ピンチは部下の優秀さがあらわれる
自分の予想通りだとしたら最悪だ
…何よりも守らなくちゃいけない存在のラナが危険な目に合うなんて…
ーナナ様、ヒトマズ朱果へ連絡ヲー
あぁ…そうか、朱果に逃げるように伝えれば…
ー大丈夫デス。今ハ朱果ノ管理精霊トシテノ能力下二ロックスウェル家モアリマス。ラナ様ヲ危険二晒スヨウナミスハシナイハズデス。ー
…無事であれば何でもいい。
【朱果!聞こえる?】
【…主?無事戻った?】
あれ?いつの間に朱果喋れるように…?
【ラナ様目覚めない…暇だから勉強してた】
【が、頑張ったね……】
いやいや…一日学習しただけで、すげぇぺらぺらと会話できるようになってるじゃん…
朱果の伸びしろが恐ろしい…あ、そんな場合じゃなくて
【朱果、ちょっと今トラブルが起きてるんだ。よく聞いて、今朱果とラナが居るロックスウェル家のどこかに爆発物が仕掛けられてる可能性があるんだ】
【…爆発物?あぁ…それ地下にあったよ】
【見つけたのっ?!】
【うん】
やっぱり!!
慌ててここからロックスウェル家までどうやって戻ったら最短で着くかを考える。
時間は間に合うはずだから…メリンダさんか誰かを連れて戻ったら話も早いだろう。
「カレニアしゃん…やっぱり最後の一個はロックスウェル家の地下にあるみたいでしゅ」
「…っ!!」
【主、ラナ様の危険は対処するように朱果言われた】
【うん、そうだよ。だからもし僕が間に合わないようならラナを連れてそこを離れて】
【もう爆発物ない】
ん?もうない?なんで??
【分離体、食べた】
はいぃぃぃぃぃ???
【ラナ様触ったら危ない物…処理する】
いやいや…処理するにしても…食べたって……
【管理精霊になってから、何でも分解出来るようになった】
【大丈夫?お腹痛くなったりしてない?】
【大丈夫!もう同じの作れるようになった!!】
…わぉ、食べるイコールコピー機能だとは……
しかも
【…また分離体作ったの?】
…分離体を作りだし過ぎて…本体が消滅とかないのだろうか?
【この分離体は核持たない…からすぐ戻る】
…仕事が出来過ぎる部下しか居ないと上司は立つ瀬がないのである。
「あ、カレニアさん…解決したみたいです」
「え?何が…」
「うちの朱果が『安全』に処理したみたいです」
…食べたとは言えない。




