昔から押しには弱いんです
『スキ、スキ、スキ』
今大胆な告白を受けている
もちろんリフィじゃない…いや、今までの流れからして相手は決まってるんだが…
目の前で二つの目を持つ赤いスライムが僕に告白しながら手の中で揺れている。
…どんな試練なんだ?
『スキ、スキ、スキ』
ー精霊ガコンナニ好意ヲ示スノハ珍シイデスネー
冷静な分析をありがとう…
ー先程ノ水ノ精霊モ水ヲ回復薬ニ変エテシマウ程ニナナ様ノ事ヲ気ニ入ッタヨウデスシ、ナナ様ハ精霊ニ好カレヤスイ体質ナノカモシレマセンネー
全部スライムですが…
『スキ、スキ、スキ』
ど、どうしたらいいんだ?
『スキ、一緒、スキ』
おいおい…何か単語が増えたと思ったらヤバめな単語が増えてるじゃないか…
「あ、ありがとう?」
『スキーーーーーーー!!』
え!?
なんか精霊スライム発光し始めましたけど!?
なんかやばくないですか!?
ー契約サレマシタネー
「はいぃぃぃ!?」
ー精霊ガ契約ヲ持チ掛ケ、ナナ様ガ受諾シマシター
「してませんけどっっ!?」
ー精霊ガ『スキ』契約シテクダサイト言イ、ナナ様ガ「ありがとう」了承シマスト…ー
「とんだスキだな!?」
ほぼ詐欺!?
ー良クアルコトデスー
「良くあるの!?」
ー精霊ハ貪欲デスノデ、押シカケ契約ハ良クアルコトデスー
精霊の貪欲って何なんですか!?
ー側ニイルト何カト便利デスシ、イイノデハ?ー
リフィと会話してる間に赤いスライムの発光が止まった…
『スキ、スキ、ありがとう』
ーモシドウシテモ嫌ナラ契約ヲ破棄モ出来マスガ?ー
赤いスライムが目の前で嬉しそうに跳ねているのを見ると…無かった事に…など言えるはずもなく…
「………扶養家族が増えたでしゅ」
5歳児にして扶養家族が1名+1精霊……やっぱりこの人生ハードモードすぎませんか?




