チュートリアルNO92、魔力譲渡
場が凍りつくってこういう事をいうんだなって…リアル体験
「いや…レン君僕さっきマンドレイクに全魔力注いだじゃないでしゅか!」
あぁ、そういえばそんなのもあったな的な顔を今しないでもらえます?
顔はネズミだからそんな表情変わってないしね!
『そうでした…では、どうすれば…』
まさかのここにきてのプラン一択だったのかぃ!!
ほらほら、ワイバーン達に絶望が広がっていってるじゃんか!
そんな時には「助けてAIのリフィさーん!」
返事がない。
…リフィさん?
やっぱり返事がない
すみません!!教えてください!!リフィさん!!
ーサッキ黙ットケト言ワレマシタノデー
おぅ…意外と根に持ってるタイプなのか?
ー根ニ持ツワケデハナク、命令ニ忠実ナダケデスー
…すごい怒ってますね。
ごめん!許して!!
そして卵と母体の救い方教えてください!
ー持ッテキテイル回復薬デ少シハナナ様ノ魔力モ回復スルノデ、ソレヲ飲ンデ、マズ瀕死ノ卵ヘ魔力譲渡シテクダサイー
あ、そういえば重傷者がいたら使おうと思って回復薬何本か持ってきてたね。
1本はさっきマンドレイクにあげたけど…
ところで魔力譲渡とかした事ないんだけど?
ー魔力譲渡ハチュートリアルNO92デス。開始シマスカ?ー
うぅ…生き物の命の前で嫌だなんて言えるわけがない…
ー魔力譲渡スル際ニハ相手ノ魔力波動ヲ体内ニ取リ込ミ、ソノ波動ノ形デ魔力ヲ増幅サセ相手ニ返シマスー
…つまり一度卵の魔力を受け取って、返せばいいの?
ータダ返スト拒絶反応ガ出テシマウノデ、一度弱ッテイナイ個体デノ練習ヲ推奨シマスー
すごい難しそうなやつじゃん。
ー理解デキレバ簡単デスー
理解できればね…
「はぁ…どなたかちょっとご協力いただけましぇんか?」
「…ナナ様?対策があるでしゅか?」
「いや、まぁ何とかなるかな?でもちょっとお手伝いをね…」
「聞いてみましゅ」
『誰か手伝える者はいるか?』
『私が受けよう!』
手を上げてくれたのはメルメルで、協力してくれるらしい
『それで何をすればいいのだ?』
「ナナ様?」
「ただそこにいて、って伝えて」
メルメルがレン君から説明を受けてる間に、回復薬を2本がぶ飲みする。
…うん、ちょっと魔力溜に魔力が戻った気がする
とにかくワイバーンがでかいし、怖いので…目を合わせる事はせず静かに側に近寄って翼の先に軽く触れる。
その途端、触れた手に広がる相手の魔力波動…メルメルの魔力を例えるなら…力強く鼓動を打ってる感じ。
うん…一つじゃわからんぞ…
「レン君ちょっと隣の個体にも触らせてもらえるか聞いて?」
…噛まれたりしたら嫌なんで勝手に触ったりしませんよ?
『大丈夫でしゅ』
「失礼します」
メルメルの横の個体にも触れてみる…こちらの魔力はまるで水面に何かが落ちたような波紋のような魔力だ。
人から見るとワイバーンの見比べなんてほぼ出来ないけど、こんなに魔力に違いがあるとは…
ー感ジマシタカ?ー
うん。面白いね。
ーデハ今度ハ取リ込ンデミマショウー
取り込む…のは波紋の方が取り込みやすそうだ。
今触れてる手先から波紋の波と自分の感覚を同調させる。静電気で弾かれたような感覚に思わずワイバーンの体から手を離してしまう。
「痛った…」
ーソノママデスト、体内ガ異物ト判定シテシマイマス。相手ヲ解析スル感覚デ取リ込ムノデスー
「解析…」
この世界の魔力はイメージ!!
なら心電図を想像すればいい、もう一度ワイバーンの体に触れ、相手の魔力波動を自分の中に受け取る。
そうか…相手の魔力を取り込もうとすると、勝手に自分の魔力と融合させようとして違和感がうまれてしまうんだ。
そうじゃなく、あくまで魔力が発している波形のみを受信する形で…イメージする。
で、自分の魔力をその波形に変化させて…触れた手の先から相手に渡す
『っ!?・・・・・こ、これは?』
相手のワイバーンが驚いてる感じなので、成功したのかな?
うん、何となくわかった…と思う
ついったーはじめました
@poko_taneda




