現実は優しくない・・・けど救いはある!
レン君の言葉っていうのは…やっぱり搾取されてきた種族だからこそ、子供を大切にしていて…そこから出た言葉なんだろうなぁって思う。だから死にかけてしまっている状態の卵が心配なんだろうし、その状況を顧みなかった母親に説教の一つでもしたくなるんだろう…
わかっている…わかっているが…よこで「ぐるるる」と他のワイバーン達が唸るのは精神的にあまりいい環境ではないですよ?
「レン君!お母さんの事は置いといて…早く卵を何とかしてあげましょう!」
「…ふん、わかったでしゅ」
で、どうするんですかね?
レン君の得意分野といえば魔物の血?と魔法陣?……レン君お手持ちの物は何もなさそうですけど?
『卵はどこ?』
『ここに…』
雌ワイバーンのリオナが自分の腹部から二つの卵を見せてくれた。大きさは僕が片手で抱えられるぐらいかな?
…それにしても瀕死らしく、魔力の波動は小さい。
ー竜種ノ卵ハ雄ト雌ガ交互二卵に魔力ヲ与エ育テマス。卵一ツガ殻ヲ割ッテ出ルマデニカカル魔力量ガ半端ナクテ一体デハトテモ補イキレナイノデスー
なるほどなるほど…リフィさん久しぶり
だからさっきレン君が番はどこだ的なっていう話になったのね
『すでにリオナさんは魔力量がジリ貧で、このままではあなたも死んじゃいましゅ』
『わかってます!!でも私以外に魔力供給出来ないんです!!』
ん?他のワイバーンがあげればいいだけの話じゃないの?
ーソレガ竜種ノ難シイ部分デ、単体デ強イ個体ニハ神ガ個別ニ魔力波形ヲ与エテイマス。ツマリコノ卵ハ既ニ個別魔力ヲ持ッテイルノデ、両親以外ノ魔力ハ受ケ入レ出来ナイノデスー
『自分でも限界だってわかってましゅよね?』
『でも・・・でも・・・じゃあ我が子を見殺しにしろっていうんですか?』
『それがベストな選択の時もあるでしょうが・・・』
レン君の言葉を聞いた途端リオナさんが「わぁぁぁぁ」と泣き崩れてしまった
『早とちりしないでくだしゃい。そういう選択肢も存在するというだけでしゅ』
『…え?』
自分の肩でドヤってるネズミがいる…さすが!
『ここにいるナナ様なら卵を助けられましゅよ!』
何ですとぉぉぉーーーーー!?




