森は生きている
ロックスウェル家を後にした後、外周の町まで送ってもらいそこでカレニアやメリンダに別れを告げ、そこからスケーターに乗って魔物の森に向かった。ラナは起きてから色々活動して疲れたのかまた背中で寝ている。
ラナを背負っているのもあり、そこまでスピードを出さず元の世界のバイク程度の速度で走っていたら、何度か魔物らしき物を見かけたのだが、魔物と認識する前に視界から居なくなった…。
スケーターの前に子亀が陣取り敵を見かけるたびに口からレーザーの様な物を発するのだ…。
っていうかロックスウェル家に居たとき側にいなかったよね?どこ行ってたの??という質問には漠然と地下水路で遊んでいたと……主が移動する気配を見せたので街はずれで合流したらしい……
え?もしかして僕が地下水路に入った時に子亀落としてたの?!全然気づかなかったんだけど…ごめんねと謝ったら、自分から飛び込んで遊んでたらしいので………怒っておいた。
「…これがRPGゲームなら子亀……あっという間にレベル上がっていきそうだね」
風が気持ちいいのか子亀のしっぽが揺れてる…亀も機嫌がよければしっぽがゆれるのか?
謎である…
「子亀も…そろそろ名前つけないとねぇ」
家までまだしばらくかかるのでその間に亀の名前を考えてもいいかもしれない。
わかってる…この世界で名づけは重要な意味を成していて……名付けて何が起こるかわからないので、自分がどうなっても大丈夫なように家に帰ってから名づけは行う。
スケーターだとあっという間に魔物の森の手前までついた。スケーターの高度をあげ、森を突っ切るのではなく、森の上空を飛んで家に帰る事にする。魔物との遭遇を減らす効果と家まで直線で帰宅できるので時間短縮になる。
ぐんと上がる高度にちょっと胃に浮遊感を感じるが、それよりも眼下に広がる魔物の森の景色に圧倒される。行きはマーチンJrの背中に乗っていたのと、初めて町に行く緊張で景色を楽しむ余裕などなかったのだが、改めて森を上空から見ると壮大で、そこには生態系があって森が生きていた。
…もしインフェルノドラゴンに焼かれてたら……この景色は見られなかったんだよなぁ…
卵の呪いを解除してる時にはそんな事考えもしなかったけど、落ち着いて今考えるときちんと呪いを解除出来て良かったと思う。
「ねぇリフィ、こんな綺麗な森が魔物の巣だなんて信じられないよね」
ーソウデスネ。普通ノ冒険者ガコノ辺リマデ入ッテクルト五体満足デハ帰レナイ場所デスケドネー
……さらりとめっちゃ怖い事言うじゃん。




