怪獣大戦争、勃発
いやさ…ジャイアントムカデって言われてもさ…地球のムカデを想像したらさ…大きくても人サイズが限界というか…そう思うじゃん。人サイズでも充分恐ろしいのに…
「なんじゃ…こりゃ…」
目の前で繰り広げられる戦闘は想像してたものとは全く違っていて…
「いや…これ怪獣戦争やん…」
目測10Mはあるムカデ3匹に対してワイバーンに騎乗した騎士が戦っている。
今目の前で起こってる事のはずなのに、結界内には被害がないのでまるで映画の様に感じる
というか…現実だと理解してしまったら、多分恐怖で何も出来ない。
「…これは5歳に出来る事なんてあるんでしゅか?」
ヒドラのようなジャイアントムカデ達に対して、騎士達は善戦してるように見えるけど、果たしてこのまま相手を倒せそうかといえばそんな感じはしない。それどころか多分騎士達の方が疲労度の蓄積は多く、一気に総崩れになりそうな予感を感じさせる動きがさっきからちらほらと出てきている
結界内から魔法で補助しようにもマンドレイクに全部持ってかれてまだガス欠中なのだ。
「詰んだ…」
例えばそこに置いてある鍬をもって結界の外に出たとしよう…
…瞬殺される未来しか見えん
他にあるとすれば…家の中の朱果を連れてきて何とかする
…手の平スライム管理妖精になんとか出来るとは思えない
「…大根の爆散なんてしてる場合じゃなかったのに」
どうしよう、どうしようと悩んでる間に、ジャイアントムカデの尾でワイバーンが弾き飛ばされた
「あぁっ!!!!」
助けなきゃと思っても…焦ってばかりで頭が真っ白になる。
ー竜騎士団ヲ助ケマスカ?ー
「当たり前でしゅ!!」
例え怪しい人たちでも目の前で命を失うとか…トラウマになるわっ!!
ー今ノナナ様デハ絶対ニジャイアントムカデニ勝テマセンー
そんな改めて言われなくてもわかってるよっ!!
でも何もしないでここで見てるだけなんて出来ないよっ!!
ーソコデ、現在ナナ様ガキープシテイル状態ノ経験値ヲ使イマスー
……いや、それやったら人間やめちゃうやつじゃん。
ー全部使ウ訳デハアリマセン。一部ダケ自分ノステータスニ振分ルノデスー
「いや…それは…あの…」
「ぐわぁぁぁぁ!!」
あぁ…1番ムカデ近くで戦ってた毛むくじゃらがムカデの口に!!
「わかったでしゅよ!!!どうすればいいんでしゅか!?」
ーデハナナ様保有ノ経験値ノ一部ヲ力ステータスヘト加算シマスー
「リフィ用意周到すぎましゅね!!」
ーAIデスノデ、イツモ最善ヲ選択致シマスー
「ふぁっ!!!!」
ドクンと心臓の大きな鼓動が体内に響き渡る
「あわわ…」
わかる。わかってしまう。
今自分が使える力が…
ーソウデスネ、石礫ヲスルニハ命中モ必要デスネ。経験値、ステータス命中ヘ変換シマスー
「ふぁっ!?」
今度は目の瞳孔がレンズのピントの様に動いてるのを感じる
ーフム。他ニモ色々ト出来ソウデスガヒトマズハコレデ…ー
さらっと恐ろしい事言うなっ!!
ーナナ様、反撃シテミマスカ?ー
反撃も何も自分は一切被害受けてませんが!?




