寂しさの行方
きゅるるぐるる…
控えめに自分のお腹が訴えてくる…
そうだよな…ずっとお腹が空いたってお前は言ってたよな
「…とにかく何か食べる物を…」
『食べる 何 ナナ様 スキ』
跳ねていた朱果が足元に来て喋り出した
ー食料ヲ提供シテクレルヨウデスー
「え?」
ーストックルームハ既ニ管理精霊ノ管理下デシタノデ、ココニ置イテアル物ハ全テ把握シテイマスー
この大量な物から食品だけを探すのとか大変だと思っていたけど…そんな便利なスキルを朱果が持っているとは…
「朱果。すぐに食べれるものがあるでしゅか?」
朱果はこちらの要求を聞いたとたん『人 食べ物 即席』と呟きながら部屋の中にユラユラと向かっていった
驚いた事に天井にいた精霊達も朱果と共にユラユラと移動を始めた
ードウヤラ天井ニイタ精霊達ハ朱果ノ分離体ノヨウデスネー
「…分離体?」
ー同一ノ意思ヲ共有スルモノ達ナノデ…ー
「は?」
ーツマリ皆朱果デスー
いやいやいや…?
ー人間デイウ子供ミタイナモノデスネー
「ぎゃっ!」
まさかの朱果、子持ちだった!!
ー配偶者ハイマセンガー
シングル!!
ー精霊ハ意思ニヨッテ生マレマス。ココハリクト様ノ魔法ニヨリ隔離サレテイマスノデ、コノ空間デ生マレタ朱果ハ、仲間ガ欲シカッタノカモシレマセンネー
…ちょっとしんみりしちゃう話じゃんか。
これからは寂しい思いはさせたくないなぁって思うよね。
ーデスノデ必然トシテアノ天井ニイタ個体モ、ナナ様ノ契約対象トナリマスネー
「ぎゃーー!!」
一気に大家族!!




