出来ることからコツコツと
母さんはそのグレンドリアにいるってわかったけど、父さんは聖獣とどこいっちゃったのさ
ー聖獣ノ力ニハ聖獣ノ力デ抑エルシカアリマセン。デスノデリクト様ハコノ世界ニ8体居ルトイウイズレカノ聖獣ノ元ヘ【聖獣ペリアドリス】ヲ連レテ向カッタト思ワレマスー
特定は難しいの?
ー肯定。カナリ離レタ場所ナノカ、リクト様ノ魔力ノ波動ニ接続出来マセンー
うーん、両親の話を聞くと、父も母も自分が気軽に迎えにいけないところにいるってっ事か…
なら自分がやるべき事は一つで、この家の維持とラナの事を守るのが僕の役目だ
…いや、本来ならそれも5歳児には無理なんだろうけどさ
今は僕にも35歳の記憶があるし、リフィという頼もしい仲間もいてくれる恵まれた状況なので
少なくともレン君達スーパーマウスや、精霊様など同居してる子達のお世話をしっかりする。
それに…家に居ててもやる事いっぱいあるし
なんせチュートリアルが300以上ある
両親が帰ってくるのが先か…
僕のチュートリアルが終わるのが先か…
…もしかしたら妹が目覚めるのが1番早いかもしれない。
リフィ、もし父さんとまた繋がるタイミングがあったら、大丈夫だからって伝えてよ
ー肯定。私ガ起動シタ事ハリクト様ニ伝ワッテイルト思イマスノデ、ヒトマズ安心サレテイルト思イマスー
『…ナ様、ナナ様!!』
リフィとの会話に意識をとられていたために、レン君の事をすっかり忘れてた
「あ、レン君ごめん…何?」
『作業とっくに終わったでしゅよ』
レン君が言う通り、倒木のあった場所はすっかり綺麗になって、倒木であっただろう木材は綺麗に井戸の横へ積み上げられてる。
「おぉ…仕事早いでしゅね」
そこで手に持ってたマンドレイクの存在を思い出した
「あ、これもし良かったらどうじょ」
『わぁ!マンドレイクでしゅか!』
レン君が肩の上で飛び跳ねているので、手土産のチョイスは間違えて無かったのだろう
『解体で必要部位はどこでしゅか?』
…しまった、仕事だと思われてる
「レン君達が必要な部分を取ってもらって後は4槽に放り込んでもらえるでしゅか?あのスライム達もお腹すいちゃってるみたいなんで」
『いいんでしゅか?』
「僕はマンドレイクの部位とか貰っても使えないでしゅので」
有効的に使っちゃってください
「あ、まだ表の畑に収穫したマンドレイクがいるんで、誰かに取りに行ってもらう事って出来ましゅか?」
『みんな喜んでいくでしゅよ。伝えてきましゅ』
レン君はスルスルと肩から下りて、木を積み上げてるマウス達のところへ走っていった
わぁーっと歓声が起きてるので、みんなに喜んでもらったみたいだ
すごいスピードでマンドレイクに向かうマウス達の後ろ姿がやっぱりかわいかったのは定石である




