今はそんな状況だ。

しかもそのジャイアントムカデを何者が倒したのかもわからない。

竜舎を動かしていない今、マンドレイクの結界も完璧じゃない。


つまり今ここは超危険地帯なのだ。


「自宅に戻られてるといいのだが…」


人海戦術は使えず、こんな時連れてきた団員の少なさが裏目に出てしまう。

この森での単独行動は命に関わるのだ…安易に隊員にさせるわけにもいかない。

しかも先程の戦闘で少なからず負傷者もいる、ワイバーンは現在戦力にならない


「…八方塞がりですね」


ナナ様を保護しに来たのに、その対象を見失うなんて…

部下にはさせれないが、自分は一人で森に入ってナナ様を探すつもりで、現場を指揮出来る部下を呼ぼうとした瞬間、竜舎からワイバーン達の雄叫びが聞こえてきた。

しかも一頭ではなく、ほぼ連れてきた全頭が同じ様に雄叫びを上げている


「なんだっ!!!魔物かっ!?」


慌てて竜舎入り口に向かうと、そこには先程まで入り口を塞いでいたバラックは居らず、続々とワイバーン達が竜舎から出てきている光景だった。


「これは…一体?」


しかも騎手も乗せず次々と飛び出していく。


「なっ!?」


慌てて自分の愛竜の姿を探していたメディの視線に映ったのは両脇に大きな卵を抱えたナナの姿だった


「あっ!メディしゃーーん!」


……いつも冷静沈着、必ず次手を考え行動する男、それがメディシア・ロン・バーデンローグ。

これはその彼が開いた口が塞がらず、言葉も出なかった人生で初めての出来事だった。

ついったーやってます

@poko_taneda

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