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怪しい集団見つけました

 町の中も人は疎らで通りでスケーターを使ってても特に問題はない。

 一応マントを被って認識阻害をかけてるけど、残ってる人たちも避難する途中なのかこちらを気にする様子もない。

 もう安全だとわかっている僕だけがのんびりとした気持ちでいるのだが…ちょっと申し訳ない。


「…?」


 その時、なんとなく視界に入ってきた集団があった。

 全身黒ずくめのマントを着ているが、背中に見覚えのある紋章……


「うーわー……見たくなかったでしゅ」


…認識阻害マントによって向こうがこちらに気付くことはない、このまま無視しても……


「いいわけ無いでしゅね……」


どうみても背中に見えるのはセントヴィアージュ教会の紋章で、避難指示が出てる街中でマントを頭まで被って集団で動き回っているなど…怪しさしかない


「短かった平和が終わった……でしゅ」


ひとまずギルドに行くのは保留で…スケーターを降りて魔導鞄の中にしまう。

集団は何かを話しながら、明らかに人の気配がしない横道に入っていく。


「…避難場所、なわけないでしゅねぇ~」


まず彼らが何を企んでいるか突き止めなくてはならない。

…動いているのがこの集団だけとは限らないしね。


ばれない距離で黒マント集団の後ろをついていく。

しかし5歳の足では何度か角を曲がられるたびに見失いそうになって…


「早速役に立つ時がきたでしゅよ…」


歩きながら腕時計を操作し、周りに人がいない瞬間を狙って10歳年齢を加算する。

視界が突然高くなった事で無事に大きくなれた事を確認できた。

服がきつくなったりしないか不安だったが、ロックスウェル家で貰った服はどの服も自動サイズ調整機能がついていたようで15歳の自分の体にもぴったりだった。


「さぁて…これで何かあっても対処できるぞ」


黒マント集団は町の端まで裏路地を使って向かい、そこにあった地面の蓋を外し、次々と穴の中に入っていく。


「リフィ、あの穴は何?」

ー地下水路ノ入口ダト思ワレマスー


悪事を企んでる可能性しかなくなっていく…地下水路に人命救助とかありえないよなぁ


「リフィ、門までの距離は?」

ー10分ー

「往復20分か...悪さを完了するには充分な時間だな」

ー門へ向カイマスカ?ー

「いや……現場で取り押さえられなかったら逃げられそうだしね」

ーワカリマシター


…家で亀と泳いだ経験がここで活かされるとは…でも気になるのは…


「ねぇリフィ…これって下水的な物?」


さすがに下水は泳ぎたくない…


ー水ノ浄化処理ハ各家庭ノスライムガ行イマスノデ、ナナ様ノ認識的ニハ上水デスネー


「リフィ、僕に何かあった場合に連絡手段を考えといて」

ーワカリマシター


匂いの心配をしなくていいだけ……ましか。


はぁと大きなため息をつきながら、僕は黒マントの集団が下りた穴を続いて下りるのだった

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