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指輪とお嬢様

厳密に言うと…ヴィア様の指輪かどうかはわからない…

ただ……この石の部分から微かにドゥルガスト神の神聖力を感じるんだよなぁ…


なんで神様の神聖力がわかるかって?

腕につけてる変身魔導具と同じ力なわけよ…


「これ…いくらでしゅか?」


…多分回収しておいた方がいいだろう。


「あぁ…それか……10000ドランだ」


…神様のアイテムが1万円……微妙な金額だ


「メリンダしゃん、これ欲しいんでしゅ…お金立て替えておいて貰えましゅか?」

「もちろん大丈夫よ!何ならこの店ごと買っちゃう?」


…金銭感覚がぶっ飛んだお嬢様の発言って怖い。

他にも手当たり次第宝石や魔石を買おうとするメリンダを必死に抑えて、何とか指輪のお金だけ支払ってもらった。メリンダが自分用と言って魔石をほぼ買いつくしていたのは見ないふりする。


「またご利用ください!!」


店主の明るい声で送りだされる。

そりゃほぼ台に乗ってた魔石をほぼ言い値で買う上客、しかもこの町の有力者が買ったなんて…あの店主の今日の晩酌はとてもおいしい物になるだろう。


ただ僕は…1件でこんなに大変なら…他の露店で何か買おうなんて思わない。


指輪を買った露天商からちょっと離れたところでメリンダが話しかけてくる。


「…ほんとにその指輪だけで良かったの?あの店、露天商にしては良質な魔石を取り扱ってたわ」

「……そうでしゅね」


…魔石なんて自分で作れるからお金を出して買おうという考えが浮かばない。


「それよりメリンダしゃん……神の神聖力が宿ったアイテムが流通する事なんてあるんでしゅか?」

「…え?どういう事?」


…この指輪から神聖力が感じられるって事はまだ言わない方がいいだろう。


「首都の教会に行ったらそんなアイテム売ってるのかなぁって思って」

「神様の神聖力が宿ったアイテムなんて……国の宝物庫にも数えるほどしかないわよ…どれも国宝級のアイテムだわ」

「ほんのちょびっとしか神聖力が無くてもでしゅか?」

「例え魔導具として使用できないほど少しでも…それが神の力だと証明されればその価値は図りしれないわ……」


……自分の左手の魔導具が精神的に重みを増した。

この魔導鞄の中に一体どれほどの価値が眠ってるのか……考えただけで恐ろしくなる。


「…そういう神様関連のアイテムって…じゃあどうやって手に入れるんでしゅか?」

「そうね……ダンジョンから発掘される事があったり……あとは教会関係で神託と一緒に賜ったりしたものかしら?」


うん……ある意味左手の魔導具は『神託』と一緒に授かったものだ……



…じゃあこの指輪の出どころはいったいどこなのか?

しかもそれがこんな市場に出回ってる理由ってなんだ?

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