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争奪戦を勝ち抜いた強者

 まだラナも用意してもらった食堂には入ってないらしく、まずラナを迎えにいってから二人で食堂に向かう事にした。


「何から何までしゅみません」

「いいえ、こちらがお礼を言いたいぐらいです。久しぶりの小さなお客様なので館の皆がはりきりすぎて」


笑いながら話してくれるメイドさんがほんとに楽しそうでほっとした。


「目が覚めてお世話する係を勝ち取るのにみんな必死で…」


ん?お世話する係?


「ナナ様もラナ様も激戦だったんですが、わたしはナナ様一筋で勝ち取りました」


え?何が行われたの?

しかもこのメイドさんが僕一筋って…何?


「命を懸けてお世話させて頂きますので」


いやいや…そこは心を込めてでしょうが!!

命とか重すぎるわ!!


「あのぉ…お?」

「あ、こちらのお部屋です」


深く追求する前にラナのいる部屋についてしまった…何が行われたのかすごく気になるんですが…

メイドさんが部屋の扉を開けてくれると、そこはまるで昨日のロックスウェル商会のおもちゃ売り場を再現したような部屋になっていた……


明らかに昨日お土産といって見せられた量よりおもちゃが多い…


「これは…」

「にーちゃ!!!」


部屋の真ん中にいたラナがこちらに気付き満面の笑みで迎えてくれた。ラナはメリンダが手配してくれた朱色の衣装を着ていた。遠目にはフリフリのドレスに見えたのだが、近づくとレースの装飾がスカートに見える仕様だっただけで、動きやすいような柔らかなズボンを履いていた。


「ラナ、可愛くしてもらったでしゅね」


まだ少ない髪も複雑に編み込まれて可愛い朱色のリボンをつけられている、ラナの可愛さが引き立っている。さすがメイドさん…プロだ。

ラナの側に立つメイドがやってくれたのだろう。


「ありがとうごじゃいましゅ」

「いえ、気に入って頂けて嬉しいです」


……この人がラナの身支度争奪戦を勝ち抜いた人なんだろうか?

何が行われたのか気になって仕方ない…


「ラナ、一緒にご飯食べてくれる?」

「にーちゃご飯?ラナも!ラナも!」


両手を差し出して抱っこを望む姿は我が妹ながら究極に可愛い。

そのままラナを抱き上げたら…視線を感じてそちらを見ると、メイド達が片手で口元を抑えながら、もう片方でサムズアップしてる。




…僕らの身支度争奪戦を勝ち抜いたご褒美になったのだろうか。




謎である。

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