やるねマンドレイク!
「・・・・やっとついたでしゅ」
家からでいうとまるきり反対方向に竜舎が作られていた。
メディさんから聞くところによると、最初に僕と毛むくじゃらが会った時に僕が怯えているように見えたらしくて、まぁ実際ビビったし…家の側に寄せるのはよろしく無いだろうという配慮からの位置だったらしいけど…
いかんせん遠い…。
竜舎を家側に移してくれるというので、今後は間近でワイバーンとはいえ竜が見れるようになる。
仲良くなれるまではビビるだろうけど…竜!ってだけでテンションあがるよね!
ーナナ様ー
うん、側までくるとさすがに僕でもわかるわ。
確実に死にかけてる竜が竜舎の中に居る…他の竜の魔力の波の中に今にも消えてしまいそうな魔力がある
さっき本陣でメディと話した結果、巨大物の運搬に大いに興味があった僕に竜舎の移動を今から見学させてくれることになった。
その為騎士達にワイバーンを外へ出す指示伝令を先に伝えたところ、騎士達がみな竜舎に集まる形になったのだ
ついでと言っちゃなんだが、騎士を1箇所に集めたそのタイミングで、マンドレイク達を騎士達の目につかないように所定位置に配置させる段取りにもなっている。
ただ、雲行きがよろしくない。
どうやらワイバーン達が気が立っていて騎士達がうまく自分の竜に近づけない状態らしく、竜舎の入り口で騎士が右往左往する事態が起きているらしい。
「これは一体…」
まぁ群れの生き物なら当たり前の状況だわな。
なんせ仲間が死にかけてるん状態なんだから、気が立ってもしょうがないよね。
扉前の騎士がこちらに気付き駆け寄ってくる。
「…メディシア様」
「これは何事ですか?」
「それが・・・ロロの竜がこちらに威嚇行動を起こしていて…全員中に入れない状況です」
「ロロのですか?」
個人のお名前はよくわからないけど、多分そいつが中の瀕死の竜を守ってるんだろうなぁ
何だか騎士とメディが難しい話を初めてしまったので、見学とかいう雰囲気も無くなってしまった。
「…原因見てみましゅか。マンドレイク、幻視スキル使えましゅか?」
『キエー!』
うん、わからないけどオッケーって事でしょ。
ほんとに効いているかわからないのでゆっくりとメディから離れてみる。
…気付く様子は無い。
竜舎手前が結界の最後の部分なので連れてきていたマンドレイクが追加でいい仕事をしてくれたので、お礼にマンドレイクが大好きな回復薬を頭部分にかけてやる。
『キエー♪』
喜んでもらえて何より。
さぁ!じゃあ中に突入してみよう!




