へーんしん!
「現実問題…聖女の指輪を俺が取り戻すのに、5歳の姿ではどうしようもないけど、起きたら15歳とかは嫌だ」
…しかも起きたらインフェルノドラゴンの報告をしに町に戻るのに、帰った5歳児が突然15歳とかになってたら……どうよ?
【そうじゃな…】
どこぞの魔法少女とかみたいに必要な時だけ変身するみたいに大きくなれれば助かるんだけどな…
【……おぬし】
「…?」
なんだか怪訝な表情でこちらをみてくる神様…
【……そんなフリフリの服をきて、変身願望があるのか?】
「ないわっ!!」
たまたま某魔法少女を想像したところを神様に拾われてしまったみたいだ…
【…こんな物でいいのか?】
と神様が出してきたのはキラキラ小学生女子が好きそうなコンパクト……
「……これは?」
神様がカパッとコンパクトを開いて真ん中のボタンのようなものをワンプッシュする…
するとコンパクトから七色の光が飛び出して神様を包み込む…
「……」
光の中から現れたのは…さらに年取った神様が現れるのかと思いきや……
「…っ?!」
美少女だった。
ただの女性とかじゃなく美少女……クオリティが高いのがむかつく
【こんな感じで10歳年をとりたいのか?】
声は元のまんまなんかいっ!!
声のクオリティも美少女に沿わせろよ!!
【お主の記憶に音声がなかったんじゃからしょうがないじゃろう…】
やめて!!この美少女が俺の記憶データから抜かれてるとか!
どおりで俺の好み100%ど真ん中…その声やめてくれ!!
【声とかどうでもいいわい、こんな感じで変身したいのかを聞いとるんじゃ!】
あぁ…視覚でテンション上げられて声で急激に落とされる。
明らかに気分が落ちた状況の俺を見て、神様がまた光に包まれて爺さん神様に戻る…
美少女よりじいさんの姿に安心感を覚えるとか初体験だ
固定概念って恐ろしいな、
いくら好みドンピシャな姿をされてても何か一個想像と違ったらあんなに萎えるのか…
【おぃおぃ失礼すぎるじゃろ…】
「黙れじじぃ」
俺の理想女子を汚しやがって…
…もう彼女を想像してもあてられる声はじじぃになっちゃったじゃないか…
【わしの変身はもうええわい。注目して欲しいところは仕方のほうじゃ】
「…仕方?」
【こうやってコンパクトで5歳から15歳になるのはどうじゃ?と聞いておる】
「却下で」
コンパクトを5歳児は使わんだろうが…
どうせなら腕時計タイプの物とか、眼鏡とか、サッカーボール……サッカーボールはいらんな。
これで何かを想像できる人には仲間意識を感じる
【腕時計…こんな感じの魔道具か?】
神様が手を振ると俺の手にアナログの腕時計が現れる
本当の時計と違うのは文字盤が0から10までしかない事と針が1本しかない。
「これは?」
【0が今の年齢、そこからプラス10歳まで容姿が変えられるアイテムじゃ。針を数字に合わせて針の真ん中に触れれば発動する】
「おぉ!素敵魔道具」
試しに使ってみる。
今は俺は35歳だから10歳老けたら45歳だな…針を10の数字に合わせて真ん中に触れる
時計から七色の光が飛び出し、俺を包む。
うん、このド派手なエフェクトはいらない。
そして光が消え去りそこに現れたのは…
45歳の魔法少女の服装をしたおじさん……えげつない




