鉄壁な家
開かなくなった扉というのが気になったので、肩に乗ったネズミ君、名前を聞いたら『レンドール•ディケイド・グランディアス』とかって超かっこいい名前だったので…レン君と呼ぶことにした
くっ…名前が負けたなんて思ってない。
「この柵のとこにあるんでしゅよね?」
『はい。そのまま柵から出て、薬草なんかを取りにいけるようになってたんでしゅ』
小屋の裏手にまわってみて原因がすぐわかる。
柵の向こう側焼け野原になっているのだけど、結構なサイズの倒木が柵の内側に飛んできたようで小屋の裏に横たわっていた。
小型獣人達の入り口は30cmほどしかない扉らしく完璧に倒木に塞がれてしまっていて、倒木が小屋と柵の間にぴったりはまっているこの状況では内側から開けることは絶対無理だろう
「あぁー、これはちょっとひどいでしゅね」
『なりゅほど…でも原因がわかれば大丈夫でしゅ』
レン君は肩から飛び降りると家の入り口の方に走っていった
「?」
…何か対応出来る術があるのかもしれないな
裏手に取り残された自分は少し手持ち無沙汰になってしまったので、恐怖心はまだあるけど柵の向こう側を観察する
やっぱり見える範囲は焼け野原になっており、何も無くなっている
不思議なのは倒木が柵に入り込んだ部分だけが無事で、柵の外に出ている部分は焼けてしまっている
「この柵部分で結界みたいな物が張られているんでしゅかね…」
すごそうな結界であることは確かなので…ひとまずこの家の中にいると安全っぽい
「あーこれかぁ」「こりゃしゃーねーなー」など声が聞こえてきたと思ったらレン君サイズのネズミがわらわらとこちらに向かってきた
…なにこれカワイイ。




