芸術は爆発だ
「…おかしいでしゅ」
結界魔法をマンドレイクに施すのは理解した。
まぁ彼らなら歩いて移動も出来るし、移動式結界の制作と思えば…ありがたい
で、何がおかしいのかというと…やっぱり初めてする事をいきなり生体にするのはよろしくないよ。と言うことでさっきからマンドレイクに似た大根で試作をしてるんだけど…なぜか発動してくれない。
書斎にあった父さん作の魔法陣辞典に載ってた結界魔法陣をそのまま大根に写してるつもりなんだけど…
「やっぱり…クレヨンじゃ無理がありましゅね…」
わかってる…クレヨンはないわーってのはよくわかってる
でも聞いてほしい…父さんが魔法陣辞典に陣を描く媒体として記載してた物は「魔力液」や「魔物の体液」、あろう事か「術者の血液」とか書いてあったのだ…いや、無理無理。
最悪魔力水や血は用意出来るかもしれないけど、今度はそれをつける「魔力筆」や「魔力ガラスペン」がないのだ。
なら練習だし、クレヨンでもよかろうと…試し書きしてみたわけだが、やっぱどんなに削っても細かいところが描けない。
しかも反応しなかったっていうのは結界の話で、なんとびっくりこいつ爆発するやつがいるのである...全部じゃない。
大根だったおかげで、おろし状の物が体に付着するだけ済んでるけど…硬いものだったら何度か確実に死んでる。
ちなみに僕は動いてないけれど...マンドレイクとの距離が徐々に離れていってるのは気のせいじゃないと思う




