労力にはきちんと対価を
事の経緯をご神木シスターズに説明させたところ、どうやらご神木達が町での亀達の活躍に嫉妬し、何か自分達にも出来ないかと模索していたところに亀達が帰宅。ドヤ顔で帰ってきた亀達にご神木の嫉妬が頂点に達し、亀達が持ち帰った卵に最高の育成環境を整えた結果……あの温泉が爆誕したらしい……
…いやいや、亀達火山も寄ってるし卵持ち帰ったのってつい最近だよね?
動けないご神木は力を配下の精霊達に思いっきり注ぎ、ご神木シスターズが現場監督となって眷属達があらぬスピードで動いたところ
『ほぼ一日で作業は完了しました』
最初は火属性の力だけを地下から引き出す環境だったのだが、火の精霊だけに手柄を持っていかれた他の精霊達が、我も手柄を!と躍起になった結果…
火の精霊が地下より火属性の汲み上げ行い、水の精霊がその火属性を使い地下水脈をお湯へと変え、地の精霊が湧き出た温泉がきちんと地上でめぐるように湯舟を形成した。風の精霊は火や水の気質がその場に留まらぬよう地上に心地よい風をもたらす。
リフィさん曰く、複合気質が停滞するとその場がダンジョン化するらしく。それを防ぐための風の精霊の策らしい。
そしてそんな4大精霊が丹精込めて作ったインフェルノドラゴンの卵台。
人間の僕でも感じるほどのカオス地域…、明らかに自然環境としてこの場は整い過ぎているのだ。
ただ……いつもの自己中的な暴走とは違って今回は僕を助ける為に動いてくれた結果なので……怒るに怒れない。
「はぁ、次からはこういう何かを作る時には必ず僕にいったん聞いてね」
『『はい!!!』』
…そして働きに対しては、きちんと見返りを渡さなければならない。
手の平に魔力を集中し、小石をたくさん作りだすイメージで魔石を作り出す。
手から溢れそうなほど小指の爪サイズの魔石が出来た。
「これは…働いてくれた精霊達にあげて」
『『ありがとうございます!!』』
僕から魔石を受け取ったご神木シスターズはその魔石をそれぞれの属性に均等にわけ、各々精霊達が過ごしている場所へと持って行った。過ごしやすい空間というのがそれぞれの属性にあるらしい。
ご神木とご神木シスターズには少し大きめの魔石を用意する。
僕は決してブラック企業ではないのだ。




