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大きなミスと自分の甘さ

ちょっと今回は暗いです。苦手な方は飛ばしても大丈夫です!

 結局のところ、ロックスウェル家の爆発物はそんな大問題になるわけでもなく解決し、他の箇所の爆発物も地下水路で次々と見つかっていった……単純な犯人で良かったというべきか……


「最後の爆発物の処理も済んだようよ」


カレニアさんがふぅと息を吐きながらソファの背もたれに背中を預ける。

一気に部屋に張り詰めていた緊張感が解かれ、各々がリラックスな状態になっている。


…くつろいでる所申し訳ないんだけど、きっと今から経緯を説明したら爆発物なんか目じゃないぐらいこの部屋に緊張感が走る事は間違いない。


「ナナ君も、インフェルノドラゴンの件と今回の件お疲れ様!大活躍ね!」


終わった感が満載である。

うわぁ…話ずらいなぁ…


「あの…でしゅね…」


5歳児が口で説明しても信憑性皆無だし……とりあえず犯人見てもらった方が話が早いな


「地下に今回の犯人を捕まえてるので、行くでしゅ」

「あぁ、そういえばメリンダも言ってたな」

「ナナ君、あの触手巻き……そのまま?」

「ぐるぐるで何もできないのでそのままでしゅ」


じゃあ、確認しに行こうかというギルドマスターのドルフの一声で部屋の中の住人が地下に移動する。


この時…僕は自分の甘さを目の当たりにするのである……




目の前の触手巻き…一見先ほどと変わった様子はない……だが


「……死んでるね」


やってしまった………自殺する可能性なんて少し考えればわかったはずなのに……

バーグロンゲが一番近くの触手巻きの口の中を覗き込む


「こりゃ奥歯に毒薬仕込んでやがったな…」


あぁ…僕がきちんと口枷をしておけば…


「…………ごめんなしゃい」

「ナナ君のせいじゃないわ!!」


メリンダが抱きしめてくれる。


バーグロンゲとドルフが11体を一人ずつ確認していく

僕の頭の中で、ああしておけば、こうしておけばという後悔が押し寄せてくる


「…全員だな」


これは僕のミスだ。


「ナナ、この触手外せるか?」


バーグロンゲに言われて、11体の触手巻きに解除のお札を貼っていく。

力なく横たわる黒マント集団、その1体1体に「ごめんなしゃい」と声をかける

横では黒マント集団を検分してるバーグロンゲとドルフが息を飲む音がした。


「これは……セントヴィアージュ教会の紋章じゃないか……」

「ちっ……やっかいな事になってんな……」


僕が名前がわからない男が、リーダーだった男の顔を覗き込む


「こいつは少し前に首都から派遣されてきた司祭だ…」


紋章のマントをこんなに堂々と着ているので、セントヴィアージュ教会へ罪を擦り付ける魂胆なのかと思ったが、やはりこいつらの思考は単純すぎたらしい……


「教会関係者となると無下にも出来ん…ひとまず地下の演習場に運び入れてから保存魔法をかけて安置しておこう」


さっきとは打って変わって重い雰囲気で部屋に戻るのだった

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