どなた?
…前世の話になっちゃうけどさ、普通ワニと目が合うだけでも「あ、死んだ」ってなるじゃん…
バスケットボールぐらいの瞳孔縦長の目と視線あった事ある?
視線あっただけで心臓発作起きてもおかしくないレベルよ…まじで
うん…敵意はなさそうだ…敵意はないけど普通に怖い。きっと自分ぐらいなら丸呑みされる
「グルル…」
鼻先で柵付近を突っついてるんだけど…見えない壁があるのかこっちにくる事はなさそうだ…
父さんの結界ありがとう!!
「おー!坊主!!久しぶりだな!」
一瞬目の前の恐竜みたいなのが喋ったのかと思ったけど…
どうやら背中に人が乗っているようで、そこから声が聞こえてきてるようだ
逆光と恐竜の高さで全く見えないけど…
「……誰?」
ここで生まれて早5年。その間にお客様が来た記憶などない
つまり「久しぶり」とか…怪しすぎる
こっちの警戒を気にしてないのか恐竜に乗った人物は普通に話しかけてくる
「いやー5年ぶりか?この森もなつかしぃなぁ…ってこの辺りの様変わりはすげぇけどな…」
「聖獣まじぱねぇじゃん」とかって軽く話してくるこの男は一体なんなんだろう?
ようやく逆光に目が慣れてきたのか恐竜の上の人間の姿が見えてきた
どうみてもその姿は…
「毛むくじゃら…じじい」
いや…だって顔面ほぼ髭で覆われてる姿ではほぼ年齢不詳というかじじぃしか見えん
「誰がじじぃじゃ!こらぁ!」
いつの間にか恐竜からおりて柵の向こう側に立ってるじじぃ
「どっからどうみても…怪しすぎる」




